パンフレット・デザインの基本とレイアウト作成のコツを解説
2025.08.18|デザインパンフレットは、企業や団体の魅力を効果的に伝えるツールとして欠かせません。
伝えたい情報を正確に届けるためには、デザインやレイアウトに工夫が必要です。
本記事では、パンフレットデザインの基本とレイアウト作成のコツを解説します。
パンフレットの目的とレイアウトの基本
パンフレットは、限られた紙面で情報をわかりやすく伝える印刷物です。
採用活動や営業支援、自治体の広報活動など、用途に応じてデザインとレイアウトを最適化することが重要です。
こちらでは、パンフレットの目的と種類、効果を高めるレイアウト設計の基本、ページ配分の考え方について解説します。
パンフレットの主な目的と種類
パンフレットの用途は多岐にわたります。
以下のような目的ごとに、伝えるべき情報や構成、デザインの方向性が異なります。
- 採用パンフレット:会社の理念、働く人の声、制度や待遇を中心に掲載。若年層にも届くよう、視覚的に訴えるデザインが効果的です。
- 営業用パンフレット:製品やサービスの特徴、実績、価格、導入事例などを整理し、商談時の補足資料として活用されます。
- 展示会パンフレット:限られた接触時間のなかで企業の強みを訴求するため、インパクトのあるビジュアルと簡潔なメッセージが求められます。
- 店舗案内・商品紹介:店舗の場所やメニュー紹介、商品ラインナップなど、消費者がすぐに理解できる構成が求められます。
- 自治体・官公庁の広報物:制度の周知やイベント告知を目的に作成され、正確性と読みやすさが重視されます。
このように、パンフレットの目的を明確にし、用途に応じて情報設計を変えることが基本です。
効果を高めるレイアウト設計の基本
パンフレットの効果を高めるには、読みやすさと伝わりやすさを両立したレイアウト設計が欠かせません。
とくに次のような基本テクニックが有効です。
- Z型・F型レイアウト:人の視線は、紙面上でZ字やF字のように動く傾向があります。重要な情報をその流れに沿って配置することで、自然な情報伝達が可能になります。
- グリッド設計:ページ全体を見やすく整えるために、マス目状のガイドラインを活用する方法です。余白や画像、テキストが均等に配置され、安定感のある印象を与えます。
- 余白の活用:要素同士の距離感や区切りを意識し、読み疲れを防ぐための余白(ホワイトスペース)を効果的に取り入れることが大切です。
- 視線誘導:アイキャッチ画像、矢印、カラーなどを使い、読者の視線を適切に誘導することで、意図した順序で情報を伝えられます。
こうした設計の基礎を押さえることで、パンフレットは単なる情報媒体から「読まれる・伝わる」ツールへと進化します。
紙面構成とページ配分のコツ
パンフレットは複数ページで構成されることが多く、ページ数に応じてレイアウトの考え方も変わります。
代表的なページ構成の基本は以下の通りです。
- 表紙:キャッチコピーやロゴ、イメージ写真を掲載し、第一印象を決定づけます。
- 導入ページ:企業や商品の背景、コンセプトなどの説明を簡潔にまとめます。
- 本文ページ:サービス紹介、機能、実績、料金表などの主要情報を論理的に配置します。
- 裏表紙:会社概要、連絡先、地図など、実用的な情報を掲載するのが一般的です。
また、ページ数によって構成のバランスも変化します。
たとえば、4ページ構成の場合は情報を簡潔に集約し、8ページ構成ならセクション分けが可能になります。
16ページ以上では、ストーリー性や流れを意識した展開が重要です。
紙面の目的と読み手の行動を想定しながら、ページごとの役割を明確にすることが、完成度の高いパンフレットを生み出す鍵となります。
成果を出すためのデザインの工夫
パンフレットの成果を最大化するためには、単なる見た目の美しさだけでなく、目的に応じたデザイン戦略が求められます。
こちらでは、視認性と可読性を高める工夫、ビジュアル素材の活用法、情報の整理テクニック、用途別のデザインアプローチについて解説します。
視認性と可読性を高める工夫
情報がいくら有益でも、読みにくければ伝わりません。
