スクラム製本のメリット・デメリットや用いられる冊子について解説

2024.04.07印刷

スクラム製本のメリット冊子を製本する際には、複数枚の紙を重ねて針金や紐、糊などの留め具で固定して成形します。

綴じる紙の枚数や理想としている完成形などによって、さまざまな製本方法があります。

本記事では、製本方法のひとつである「スクラム製本」のメリットやデメリット、用いられる冊子について解説します。

 

スクラム製本とは?

スクラム製本とは、二つ折りにした紙を重ねてひとつの冊子として成形する製本方法です。

中綴じや無線綴じのように、留め具を使用せずに折りたたんで重ねるだけで、1枚ずつ取り出すことができます。

一般的な冊子では新聞に用いられる製本方法であり、先述した中綴じや無線綴じよりもコストを抑えられます。

スクラムの語源はラグビーの「scrum」であり、チーム全員で力をあわせてゴールに向かうイメージが込められています。

製本においては複数枚の紙を用いて、読者に必要な情報を伝えることが目的となります。

新聞の場合は紙面に記載している情報が伝わりやすく、かさばらずに破棄しやすいことが目的といえます。

印刷業者の観点からすると、低コストかつ視認性が高いスクラム製本は、新聞には最適な製本方法だといえるでしょう。

なお、ビジネスにおけるスクラムはプロジェクトを複数のチームに分けて、協力してゴールに向かうことを指します。

 

スクラム製本のメリット

スクラム製本のメリットこちらでは、スクラム製本のメリットをご紹介します。

 

リサイクル・ゴミの分類がしやすい

冊子を古紙回収に出す際、処分する地域によっては針金を外すなどのルールが設けられているところがあります。

中綴じ製本の場合は針金や紐が用いられているため、ゴミを分別する際にそれらを取り除かなければなりません。

スクラム製本は製本時に針金や紐を使用しないため、そのまま古紙回収に出すことができます。

 

安全に読むことができる

会社のプレゼン資料など、針金や紐を使用している中綴じ製本は、針金が刺さったり紐がほどけたりすることがあります。

このようなトラブルが発生する可能性があるため、教育機関や福祉施設によっては中綴じ冊子を使用しないことがあるのです。

一方、スクラム製本は紙を折り重ねている冊子であることから、どのような方でも安全に読むことができる冊子といえます。

 

低コストで印刷できる

中綴じ製本や無線綴じ製本は製本時にさまざまなものを使うため、その分のコストが発生します。

多くの人に読んでほしいと思っても、高額なコストが負担となって希望通りの部数を発行できないことがあります。

一方、スクラム製本は低コストで印刷できる製本方法であることから、低コストで大量に発行することができます。

 

スクラム製本のデメリット

スクラム製本が用いられる冊子一方、スクラム製本には下記のようなデメリットがあります。

 

バラバラになりやすい

スクラム製本は複数枚の紙を折りたたんで挟むことによって製本する方法であることから、バラバラになりやすいのです。

また、バラバラになりやすい性質上、耐久性が低くなりがちのため長期的に保存は難しい傾向にあります。

高い耐久性を維持しつつ、長期的に保管してほしい冊子を製本する際は中綴じや無線綴じを行いましょう。

 

2の倍数・4の倍数でのデータ作成

スクラム製本は紙を二つ折りにして製本することから、1枚の紙に4ページの情報を記載する必要があります。

なかに含める紙の場合、表裏の2ページにデザインを施す必要があるため、印刷前のレイアウトや構成が重要です。

また、先述の通りスクラム製本はバラバラになりやすいため、ノンブル・ページ番号を振っておくようにしましょう。

 

スクラム製本が用いられる冊子

スクラム製本が用いられる冊子下記は、スクラム製本が用いられることが多い冊子です。

 

新聞紙

新聞紙とは、最新の情報を限られた時間で大量に印刷し、遅れることなく読者に届けることが目的の印刷物です。

号外を発行するときもあるため、新聞紙には情報の正確さ・視認性だけではなく、低コストとスピードが求められます。

また、配達員の負担を減らし、薄くても破れないために軽量かつ丈夫な紙を用いなければなりません。

 

パンフレット

パンフレットとは、複数のページを留め具で綴じた冊子であり、下記のような情報が印刷される傾向にあります。

  • 会社案内
  • 商品案内
  • 広報誌
  • 周年誌・記念誌

パンフレットは枚数が少ない傾向にあることから、留め具を使わずにスクラム製本が用いられることがあります。

 

フリーペーパー

フリーペーパーとは、旅行先や店頭などに設置されている、誰でも自由に持ち帰ることができる印刷物です。

おすすめの行き先や、注目商品などさまざまな情報がフリーペーパーに記載されています。

販促物とはいえ、コストがかかるものであることから、枚数を抑えてスクラム製本が採用されることが多い傾向にあります。

 

当社のスクラム製本について

当社のスクラム製本について当社でも、留め具を使用しないスクラム製本のご注文を承っております。

針金を使用しないため、安全性や環境に配慮する冊子にお使いいただけます。

 

仕様

  • ページ数 :8~24P
  • サイズ :A6~A4/B6~B5 変形サイズ可
  • 納期 :1~7日後出荷
  • 部数 :100~10,000部
  • 印刷方式 :オフセット ※小ロット対応時は変更の場合あり
  • オプション :穴あけ加工【+1日】…穴あけ直径5mm・穴あけ直径6mm

サイズや用紙によって選択可能なオプションは異なります。

また、追加の納期が必要になる場合があります

 

取扱用紙

  • コート :73kg・90kg・110kg・135kg
  • マットコート :70kg・90kg・110kg・135kg
  • 上質紙 :70kg・90kg・110kg・135kg

ご興味がある方は、お気軽にご相談ください。

当社サービスページ:綴じなし冊子(スクラム製本)

(https://www.iropuri.com/scrum/cate472/)

 

おわりに

本記事では、留め具を使用しないスクラム製本について解説しました。

スクラム製本は留め具を使用しない印刷物であり、新聞紙やパンフレット、フリーペーパーなどに用いられます。

バラバラになりやすい、2の倍数・4の倍数でデータを作成する必要はありますが、下記のようなメリットがあります。

  • リサイクル・ゴミの分類がしやすい
  • 安全に読むことができる
  • 低コストで印刷できる

当社でも、スクラム製本による印刷を承っております。

針金や糊を使用せず、低コストかつ環境に配慮した印刷物を製本したい方はお気軽にご相談ください。

 

印刷技術と対応力 いろぷり

タグ : スクラム製本 印刷
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