デザイナー必見!デザインの著作権や意匠権などの権利について

2024.11.23デザイン

デザインの著作権や意匠権

チラシやパンフレットをはじめとした印刷物の目的は、認知拡大や商品・サービスの購入など収益に関するものです。

より多くの人に見てもらうためには、自社や商品、サービスの特徴を押さえたデザインが不可欠になります。

場合によってはWeb上などで画像を探すことがありますが、その際には著作権や意匠権などの権利に注意しなければなりません。

本記事では、デザインの著作権や意匠権など、デザイナーや企業に帰属する権利について解説します。

 

著作権とは?

著作権とは著作権とは、自分が想像した著作物を無断でコピーされたり、使われたりしないように著作者を保護する権利です。

公益社団法人 著作権情報センターでは下記のように定義されており、著作物を使用する際には著作者の許可が求められます。

  • 「著作権」とは、「著作物」を創作した者(「著作者」)に与えられる、自分が創作した著作物を無断でコピーされたり、インターネットで利用されたりしない権利です。他人がその著作物を利用したいといってきたときは、権利が制限されているいくつかの場合を除き、条件をつけて利用を許可したり、利用を拒否したりできます。

対象となる著作物は小説や音楽、絵画、映画、動画、写真などであり、インターネット上には膨大な著作物があります。

これらの著作物を無断で使用すると著作者から民事上の請求、刑事上の罰則などのペナルティを加えられることがあるのです。

著作権、出版権、著作隣接権の侵害は、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科せられます。

また、著作者の人権侵害においては5年以下の懲役、または500万円以下の罰金などが定められています。

参考ページ:公益社団法人 著作権情報センターホームページ「著作権って何?(はじめての著作権講座 )」

 

意匠権とは?

意匠権とは意匠権とは、ものや建物、画像に施されたデザインに対して付与される、独占排他権になります。

対象となるものはものなどの全体的なデザインのほか、部分的に特徴があるデザインです。

権利期間は最長25年(2020年3月31日以前の出願は登録から最長20年)であり、特許庁に出願して審査を通過することで得られます。

身近な意匠権では、たとえば机やイスといった家具、シャツやズボンなどのファッション、自動車などです。

また、近年ではアプリのアイコンやインターネット上のWeb画像も意匠権の対象となります。

ブランドアイテムなどは特徴的なデザインなものが多いため、意匠権によって保護されています。

意匠権を侵害した場合、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科せられることがあります。

参考ページ:特許庁ホームページ「初めてだったらここを読む~意匠出願のいろは~」

 

著作権と意匠権の違い

著作権と意匠権の違いこれまでは特許権と意匠権についてご説明しましたが、少し類似するところがあったと思います。

特に、Web上の画像については著作権と意匠権の両方が該当するものであることから、混同されがちなポイントです。

著作権と意匠権には、下記のような違いがあります。

 

目的

著作権は著作物に対して、公正な利用に留意しつつ、文化の発展に寄与することを目的としています。

一方、意匠権は新しく想像したものに対して、産業の発展に寄与することが目的です。

 

保護対象

著作権は著作権法によって、「⽂芸、学術、美術または⾳楽の範囲に属するもの」である必要があります。

意匠権については産業で利用できるもの、かつ出願前に対象物と同一・類似するものがないものに限られます。

 

権利の範囲

著作権については偶然に想像したものについては権利を行使することができません。

しかし、意匠権については意図の有無に限らず、自分が出願した意匠に類似していた場合、権利の範囲に含まれます。

 

手続き

著作権は出願や登録のための手続きは不要であることから、手間や費用が発生しません。

意匠権は意匠法によって、特許庁が取り決めた形式に従って審査を経て登録を受ける必要があります。

 

その他、デザイナーの権利

その他デザイナーの権利デザイナーは著作権や意匠権だけではなく、下記のような権利で守られています。

 

商標権

商標権は商品またはサービスについて使われる商標に対して与えられる権利であり、類似する範囲にも効果が及びます。

商標として保護されるものは文字や図形、記号のほか、立体的な形状や音なども含まれます。

権利期間は10年ですが、存続期間は申請によって更新が可能です。

 

知的財産権

先述した著作権や意匠権、商標権などはすべて知的財産権に含まれる権利になります。

ほかにも知的財産権には下記のような権利が含まれており、企業やデザイナーは制作物を守られているのです。

  • 実用新案権
  • 不正競争の防止
  • 育成者権
  • 地理的表示法
  • 回路配置利用権
  • 商号

 

おわりに

本記事では、著作権や意匠権など、デザイナーに関する権利について解説しました。

著作権とは、自分が想像した著作物を無断でコピーされたり、使われたりしないように著作者を保護する権利です。

一方、意匠権とはものや建物、画像に施されたデザインに対して付与される、独占排他権になります。

それぞれで対象範囲や申請の有無が異なりますが、デザイナーは知的財産権によって本人や制作物が守られているのです。

これらの権利で守られているため、デザイナーは安心してデザインを作成しましょう。

一方、意図して・意図せずにほかのデザイナーの権利を侵害しないように、デザインの際には注意が必要です。

 

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タグ : デザイン 意匠権 著作権
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