デザインの質を上げる余白の使い方|視認性や見読性向上が期待できる

2025.01.25デザイン

デザインの質を上げる余白

私たちは日常生活を送るうえで、さまざまな媒体に掲載されているデザインを目にすることになります。

文章が多いものや、一文字も書かれておらず商品画像のみのものなど、さまざまなデザインが存在します。

ターゲットを決定したあと、どのような気持ちになってほしいか、何をしてほしいかを考えることが、デザインの目的です。

さまざまなテクニックが存在するなかでも、特に「余白」の使い方は押さえておいたほうが良いでしょう。

本記事では、視認性や見読性向上が期待できる、デザインの質を上げる余白の使い方について解説します。

 

余白の考え方

余白の考え方デザインを考える際、より多くの情報を伝えたいから余白がないようなデザインを作成してしまうことがあります。

確かに、多くの情報が記載されているほうが伝えたいことをアウトプットすることができます。

しかし、余白なくギッチリとデザインされたものは、視認性が低下してしまう可能性があります。

一方、適度な余白を設けることで、本当に伝えたいことに視線を集中させることができます。

実店舗を例に取ると、スペースいっぱいに商品が並べられている店舗と、少ない商品を並べている店舗があります。

前者の場合は探す楽しみがありますが、何がどこにあるのかが理解しにくいです。

後者の場合、アイテム数は限られていますが、お客様は限られた商品すべてに目を通す可能性があります。

このように、最も見てもらいたい情報に集中させるために、あえて余白を設けるというテクニックが存在します。

 

余白を使うことで得られる効果

余白を使うことで得られる効果こちらでは、余白の使い方をご紹介します。

 

視認性の向上

たとえば、同じ文章を記載しても字間や行に余白を設けなかった場合、視認性が低下してしまいます。

チラシやフライヤーといった印刷物は、記載された情報で読者の興味をそそり、購入に至ることが目的です。

しかし、伝わりにくい文章だった場合、読者は読みにくいことから文章を飛ばしてしまい、想いが伝わらないことがあります。

字間や行間に余白を設けることで視認性が向上し、読者が文章を飛ばす可能性が低下し、結果として購入に至る可能性が向上します。

 

要素の分離

要素の分離デザインのなかには、対比する要素や関連する要素などを記載することがあります。

これらの要素が近すぎると同じ種類の情報だと誤って認識されてしまい、誤解を生んでしまう可能性があるのです。

そのため、対比する要素は距離を空けて、関連する要素は近づけるなど、余白を利用して要素を分離してみましょう。

その際、それぞれの要素を枠線で囲ったり、色を変更したりすることで、明確に違いや関連性を示すことができます。

 

高級感の演出

余白を使用したテクニックのひとつとして、高級感を演出する「ホワイトスペース効果」と呼ばれるものがあります。

余白が少ないデザインは安価な印象を、余白が設けられているデザインは高級な印象になるものです。

スーパーのチラシは安さを演出するために、あえて要素どうしを近づけたデザインで製作しています。

自動車やハイブランドのチラシやWebサイトには、こちらのホワイトスペース効果が採用されていることがあります。

 

余白を作る際のコツ

余白を作る際のコツ余白を作る際は、下記のポイントを押さえておきましょう。

 

階層やグループを意識する

先述の通り、余白を設けることで要素どうしの関連性を視覚的に表現することができます。

そのため、関連性がある要素をグループにまとめることで、情報を整理できるため視認性が向上します。

 

形をそろえる

バラバラの形で要素を作成すると、要素の配置を決定するレイアウトがなかなか決まらなくなります。

見出しや写真といった要素の形をそろえることで、レイアウトを考えやすくなるでしょう。

 

8の倍数で余白を設ける

多くのデバイスは解像度が8の倍数であることから、字間の余白は8、16、24ピクセル…といった、8の倍数で作成することで美しいデザインに仕上がります。

細かい調整を行う場合、4の倍数でも問題ありません。

 

これらの情報を参考にデザインを制作していても、伝わるデザインなのかが疑わしいこともあるでしょう。

そのような場合、競合他社やほかの業種が発行している印刷物を確認してみると、気付きをえられるかもしれません。

近年ではインターネットが普及したため、Web上で容易にデータを確認できるでしょう。

特に、ヒット商品や定番商品を多く輩出しているメーカーの印刷から学べることは多いと考えられます。

 

おわりに

本記事では、デザインにおける余白について解説します。

適度な余白を設けることで、本当に伝えたいことに視線を集中させたり、視認性を向上させたりすることができます。

正しく使うことで、要素の分離や高級感の演出といった効果を得られるため、多くのデザインに採用されています。

余白を使う際は、階層やグループを意識する・形をそろえる・8の倍数で余白を設けることを意識しましょう。

「少し見にくいかも」と感じたときは、余白を設けてみてはいかがでしょうか。

 

印刷技術と対応力 いろぷり

タグ : デザイン 余白
The following two tabs change content below.
いろぷりlogo
いろぷりこらむは100年を超える印刷実績をもとに印刷やデザインについてのお役立ち情報を発信していきます。