魅力的なパンフレットの作り方をポイントや注意点とあわせて解説
2022.05.18デザイン魅力的なパンフレットの作り方をポイントや注意点とあわせて解説
「パンフレット印刷を行いたいけど、どういった流れで作れば良いの?」という方も多いかと思います。
今回はパンフレット印刷の知識として、基本的なパンフレットの作り方についてご紹介していきます。
パンフレットとは?
パンフレットは、商品やサービスの魅力を端的かつ視覚的に伝える印刷物として、企業や団体で幅広く活用されています。
見込み顧客や来場者に情報を届けるだけでなく、ブランドイメージの構築や販促活動の一助にもなります。
パンフレットの種類
パンフレットにはさまざまな形式がありますが、一般的には「冊子タイプ」と「折りタイプ」の2つが採用されます。
冊子パンフレット
冊子タイプのパンフレットは、複数ページを中綴じや無線綴じで製本するスタイルです。
商品カタログや会社案内、施設紹介など、情報量が多いケースで適しています。
厚みやページ数によって与える印象が大きく異なるため、高級感や信頼性を演出したい場合に選ばれることが多いです。
折りパンフレット
折りタイプのパンフレットは、1枚の用紙を2つ折りや3つ折りなどに加工して仕上げます。
情報をコンパクトにまとめたいときや、展示会・イベントなどで大量に配布する用途に向いています。
コスト面でも比較的抑えやすく、スピーディーに作成できる点が魅力です。
パンフレットの用途
パンフレットは、営業ツールとしての会社案内や、施設の設備紹介、自治体の観光案内、学校の募集要項などに用いられています。
掲載内容やデザインによって、読者の行動を促す大きな役割を持ちます。
カタログ・リーフレット・チラシとの違い
パンフレットはほかの印刷物と混同されやすいですが、それぞれ下記のように用途や構成が異なります。
項目 | パンフレット | カタログ | リーフレット | チラシ |
形態 | 冊子または折り加工された印刷物 | 製本された冊子(ページ数が多い) | 1枚紙を折ったもの(二つ折り、三つ折りなど) | 1枚紙(折りなし) |
情報量 | 中程度(全体像やポイントを紹介) | 多い(製品・サービスごとの詳細を網羅) | 少~中程度(要点を簡潔に紹介) | 少ない(簡潔な告知) |
製本方法 | 中綴じ、無線綴じ、折り加工など | 無線綴じ、アジロ綴じなど | 折り加工(巻き三つ折り、Z折りなど) | 製本なし |
主な用途 | 企業案内、商品・サービスの概要紹介 | 商品カタログ、総合サービス案内、注文案内 | 観光案内、施設案内、簡易なサービス紹介 | セール・キャンペーン告知、イベント案内 |
配布方法 | 展示会、商談、郵送、店舗配布など | 展示会、営業訪問、郵送など | 店頭設置、郵送、観光案内所、施設での配布 | 新聞折り込み、街頭配布、ポスティング |
使用期間 | 中~長期(一定期間活用される) | 長期(年単位で使用される) | 中期(季節やキャンペーンごと) | 短期(イベントやセール期間) |
それぞれの冊子・用紙に特徴があるため、用途や目的によって最適なものを選ぶ必要があります。
パンフレットについてはカタログとリーフレット・チラシの中間程度の性質を持っているため、用途としては幅広いといえます。
情報量や使用期間などを考慮して、最適な印刷物を選びましょう。
魅力的なパンフレットの作り方
こちらでは、読者に興味を持ってもらえるような、魅力的なパンフレットの作り方をご紹介します。
パンフレットを作る目的とターゲットを明確にする
パンフレットを作る際には、そのパンフレットの目的を明確にしましょう。
明確にしなければ、期待していた成果を得られないだけではなく費用対効果、反応率が下がってしまいます。
また、制作時にもコンセプトや訴求がずれてしまうため、目的を持ってパンフレットを作ることを心がけましょう。
目的を定めるためのおすすめの方法はノートやメモに、目的やターゲット、配布地域、配布方法などを書き出すことです。
