【ネット印刷基礎知識】冊子・本における「扉」についてわかりやすく解説
2022.06.02冊子印刷ネット印刷で業者に印刷を依頼し、思い通りの印刷物を印刷してもらうためには、どの箇所をどのようにしてほしいかといった要望を正しく伝えることがポイントです。
印刷業界では冊子・本における専門用語が存在するため、正しく伝えられなかった場合は思い通りの印刷物を納品してもらうことができません。
本記事では、冊子・本における「扉」について詳しく解説します。
冊子・本における「扉」とは?
「扉」とは、冊子・本においては導入ページのことを指し、「本扉」と「中扉」の2つに分類することができます。
本扉にはタイトルや著者名、出版社名が印刷され、一般的に扉は本文とは違う色や素材の紙が使用される傾向にあります。
中扉はそのページ前後を区切るために使われるページで、こちらも本文とは異なる色や素材の紙が使われます。
「口絵」とは?
扉と似たような使われ方をするページの中には、「口絵」と呼ばれるものがあります。
口絵とはイラストレーションの一種で、本に出てくる登場人物や風景、写真などが描かれた巻頭ページのことを指します。
その本のイメージを読み手に伝える役割を持つ口絵は、本文がモノクロでもフルカラーで印刷されることもあります。
扉を使う冊子・本
こちらでは、扉を使う冊子や本をご紹介します。
短編集・詩集・文集
先述した通り、短編集・詩集・文集といった冊子や本では本扉に著者・出版社といった内容が記載され、中扉には何も記載せずに本文の内容を区切って読みやすくするために使われます。
中扉があることで、そのページから明確に内容が変わったり新章に入ったりするということを読者に理解してもらうことができます。
小説・同人誌
小説や同人誌においても本扉には印刷物の情報が記載されます。
中扉については作品によっては新章の導入文やイラストが記載されることがあります。
小説や同人誌といった、世界観が重要な作品で中扉を有効活用することにより、読者をより深く作品の世界に入り込ませることができます。
テキスト
学習施設で使用する問題集や教科書といったテキストの本扉にも、先述した冊子や本と同様の内容が記載されます。
中扉については問題と解答を区切る役割だったり章を分けたりといった、さまざまな用途で使われます。
このように、本扉にはその本や冊子の詳しい情報が記載され、中扉は内容を一区切りさせる役割だったり、作品をより深く理解してもらったりするために使われます。
一方、カタログやパンフレット、手帳などは期間が限定されていたり著者がいかったりすることが多いため、扉が不要な冊子であると言えます。
扉に使う用紙
扉に使う用紙が本文のものと異なることを「別丁扉」と言い、用紙の色や紙の素材を変えることで章立てが一目でわかるためメリハリが生まれます。
別丁扉の素材には色付けされた上質紙がよく使われており、厚さは中厚口や厚口のものが選ばれる傾向にあります。
本文と同じ素材の紙を使用するよりも別丁扉の方が製本コストは高くなりますが、さまざまな色を使うことができるため、本や冊子全体が華やかになります。
本や冊子の厚さに適した厚さの扉を使用しなければ本の強度が弱くなり、バラバラになってしまうため、最適な厚さの扉を使用しましょう。
おわりに
本記事では冊子・本における扉について詳しくご説明しました。
扉とは冊子や本の章分けを明確にするもので、本文の最初に設置される本扉と本文の途中に設置される中扉の2つに分類することができます。
本扉にはタイトルや著者名、出版社名が印刷され、中扉はページ前後を区切るために使われます。
冊子や本に読みやすさと華やかさを持たせるために、扉には本文とは異なる素材を使用することをおすすめします。
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