見やすいチラシを作成するコツ|情報整理や作成手順などについて解説
2022.07.05|⟳ 2026.07.03|チラシ印刷
チラシを作成する方にとって、どのようなデザインがユーザーにとって見やすいものなのかは、重要な課題のひとつではないでしょうか。
誰でも視認がしやすいデザインの中には、「ユニバーサルデザイン」と呼ばれるものがあります。
本記事では、見やすいチラシを作成するコツについて、情報整理や作成手順などとあわせて解説します。
ユニバーサルデザインとは?
ユニバーサルデザインとは、1980年にアメリカのロナルド・メイス博士が提唱した考え方で、「さまざまな立場の人がより便利に使えるように、製品や建物・空間をデザインしていこう」というものです。
さまざまな人が便利に使えるよう、ユニバーサルデザインには下記7つの原則が定められています。
公平な利用
公平性とは、誰でも利用ができることを指します。
公平な利用ができるものには低床バス、低床電車、コードレス掃除機などが含まれます。
利用における柔軟性
ユニバーサルデザインにおける柔軟性とは、使う人の好みや能力によって自由に選択できることを指します。
柔軟性が高いものには、ICと切符の両方に対応した改札などが挙げられます。
単純で直感的な利用
シンプルでわかりやすいことも、ユニバーサルデザインに含まれます。
単純で直感的に利用することができるものには、各種スイッチが挙げられます。
認知できる情報
使用状況や使う人の感覚に関係なく、必要な情報を効果的に得られることを指します。
電車内の音声アナウンスや文字盤表示も、ユニバーサルデザインにおける認知できる情報に含まれます。
失敗に対する寛大さ
少しの失敗が大きな事故につながらないよう、安全に作られていることもユニバーサルデザインに含まれます。
大事故につながらないように、扉を開けると停止する電子レンジもユニバーサルデザインに則ったものであると言えます。
少ない身体的な努力
少ない身体的な努力とは、効率良く疲れずに利用できることを指します。
たとえば、タッチセンサー付きの照明やICカードが利用できる改札などに不便さを感じる方は少ないのではないでしょうか。
接近や利用のためのサイズと空間
体格や姿勢、移動能力に関わらず、どのような人でも操作ができるスペースを確保することです。
料金投入口が大きい自動販売機や大きなボタンのリモコンなどは、人の大きさに関係なく目的を達成することができます。
ユニバーサルデザインは必ず守らなければならないというものではありません。
しかし、利用者に配慮したものを作る際には、ユニバーサルデザインの7原則は参考にすることができます。
見やすいチラシに必要な基本

見やすいチラシを作るには、デザインに入る前の情報整理が欠かせません。
誰に何を伝えるのかを明確にし、掲載する情報を絞ることで、チラシ全体の方向性が整います。
こちらでは、見やすいチラシに必要な基本をご紹介します。
ターゲットを明確にする
チラシを作成する際、誰に向けたチラシなのかが曖昧なままでは、キャッチコピーやデザインの方向性も定まらないため、最初にターゲットを明確にします。
たとえば、主婦向け、学生向け、企業担当者向けでは、響きやすい表現や必要な情報が異なります。
そのため、年齢層、悩み、利用シーンを整理したうえで、紙面全体の訴求軸を決めることが効果的です。
伝えたい情報を絞る
見やすいチラシにするには、伝えたい情報を絞ることが重要です。
商品特徴、価格、開催日、特典、問い合わせ先などをすべて同じ強さで載せると、読者は何を見ればよいか迷います。
まずは、最も伝えたい内容をひとつ決め、補足情報は優先度に応じて配置しましょう。
これにより、チラシの目的が明確になり、読者の行動にもつながりやすくなります。
読む順番を意識する
チラシは読者が上から順番にすべて読むとは限らないため、目に入りやすい位置にキャッチコピーや主要情報を配置し、自然な流れで詳細へ誘導することが必要です。
一般的には、タイトル、メリット、詳細、行動導線の順で配置すると理解しやすくなります。
ほとんどの場合、横書きのチラシは左上を起点とし、箇条書の場合はF型、通常の文章ではZ型に目線が移動します。
縦書きの場合は右上から読み、一番下まで到達したあとは左にズレて上から下まで読む、N形で文章を追います。
このように、縦書き・横書きによって読み始める箇所が異なるため、レイアウトを検討する際にも注意が必要です。
また、余白や見出しを使って情報の区切りを作ると、読み進める負担を抑えられます。
参考ページ:当社コラムページ「デザインにおけるレイアウト|同じ要素でも伝わり方に差が出る」
見やすいレイアウトのコツ