パンフレットを作る目的の一例を記載しますので、これから作成する方はご参考ください。
- 商品を一般の人に知ってもらいたい
- 新店舗の紹介をしたい
- イベント告知をしたい
- 電話での問い合わせを増やしたい
- 新入社員を増やしたい
- 商品説明時に、よりお客様にメリットを伝えたい
パンフレットの企画を立てる
パンフレット作りの1番初めに行うことは、「どのようなパンフレットにするか」という企画を立てることです。
企画とは言っても見た目のイメージだけが先行してしまうと、後から「必要な情報が記載しきれていなかった…」ということにもなりかねません。
そのため、必要な要素をきちんと押さえながらイメージを固めておくと良いでしょう。
とくに「パンフレットのサイズ」「パンフレットの折り方」については先に決めておくとスムーズです。
パンフレットのサイズ
パンフレットはそのサイズによって、見た目の印象・手に取った感じが大きく異なってきます。
「どのようなサイズのものにすれば内容が読み手に伝わるか」を考えて選んでみましょう。
パンフレットの折り方
1枚の紙を折ることで作ることができるパンフレットを「折りパンフレット」と言います。
折り方により、パンフレットの開き方・内容・デザインなどが変わってくるでしょう。
代表的な折り方としては、「2つ折(センター折)」「3つ折(Z折・巻3つ折)」「外4つ折(蛇腹3山)」「観音折」「開き観音折」などが挙げられます。
パンフレットに載せる情報を明確にすると◎
パンフレットのサイズや折り方を決める目安として、「どういった情報をパンフレットに載せるか」ということを考えておくと良いかもしれません。
写真やロゴ、価格、問い合わせ先、商品の詳細など、「必要な情報をどの程度まで載せるか」、また「どういった配置にするか」までをイメージしておくことをおすすめします。
パンフレットのイメージが明確になったら、次は実際にパンフレットの印刷部数や使用する紙の種類についても見当をつけ、印刷会社へ見積もりを出してみると良いでしょう。
また、画像や資料を用意するのに必要となる日数や印刷するのに必要となる日数を数えて、できる限り余裕をもったスケジュールでパンフレット作成を進めるのが理想的です。
パンフレットの作成手順
折りパンフレットの場合、画面上のデザインやレイアウトを確認しているだけではあまりイメージが掴めないかと思います。
そのため、パンフレットと同じような大きさの紙を折ってみて、イメージしたパンフレットの内容を実際に書き込んでサンプルを作ってみましょう。
「画像が大きい・小さいかどうか」「文字ははっきりと読めるサイズか」「読みやすい・見やすいか」「問い合わせ先がパッと見でも分かるか」などといったポイントを確かめながら、調整していき、ラフレイアウトを作っていきます。
区分 | 具体的な内容例 |
基本情報 | 会社名・ロゴ・住所・電話番号・メールアドレス・営業時間など |
コンセプト | 「何をしている会社か」「どんな価値を提供しているのか」など、企業の姿勢や理念 |
商品・サービス紹介 | 特徴、料金、メリット、導入事例など。視覚的に理解できる写真や図表も有効です。 |
強み・差別化ポイント | 他社との違いや、選ばれる理由。第三者評価や導入実績も信頼性を高めます。 |
行動導線 | 「問い合わせはこちら」「ウェブサイトを見る」「予約する」など、次に取ってもらいたい行動を明確に記載します。 |
情報設計は視線の流れを意識
人の視線は基本的に「Z字」や「F字」の動きをします。
パンフレットは読み流されやすい冊子であるため、見出し・写真・文章の配置を視線誘導に沿って設計することが効果的です。
たとえば、左上からブランドロゴ、中央に商品の写真、右下に問い合わせ先など、視線の順序で重要度を伝えていくと良いでしょう。
情報量とレイアウトのバランスも重要
パンフレットには限られたスペースしかないため、情報を詰め込みすぎると読みにくくなります。
そのため、パンフレットを作成する際は要点を絞って「見せる余白」を意識することで視認性が向上します。
パンフレット作成の予算・納期を決める
