営業やイベントなどでも活躍する小冊子の特徴や作り方をご紹介
2025.10.01|印刷小冊子は、企業や学校、団体が情報を整理して伝えるために広く利用されている印刷物です。
製本方式や用紙の種類によって仕上がりが異なり、目的に合わせた工夫が可能です。
営業活動や展示会での配布物としても役立ち、読者にとって手元に残りやすい媒体であることも強みです。
本記事では、印刷小冊子とは何か、その特徴や製本方法、作成のコツについて解説します。
小冊子とは?
小冊子は、情報量と携帯性のバランスに優れた印刷物です。
以下にて、小冊子の基本的な定義やブックレットとの違い、サイズやページ数の基準について解説します。
小冊子の定義とブックレットとの違い
小冊子とは、比較的少ないページ数で構成される冊子形式の印刷物を指します。
情報を整理しつつ持ち運びやすい点が特徴であり、企業の営業資料や商品カタログ、学校案内やセミナーテキストなど、多用途に利用されています。
類似する言葉として「ブックレット」がありますが、こちらはCDやDVDに付属する解説冊子を指すことが多く、用途や制作背景が異なります。
小冊子は単独で配布されることを前提とするのに対し、ブックレットは付属物としての性格を持つ点が大きな違いです。
小冊子のサイズ・ページ数の基準
小冊子に明確な規格はありませんが、A4・A5といった扱いやすいサイズが一般的です。
読みやすさや配布の利便性を考慮し、バッグや資料袋に収まりやすい寸法が選ばれる傾向にあります。
印刷物が大判用紙にまとめて印刷され、折り加工と断裁によって仕上げられる仕組みのため、ページ数は必ず4の倍数で構成されます。
たとえば中綴じ製本は40ページ程度までが適しており、それ以上になると無線綴じのほうがきれいに仕上がります。
小冊子の種類と製本方法
小冊子を制作する際には、製本方法の選択が重要です。
こちらでは、採用機会が多い中綴じ製本と無線綴じ製本の特徴をご紹介します。
中綴じ製本
中綴じ製本は、印刷物を二つ折りにし、中央部分をホチキスで綴じる方法です。
学校案内やイベントパンフレット、営業カタログなどに広く利用されています。
冊子を開いたときにページがフラットに近くなり、読みやすいことからレイアウトの自由度が高く、中央部分に写真や見開きデザインを配置しても見栄え良く仕上がります。
また、比較的低コストで短納期に対応できるため、印刷通販サービスでも人気の高い方式です。
一方、ページ数が多くなると中央部に厚みが出やすく、冊子が膨らんでしまうことがあります。
また、厚紙を使用すると綴じ部分に負荷がかかりやすく、開閉を繰り返すと針が外れる可能性がある点にも注意が必要です。
無線綴じ製本
無線綴じ製本は、冊子の背を糊で固め、表紙で覆う方法です。
雑誌や文庫本のような仕上がりになるため、ページ数の多い冊子や、長期間保管して利用される冊子に適しています。
無線綴じは背表紙ができるため、書棚に収納しても判別しやすく、ブランドイメージを演出する効果が高いです。
表紙に厚めの用紙を採用し、ラミネート加工を施すことで高級感や耐久性を持たせられます。
ただし、無線綴じは糊で固める構造のため、ページを完全にフラットに開くことが難しいのが欠点です。
また、中綴じに比べて製本コストが高く、納期もやや長くなる傾向があります。
小冊子に使われる用紙・加工
本文と表紙で異なる用紙を使い分けたり、加工を施したりすることで、読みやすさや耐久性、さらには高級感まで調整できます。
以下にて、代表的な用紙の種類と表紙加工について解説します。
本文用紙の種類と特徴
本文用紙には、主にコート紙、マットコート紙、上質紙が使われます。
コート紙は表面が滑らかで発色が良く、写真を多用するカタログや学校案内に適しています。
マットコート紙は光沢を抑えて落ち着いた印象を与え、文字を多く配置する冊子や読み物系の冊子に向いています。
上質紙は筆記性が高く、アンケート用冊子や記入式マニュアルに適しています。
ただし、紙が厚すぎると綴じ部分に負荷がかかりやすくなるため、製本方式に応じた適切な厚さを選ぶことが重要です。
