印刷物を利用したマーケティングにも有効なPASONAの法則とは?
2025.01.25印刷チラシやフライヤーといった販促物は、自社商品やサービスの売り上げ増加を目的として印刷されるものになります。
読者に伝えたいことや、最も言いたいことなどを記載して、まずは興味を持ってもらい、購入に至るのが理想といえます。
そのため、適当にデザインを施しても期待している成果を得られるわけではなく、法則や経験則に則らなければなりません。
本記事では、印刷物を利用したマーケティング戦略にも有効な、PASONAの法則について解説します。
「PASONAの法則」とは?
PASONAの法則とは、ユーザーに自社商品やサービスを購入してもらうにあたり、有効となるメッセージの並べ方になります。
ビジネスシーンではさまざまなフレームワークが用いられていますが、PASONAの法則は伝え方に関するフレームワークです。
下記、PASONAの法則に関する単語です。
英語 | 日本語訳 | 詳細 |
Problem | 問題 | 読者が抱えている悩みや欲求を提起したもの |
Affinity | 親近感 | 読者が抱える問題を深堀りし、中身を掘り下げて共感・親近感を誘う |
Solution | 解決策 | 問題を解決できる方法の提示 |
Offer | 提案 | 解決策を導入してもらうための提案 |
Narrowing Down | 絞り込み | 限定期間を絞り込み、購買理由を示す |
Action | 行動 | 行動してもらうための呼びかけ |
これらを見てみると、PASONAの法則は最初のPから最後のAまで、読者に購入してもらうためのアクションを示しています。
特に、メルマガやセールスレター、DMなどで採用されることが多いフレームワークになります。
紙媒体は記載できるスペースが限られていることから、端的な文章で情報を伝えなければなりません。
しかし、文章が短すぎると魅力が伝わりにくく、読者の興味をかき立てられない可能性があります。
PASONAの法則は、端的な文章で魅力を最大限に伝えることができるフレームワークといえます。
新・旧PASONAの法則の違い
先述したPASONAの法則は、実は新・PASONAの法則とよばれるもので、実は旧型が存在していました。
下記は新・旧PASONAの法則に関する比較表です。
新・PASONAの法則 | 旧・PASONAの法則 | ||||
英語 | 日本語訳 | 詳細 | 英語 | 日本語訳 | 詳細 |
Problem | 問題 | 読者が抱えている悩みや欲求を提起したもの | Problem | 問題 | 読者が抱えている悩みや欲求を提起したもの |
Affinity | 親近感 | 読者が抱える問題を深堀し、中身を掘り下げて共感・親近感を誘う | Agitation | あおり | 読者が抱える問題を深堀し、中身を掘り下げて緊急度をあおる |
Solution | 解決策 | 問題を解決できる方法の提示 | Solution | 解決策 | 問題を解決できる具体的方法を提示する |
Offer | 提案 | 解決策を導入してもらうための提案 | |||
Narrowing Down | 絞り込み | 限定期間を絞り込み、購買理由を示す | Narrowing Down | 絞り込み | 限定期間を絞り込み、購買理由を示す |
Action | 行動 | 行動してもらうための呼びかけ | Action | 行動 | 行動してもらうための呼びかけ |
比較をしてみると、AとSOの部分が異なることがお分かりいただけるでしょう。
旧版では読者に緊急度をあおるように定義をされていましたが、ネガティブな感情を喚起してしまう可能性があります。
「早く買わないと売り切れますよ?」や、「今買わないといつ買うのですか?」などが一例といえます。
これらを目にすると、焦燥感にかられるような人もいると思いますが、なかには不快に感じてしまうような人もいます。
長期的に読者と良好な関係を構築する際、このような表記はデメリットとなってしまうことがあります。
このような負の感情をかき立ててしまうことから、新版では親近感を誘うように変更されました。
また、新版ではSolution:解決策とOffer:提案に分かれていますが、旧版ではSolution:解決策のみとなっています。
つまり、旧版では解決策を提示するのみで、そのための提案を行っていなかったのです。
読者の購買行動を喚起するために、新版では無料お試しなどの提案をするように変化しました。
チラシ配布におけるPASONAの法則の活用方法
こちらでは、チラシ配布におけるPASONAの法則の活用方法について、例を用いてご説明します。
例:飲食店の場合
珍しい料理を提供するお店がチラシを作成する際、PASONAの法則を活用することで下記のような文章を作成できます。
- P:今までに○○の料理を食べられたことはありますか?
- A:食べたことがないものを食べてみたい、しかし家で作るのはめんどくさいですよね?
- S:当店では○○を中心とした、普段目にしないようなさまざまな料理を提供します。
- O:そこで、多くの人に食べてもらいたいので、○○を50%OFFでご提供します!
- N:ただし、赤字になる可能性があるので、このキャンペーンは〇月〇日までとさせていただきます。
- A:今後、同じキャンペーンを行わない可能性があるため、ぜひお店に足をお運びください!
例:フィットネスクラブの場合
- P:運動不足や食習慣などが原因で、おなかに肉が付いてきて困っていませんか?
- A:かくいう私も、昔は体重が○○kgだったので、同じような悩みを抱えていました。
- S:自分では解決が難しかったので、フィットネスクラブに通って運動と食事指導を受け、〇kg落とすことができました!
- O:今なら入会金0円キャンペーンを実施しています。
- N:しかし、多くの人からお問い合わせが来る可能性と、受け入れ可能なキャパシティがあるため、〇名限定とさせていただきます。
- A:下記フォームにてご連絡いただき、クーポンコードをご入力いただくことで入会金が0円になります。
結論は来店・入会してもらうことが目的であり、そのために割引をしているということになります。
しかし、PASONAの法則に従って文章を構成することで、自然とストーリーができあがるのです。
読者の興味をかき立てるためには、このストーリー構成が重要となります。
たとえば、自分の体験談やお客様の声などを記載することで、読者は親近感を得やすくなることでしょう。
また、期限や数量を限定することで、興味を持ったユーザーに自然と「早めに買わなければ」という焦燥感を駆り立てられます。
おわりに
本記事では、マーケティングの際に活用できるPASONAの法則について解説しました。
PASONAの法則は下記6要素の頭文字を取ったものであり、現代では新版が用いられています。
- Problem:問題
- Affinity:親近感
- Solution:解決策
- Offer:提案
- Narrowing Down:絞り込み
- Action:行動
PASONAの法則は飲食店やフィットネスクラブだけではなく、さまざまな業種に応用できるフレームワークになります。
伝わりやすい文章校正を意識して、多くの読者に思いを届けて売り上げにつなげましょう。


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