パンフレットを作成する際には、必要な予算や納期を決めておくことも重要です。
予算が決まっていないとパンフレットが高額になることにより、費用対効果が下がってしまいます。
また、納期が決まっていない場合は配布時期から遅れてしまうため、反応率が下がってしまう可能性があります。
予算・納期を決める際のポイントは、それぞれ余裕を持っておくことが重要です。
たとえば予算の場合、想定よりも安く済ませることができればほかのプロモーションに残った予算を充当することができます。
納期についても印刷ミスや刷り直し、ページの増減といったトラブルや追加オーダーがある際でも、早めに動いておくことで指定期日までに手元に届けてもらうことができます。
パンフレットの印刷用データを作る
画像・原稿がある程度そろったら、印刷会社にパンフレットの印刷用データを入稿しましょう。
レイアウトデータにはグラフィックソフトやDTPソフトが使われ、細部まで指定できることが多いです。
そのため、データ制作を専門としていたり、デザイン知識を豊富にもっていたりするDTPオペレーターやデザイナーにパンフレットデータを作ってもらうというのが一般的なのです。
パンフレット作成のコツ
パンフレットを自社で作成する際にも、プロの印刷業者が作成したような見た目にしたいと思う方は多いことでしょう。
プロっぽいパンフレットを作成するには、「フォント」「色」「用紙」に気をつける必要があります。
こちらでは、それぞれについてご説明します。
フォント
文字の字体を表すフォントによって、見た人の印象が変わります。
たとえばポップ体の場合は楽しかったり気持ちを上げたりするような印象を与え、明朝体のようにシックな字体の場合はしっかりと読んでもらいたいときに使います。
また、パンフレット全体で統一感を出すために、使用する字体はできるだけ少なくすることをおすすめします。
特定の字体を使用する際の注意点として、パンフレットを閲覧する際の環境によって文字化けや表示がされないことが挙げられます。
作成者が使用したパソコンでは問題なく閲覧ができても、確認者のパソコンでは書体だけではなく文章の幅も崩れてしまうことがあります。
そのようなトラブルを避けるためには、パソコン内に含まれている標準の書体を使用しましょう。
どうしてもオリジナルの書体を使いたい場合は、さまざまな環境下で文字化けや文章の隙間が無いかなどを確認しましょう。
色
プロっぽいパンフレットを作成する際には、統一感がある色使いも重要なポイントのひとつです。
たとえば赤を使用する場合、1ページ目の赤と2ページ目に使用する赤の濃淡が異なる場合、パンフレット全体の統一感が損なわれます。
統一感がある色の組み合わせは「基本となるカラー」に「基本となるカラーに合う色」「指し色」にプラスして「白・グレー・黒」がおすすめです。
下記、色の組み合わせの一例を記載いたしますのでご参考ください。
- 青+紫+ピンク+白・グレー・黒
- 薄いグレー+濃いグレー+オレンジ+白・黒
- 薄いピンク+濃いピンク+若草色+白・グレー・黒
色の組み合わせに正解はないため、作成したパンフレット全体を見ながら色合いなどを調整しましょう。
イメージカラーを決める
配色はパンフレット全体の印象を決定づける重要な要素です。
企業ロゴやブランドカラーに合わせたイメージカラーを軸にし、配色に一貫性を持たせましょう。
たとえば、落ち着いた印象を与えたい場合はネイビーやグレー、元気で明るい印象を与えたい場合はオレンジやグリーンが効果的です。
また、配色は「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」を基準に構成すると、まとまりのあるデザインになります。
- ベースカラー:背景や余白に使われる、印刷物全体の印象を左右する色を指します。
- メインカラー:デザインのメインとなる色であり、枠組みやタイトルの文字などに採用されます。
- アクセントカラー:特に目立たせたい箇所に採用される色で、しばしば全体の色と対照的な色を使うことが多いです。