チラシのレイアウトは、情報の伝わりやすさを大きく左右します。
同じ内容でも、配置や余白の使い方によって、読みやすさや印象は変わります。
以下にて、見やすいレイアウトのコツについて解説します。
情報に優先順位をつける
レイアウトを考える際は、情報の優先順位を明確にします。
最も伝えたい情報は紙面の上部や中央など、視線が集まりやすい位置に配置すると効果的です。
一方で、補足情報や詳細条件は、本文や下部に整理すると全体が見やすくなります。
優先順位をつけることで、読者が短時間でも内容を理解しやすくなります。
余白を十分に取る
余白は、何もない空間ではなく、情報を見やすくするための要素です。
文字や画像を詰め込みすぎると、紙面が窮屈に見え、読む意欲が下がる可能性があります。
見出しの周囲、本文の行間、画像との間隔に余白を設けることで、情報のまとまりが明確になります。
その結果、チラシ全体に整理された印象を与えられます。
文字と画像の配置を整える
文字と画像は、関連性がわかるように近くへ配置することが基本です。
画像だけが目立ちすぎたり、説明文が離れすぎたりすると、内容の理解に時間がかかります。
また、左揃えや中央揃えなどのルールを統一すると、紙面全体のバランスが整います。
配置をそろえることで、視線が安定し、読みやすいデザインになります。
視線の流れを意識する
チラシでは、読者の視線がどの順番で動くかを意識する必要があります。
タイトルから本文、写真、問い合わせ先へと自然に流れる構成にすると、情報を理解しやすくなります。
特に、申込や購入を促すチラシでは、最後に行動導線を明確に配置することが欠かせません。
電話番号、QRコード、URLなどは、見落とされにくい場所に配置しましょう。
チラシ作成時の注意点

チラシを作成する際は、目立たせることだけを重視しすぎないよう注意が必要です。
色や文字装飾を増やしすぎると、かえって読みづらい紙面になる場合があります。
こちらでは、チラシ作成時の注意点をご紹介します。
色数を増やしすぎない
チラシの色数が多すぎると、紙面全体の統一感が失われます。
また、どの情報が重要なのかが判断しにくくなり、読者の視線も分散します。
ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーを決めておくと、デザインにまとまりが出ます。
さらに、色覚特性に配慮する場合は、色だけで区別せず、文字やアイコンも併用すると安心です。
参考ページ:当社コラムページ「配色のコツをつかんで魅力的なチラシをデザインしよう」
文字サイズを小さくしすぎない
掲載情報が多い場合でも、文字サイズを小さくしすぎることは避けましょう。
小さな文字は読みにくく、特に高齢者や視力に不安がある人にとって負担になります。
本文は読みやすいサイズを確保し、注釈や補足情報も必要以上に詰め込まないことが望ましいです。
紙面に収まらない場合は、情報の削除や別媒体への誘導を検討しましょう。
強調箇所を絞る
チラシでは、すべてを目立たせようとすると、結果的に何も目立たなくなります。
太字、色変更、囲み、下線などの装飾は、特に伝えたい箇所に限定することが効果的です。
強調する情報を絞ることで、読者は重要な内容をすぐに把握できます。
キャンペーン名、価格、申込期限など、行動に直結する情報を優先しましょう。
ユニバーサルデザインに配慮した構成