視認性と可読性を確保することは、パンフレットデザインにおいて最も重要なポイントです。
- フォントの種類とサイズ:本文には読みやすいゴシック体や明朝体を使用し、見出しと本文でサイズや太さを区別します。標準的には、本文12pt前後、見出しは16~20ptが目安です。
- 行間・文字間の調整:狭すぎると読みにくく、広すぎると間延びして見えます。全体のバランスを見ながら調整します。
- 背景とのコントラスト:白地に黒文字は視認性が高く、背景に色や画像を使用する場合は文字が沈まないよう十分なコントラストを保ちます。
- 配色の心理効果:青は信頼感、赤は行動喚起、緑は安心感など、色の心理的効果を意識した使い方で印象をコントロールできます。
こうした工夫により、読者にストレスを与えずに情報を正確に届けることができます。
写真・イラスト・アイコンの活用術
視覚的な素材は、理解を促進し、印象に残るパンフレットづくりに欠かせません。
素材の選び方や使い方次第で、読み手の関心を大きく左右します。
- 目的に応じた選定:商品の訴求には実物写真、サービスの説明には利用シーンの写真、全体の印象を整えるにはイラストやアイコンが有効です。
- 解像度と画質:印刷に使用する画像は、300dpi以上が推奨されます。低解像度の画像は印刷時にぼやけるため注意が必要です。
- トンマナ(トーン&マナー)の統一:複数の写真やイラストを使用する場合は、色調や雰囲気をそろえることで、パンフレット全体の統一感が生まれます。
- イラスト使用時の注意:線の太さやテイストを統一し、内容が伝わるような意味のあるイラストを選定します。
ビジュアル素材は、読者の理解を助ける補助的な要素であると同時に、パンフレットの印象を決定づける要素でもあります。
見出しと情報の整理
限られた紙面で情報を的確に伝えるためには、内容の分類と構造化が不可欠です。
読み手の視線や思考の流れに沿った配置が重要になります。
- 階層構造の明確化:H1、H2、H3といった階層を明確に分け、情報の優先順位を視覚的に表現します。
- スキャンしやすいレイアウト:多くの読者はパンフレットを“熟読”するのではなく「流し読み」します。重要な箇所は太字や枠、アイコンなどで強調し、要点が瞬時に伝わる工夫が必要です。
- 視線誘導の工夫:目立つ見出し、囲み枠、矢印などを効果的に配置することで、自然と読んでほしい順に目を運ばせることができます。
情報を「見せる」ではなく、「伝える」レイアウトに仕上げることが大切です。
配布目的ごとのデザインアプローチ
パンフレットは、その目的に応じて訴求内容やデザインの方向性が変わります。
以下に代表的な用途別のアプローチを紹介します。
- 求人パンフレット:明るく親しみやすい色使い、働く人の写真や声を前面に出し、共感を呼ぶ構成が有効です。フォントやレイアウトも柔らかく、若年層に響くトーンを意識します。
- 商品案内パンフレット:スペックや特徴を明確に提示するレイアウトが重要です。比較表や導入事例を使い、論理的かつ信頼性のあるデザインに仕上げます。
- イベント告知パンフレット:日付や場所、申込方法などの情報を強調しつつ、ワクワク感を醸成するビジュアルやキャッチコピーを配置します。
- チラシやフライヤーとの違い:チラシやフライヤーは単発的な告知に向き、パンフレットは中長期のブランド訴求や詳細情報の伝達に適しています。目的に応じて両者を使い分けると効果的です。
デザインの方向性を定めることで、目的に合った成果を引き出すことが可能になります。
おわりに
本記事では、パンフレットデザインの基本とレイアウト作成のコツを解説しました。
目的や配布対象に応じた情報設計とデザインの工夫によって、パンフレットは効果的なコミュニケーションツールとなります。
構成・視認性・ビジュアルの調和を意識しながら、訴求力ある一冊を仕上げていきましょう。
印刷サービスを活用すれば、制作から納品まで効率的に進めることも可能です。


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