表紙用紙と加工の種類
表紙には本文よりも厚い用紙を採用するのが基本です。
代表的な加工にはマットPP、グロスPPがあり、それぞれ耐水性や耐久性のほか、外観を強化できます。
また、箔押し加工を用いればロゴやタイトル部分が際立ち、高級感の演出が可能です。
さらにエンボス加工で凹凸をつければ、触感に訴えるデザインを実現できます。
印刷工程における注意点
小冊子制作では、断裁と塗り足しを正確に設定する必要があります。
断裁位置を考慮せずにデザインすると、仕上がりで文字や画像が切れてしまう恐れがあります。
また、背景色や写真を端まで配置する場合は塗り足しを設け、仕上がりの美しさを確保することが大切です。
このように、用紙と加工は小冊子の印象を大きく左右する要素です。
配布目的や利用環境を考慮しながら選択することで、読者にとって魅力的で長く手元に残る冊子を実現できます。
小冊子の活用例と作成のコツ
小冊子は、営業活動から教育現場まで多彩な用途で活用されています。
こちらでは、代表的な活用例のほかに、制作時のポイントをご紹介します。
小冊子の活用例
営業活動においては、商品やサービスを整理したカタログ形式の小冊子が役立ちます。
顧客が持ち帰って検討できるため、商談後のフォローにも効果的です。
展示会やイベントでは、来場者に配布する資料として利用され、会社の魅力を端的に伝えるツールになります。
また、学校や塾では教育方針やカリキュラムを紹介する案内冊子として使われ、信頼感を高める手段となります。
社内マニュアルや研修テキストとしても需要が高く、情報共有を効率化できます。
作成のコツ
小冊子は、「情報を整理して伝える」ことを目的とする媒体です。
読者がストレスなく読めるよう配慮しながら、目的に応じたデザインと内容を検討すると効果が高まります。
たとえば、営業用であれば製品情報を整理して競合との差別化を意識し、教育用であれば読みやすさと理解促進を重視します。
レイアウトは、文字量と画像のバランスを取り、読者が視覚的に理解しやすい構成にすることが大切です。
また、ページ数は必要最低限にとどめ、情報を詰め込みすぎないことが読みやすさにつながります。
さらに、印刷通販サービスを活用することで、豊富な用紙・加工の選択肢から仕様を決定でき、コストを抑えつつ高品質な冊子を制作できます。
小冊子の具体的な活用シーン
小冊子は、業種を問わず幅広い現場で利用されています。
営業活動では、商品カタログやサービス案内として配布され、顧客の検討資料として長く手元に残ります。
展示会やイベントでは、来場者に持ち帰ってもらうことで、商談のきっかけや企業のブランディングにつながります。
教育分野では、学校案内やカリキュラム紹介として発行され、進学希望者や保護者に安心感を与えます。
医療機関では、患者向けの治療説明や生活指導冊子として活用され、理解を深める役割を果たします。
小冊子を作成する際の注意点
小冊子制作では、デザインや内容だけでなく、実務的な注意点も押さえる必要があります。
まず、ページ数は必ず4の倍数で構成しなければなりません。
印刷後に折り加工と断裁を行う仕組みのため、こちらの構成を守らなければページが余ってしまいます。
また、塗り足しが不足すると、断裁時に白い縁が出てしまい、全体の完成度が低下します。
文字や図版は断裁位置に近づけすぎず、読みやすさと安全性を確保することが大切です。
さらに、配布対象の属性を踏まえたフォント選びやレイアウト設計も重要です。
高齢者向けには大きめの文字を、若年層向けにはデザイン性を重視するなど、読者に合わせた調整が必要です。
おわりに
本記事では、印刷小冊子とは何か、その定義やサイズの基準、製本方法、用紙や加工の種類、さらには活用例や作成時の注意点について解説しました。
小冊子は、営業活動や展示会、学校案内、マニュアルなど、多様な場面で活用できる印刷物です。
内容を整理して伝えることに優れており、読者の手元に残りやすい媒体である点も魅力です。


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