先述の通り、ユニバーサルデザインは誰でも不自由なく、使いやすいように設計されたデザインを指します。
では、チラシにおいてはどのようなデザインがユニバーサルデザインになるのでしょうか。
文字を例に取ると、小さな文字よりも大きな文字の方が視認しやすいため、ユニバーサルデザインに則っていると言えます。
また、単純で直感的な訴求が行われている情報も、チラシを見た人が理解しやすいため、優しいデザインであると言えます。
チラシによる訴求を上げたいときは、チラシを見てほしいターゲットの特徴も明確にしましょう。
ユニバーサルデザインに配慮したデザイン例

こちらでは、視覚障がい、色覚障がい、高齢者、子ども、海外の方に配慮した、ユニバーサルデザインに則ったデザイン例をご紹介します。
視覚障がいの方
視覚障がいの方でも視認することができるようなデザインにするためには、下記のポイントをおさえましょう。
- 文字を大きくする
- 色の明度差を大きくする、はっきりとした色使いにする
- 点字を使用する
色覚障がいの方
色覚障がいの方を想定する場合、色の見え方を意識したり、模様や境界線といった色以外の情報を加えたりしましょう。
高齢者
60~70歳代になると、先述の視覚や色覚機能が下がり、目を通しての情報が得られにくくなります。
そのため、文字を大きくしたり色の明度差を大きくしたりといった手法を用いて、視認がしやすいデザインで作成しましょう。
子ども
子どもは漢字や難しい表現が理解できないことがあるため、写真やイラストなどを取り入れたり、漢字にふりがなを振ったりしましょう。
海外の方
日本語に明るくない海外の方を対象としたデザインには、写真やイラストを取り入れる、優しい日本語で表現する、英語を含む母国語を記載するといった方法で理解してもらうことができます。
印刷前に確認したいポイント

チラシは印刷後に修正することが難しいため、入稿前の確認が重要です。
デザインだけでなく、文字情報やサイズ、紙質まで確認しておくと、仕上がりの失敗を防ぎやすくなります。
こちらでは、印刷前に確認したいポイントをご紹介します。
誤字脱字を確認する
印刷前には、誤字脱字や表記ゆれを必ず確認します。
特に、日付、曜日、電話番号、住所、価格、キャンペーン条件は誤りがあると信頼性に影響します。
作成者だけでなく、第三者にも確認してもらうことで、見落としを減らせます。
また、修正を重ねた箇所ほど誤りが残りやすいため、最後に全体を通して確認しましょう。
仕上がりサイズを確認する
チラシの仕上がりサイズは、配布方法や設置場所に合わせて選ぶ必要があります。
ポスティングや新聞折込ではA4やB5、店頭設置ではA5など、用途によって適したサイズが異なります。
また、印刷時には塗り足しや余白の設定も確認しておく必要があります。
仕上がりサイズを誤ると、文字切れやデザイン崩れが起こる可能性があります。
紙質や部数を確認する
チラシの印象は、紙質によっても変わります。
高級感を出したい場合は厚めの紙、配布枚数を重視する場合は扱いやすい紙を選ぶとよいでしょう。
また、部数は配布計画や予備分を踏まえて決めることが必要です。
印刷通販サービスを利用する際は、納期、用紙、加工、入稿条件を事前に確認しておくと安心です。
おわりに
本記事では、見やすいチラシを作成するための情報整理やデザインの考え方について解説しました。
見やすいチラシにするには、ターゲットを明確にし、伝えたい情報を絞ることが重要です。
また、余白や配置、視線の流れを意識することで、読者が内容を理解しやすい紙面になります。
さらに、ユニバーサルデザインに配慮すれば、高齢者、子ども、海外の方など、より多くの人に伝わるチラシを作成できます。
印刷前には、誤字脱字、仕上がりサイズ、紙質、部数を確認し、目的に合った仕様で入稿しましょう。
見やすさと伝わりやすさを両立したチラシは、販促効果の向上にもつながります。
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