一般的に、デザインに落とし込む色の比率は、「ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=70:25:5」が良いとされています。
用紙
パンフレットは手に取って中身を見るため、見た目だけではなく紙質も検討しましょう。
プロが作成するパンフレットには光沢紙やマット紙といった、普段使用しないような紙質のものが使われることが多いです。
オフィスワークなどで出力するコピー用紙でパンフレットを作成しても、安っぽいイメージがあるためパンフレットを見た人に対して「少し安っぽいパンフレットだな」と思われる可能性があり、その結果パンフレットとしての成果が下がってしまう可能性があります。
パンフレットを作成する際は、パンフレットに使用する用紙にも気を配りましょう。
どのようなパンフレットが良いかを迷った際には、競合他社や思わず手に取ったパンフレットを参考にするのも良いでしょう。
余白
情報を詰め込みすぎず、余白を有効に活用することで、読みやすく洗練された印象を与えられます。
行間・文字サイズ・段組みの間隔など、各要素の“呼吸”を意識しましょう。
パンフレットは短時間で目を通すことが多いため、「情報を見つけやすくする」という視点でのレイアウトが求められます。
重要な情報の周りに余白を取ることで、視線誘導がしやすくなり、読者に必要な情報を正確に届けることができます。
パンフレット作成時の注意点
パンフレットを作成する際は、下記のポイントに注意しましょう。
問い合わせ先を記載する
魅力的な内容のパンフレットでも、「読者が次に何をすればいいか」が明記されていなければ、その効果は半減します。
そのため、パンフレットには必ず問い合わせ先を記載し、読者がスムーズに行動に移れるようにしましょう。
下記は、問い合わせ先として記載されることが多い情報です。
- 電話番号・メールアドレス
- 営業時間・定休日
- 担当者名(必要に応じて)
- WebサイトURLまたはQRコード
近年ではQRコードはスマートフォンとの相性が良く、Webページに誘導できるため、採用率が高くなっています。
納品日・配布日を決める
特にイベントや展示会など、配布日が決まっている場合は、納品が間に合わなければ機会損失にもつながりかねません。
そのため、パンフレットを印刷する際は納期から逆算してスケジュールを立てることが不可欠です。
パンフレットの作成には、「デザイン」「校正」「印刷」「発送」など複数の工程があります。
用紙や加工によっては通常よりも納期が長くなるケースもあるため、余裕を持った制作スケジュールを意識しましょう。
自分で作るのが難しいときはプロにお任せ
先述の通り、自作でもプロっぽいパンフレットを作成することができます。
しかし、普段パンフレットを作り慣れていない方からすると、なかなか勝手が掴めず、作成しても安っぽかったり思ったような成果を得られなかったりすることがあります。
そのような場合、プロの印刷業者に依頼することを検討しましょう。
プロの印刷業者は、これまでにさまざまな印刷物を作成した実績を持つため、対象となるプロモーションに関するノウハウの提供もしてくれます。
外注コストは発生するものの、長時間社内でパンフレット制作に時間を費やすのであれば、プロに任せた方がコストを抑えられることもあります。
ターゲットや配布地域は決まっているがデザインがうまくいかないといった悩みが出ましたら、プロに相談してみてはいかがでしょうか。
おわりに
今回はパンフレット印刷の知識として、基本的なパンフレットの作り方についてご紹介しました。
パンフレットを作成する際には、「どのようなパンフレットにしたいか」という具体的なイメージを決めておくことが重要です。
大まかなイメージだけではなく、画像や文字のサイズ、色の配色、文章の内容、配置など、詳細を詰めていけばいくほど、イメージ通りのパンフレットを印刷することができるでしょう。


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