文字化けとは?印刷前にデータは必ず確認しておこう
2024.08.11印刷仕事でパソコンやメールを使用する際、「文字化け」を経験されたことがある方は多いのではないでしょうか。
自分から送信したものや相手から受け取ったデータが、解読不能な状態で送られてくると、内容を理解することができません。
ネット印刷業者に印刷を依頼する際はデータのやり取りのみを行うことが多いため、文字化けしない形式で送付する必要があります。
では、文字化けはなぜ発生し、文字化けが発生しないようにしたり発生したりしたときの対策はどうすれば良いのでしょうか。
本記事では、文字化けとはどのようなものなのかについて、発生する原因と対策について解説します。
文字化けとは?
文字化けとは、パソコンなどのコンピュータが文字を読み込んだ際に、エンコードの誤りにより別の文字として表示されることです。
エンコードにはUnicodeやシフトJISさまざまな形式が含まれており、これらが異なると別の文字として表示されるのです。
パソコンでは文字を表示する際、0と1の組み合わせによって表現します。
その際には0と1の組み合わせによって表示する文字が決まっており、これを「文字エンコード」と呼びます。
たとえば、自分がUnicodeのエンコードを用いて文字を入力し、相手にメールを送付したとします。
相手がシフトJISを使用した際には自分が伝えたい情報が表示されず、意味が通らない文字列として表示されます。
文字化けはメールだけではなく、Excelなどのファイルにも発生する現象であり、場合によっては文字自体が表示されません。
業務に支障をきたす問題であることから、早急に原因を究明して解決する必要があります。
文字化けが起こる原因
こちらでは、文字化けが起こる原因をご紹介します。
文字コード
文字化けが発生するシチュエーションは、テキストデータを作成したときと開いたときが挙げられます。
文字コードは文字ひとつずつに設けられている番号であり、先述したエンコードに沿ってコンピュータ上に表示します。
エンコードにはさまざまな種類があり、作成したものと表示する際に用いる最適なものを使わなければなりません。
「JIS〇〇」のエンコードは日本規格のものであり、世界中の文字を網羅したものには「Unicode」があります。
Unicodeの登録文字数は増加傾向にあり、複数の文字を一文字に合成した「合字」なども登録されています。
読み込み異常
文字化けに限らず、パソコンなどのデバイスで正常に読み込みができていなかったときは取得した情報が表示されません。
読み込み異常が発生する原因はデバイスの動作が重かったり、インターネットが不安定だったりとさまざまです。
デバイスを再起動したり、不要なデータを削除したり、インターネットが安定している場所で利用したりすることで解決します。
ビジネスにおいては相手が原因の文字化けがありますが、こちらについては自分依存の文字化け要因になります。
そのため、相手にデータを文字化けしていることを伝える前に、自分の環境を見直してみましょう。
文字化け対策
文字化けが確認されたときは、使用しているエンコードを確認して正しい情報を読み取りましょう。
下記はエンコードの確認方法の一例です。
メモ帳
- メモ帳を開く
- 「名前を付けて保存」をクリック
- 保存ダイアログの下に表示されている文字コードを確認
Internet Explorer
- Internet Explorerでテキストデータをドラッグ&ドロップして開く
- ファイルを開いたInternet Explorerの画面上で右クリックする
- 「エンコード」をマウスオーバーすると表示される
Google Chrome
- Google Chromeで文字コードを確認できる拡張期をインストールする
- インストール後、右クリックをして「エンコード」をマウスオーバーすると表示される
- ※拡張機能によって使い方が異なります。
Microsoft Word
- Microsoft Wordで文字コードを確認したいテキストを開く
- 確認したい部分をドラッグで選択し、右クリックで「記号と特殊文字」を選択
文字化けが発生しやすい文字
下記は文字化けがしやすい文字の一例です。
相手が読み取れるように、これらの文字は極力使わないことをおすすめします。
囲み英数字・囲み文字
①や㈰といった、〇や()で囲われており、一文字で表示される文字は文字化けが発生しやすい文字になります。
たとえば、Windowsで①と表示していても、Mac OSでは㈰と表示されるのです。
そのため、Windowsで「①氏名」と記載しても、Mac OSでは「㈰氏名」と表示されるため、意味が通らなくなります。
これらを避けるために、囲み英数字・囲み文字をはじめとした環境依存文字は使わないことをおすすめします。
ローマ数字
「Ⅰ」や「Ⅱ」といったローマ数字も環境依存文字に含まれる文字群であり、文字化けが発生する要因となります。
ゲームや小説のほか、時計などに用いられることが多いローマ数字ですが、英数字でも意味が通じることが多いです。
どうしてもローマ数字を使いたい場合は、「○○2(ローマ数字)」のように、表現したい箇所を明確にして伝えましょう。
このように、使いたいけど文字化けする可能性があるという文字を使用する際は、伝え方にも注意しなければなりません。
省略文字
省略文字とは下記のように、複数の文字を一文字で表現したものになります。
- (株)→㈱
- 平成→㍻
- 令和→㋿
これらを使用して印刷物を発行する企業がありますが、無理に一文字にすると文字がつぶれてしまい、視認性が下がります。
「㋿」よりも「令和」と記載したほうが、ほとんどの方が視認性は高いのではないでしょうか。
そのため、省略文字を使用する際は、なぜ省略文字を使うのか、通常の文字ではダメなのかを検討しましょう。
Windows・Mac固有漢字
WindowsやMacには、それぞれの機種やOSにしか採用されていない固有漢字が含まれています。
「纊」や「鍈」、「蓜」などが固有漢字と呼ばれるもので、常用漢字ではないことがお分かりいただけるでしょう。
チラシやパンフレットといった印刷物を発行する際、読者に内容を理解してもらうことが大前提になります。
固有漢字は意味や読み方が分からないものが多いことから、常用漢字を使用してデザインすることをおすすめします。
これらをまとめると、使用しているパソコンやOSだけではなく、使用している文字そのものにも原因があることがお分かりいただけると思います。
文字化けは業務効率を下げる要因となるだけではなく、希望通りの印刷物が上がってこないため、文字化けを起こさない・起こしにくい文字や環境、エンコードで作成しましょう。
文字コードを変える方法
送られてきたデータを、自分で文字コードを変えるときは下記を実施しましょう。
- メモ帳アプリを開き、変換したいファイルを開く
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択
- ダイアログに表示されている文字コードを変更し、保存する
この方法であれば、送付元に連絡をすることなく、その場で変更することができるため、文字化けしたときは実践してみましょう。
おわりに
本記事では、文字化けの原因と対策について解説しました。
文字化けとは、パソコンなどのコンピュータが文字を読み込んだ際に、エンコードの誤りにより別の文字として表示されることです。
文字コードが異なっていたり読み込み異常が発生したりしたときに文字化けが起こるため、まずはエンコードを確認しましょう。
下記は文字化けが発生しやすい文字群であることから、使わないことをおすすめします。
- 囲み英数字・囲み文字
- ローマ数字
- 省略文字
- Windows・Mac固有漢字
印刷デザインを作成する際は、文字化けが発生しないような文字を使いましょう。
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