写真をレタッチしてワンランク上の印刷物を発行しよう

2024.10.12印刷

写真をレタッチ

印刷物を発行する際、読者に簡潔かつ深く理解してもらうために、写真を用いることがあるでしょう。

写真は文字よりも伝わりやすく、視認性が高い表現方法ですが、そのまま使用すると魅力を100%伝えられないことがあるものです。

そのような場合、読者に魅力を伝えられるように、生データの写真を最適な状態に編集する必要があります。

本記事では、ワンランク上の印刷物を発行する際の方法である、写真のレタッチについて解説します。

 

写真のレタッチとは?

写真のレタッチとは写真のレタッチは加筆・修正を意味するものであり、被対象物の削除や明暗の編集を行うことを指します。

近年ではデジタルカメラやスマホのカメラが普及したことにより、かつての写真よりも編集が容易になりました。

デジタル技術で撮影された画像を、最適な状態に編集することがレタッチになるのです。

 

RAW現像とレタッチの違い

レタッチと混同されがちな言葉のなかには、「RAW現像」と呼ばれるものがあります。

RAW現像はRAWデータ(写真の生データ)を、現像ソフトを使ってファイル形式を変更することを指します。

高画質を保ちつつ、大きなサイズで写真を印刷したいという場合は、RAWデータをレタッチしましょう。

 

レタッチの方法

レタッチの方法こちらでは、レタッチの方法をご紹介します。

 

明るさ(露出)調整

明るさ(露出)調整は、写真全体または一部の明るさを補正し、視認しやすくするためのレタッチです。

明るすぎるものは露出を抑え、暗いものについては明るくすることにより、視認性を高められます。

コツとしては写真の明るい部分を見ながら、白くならない(白飛びしない)ように露光度を調整してみましょう。

写真の輝度値を示す「ヒストグラム」を見ながら調整すると、やりやすくなるためおすすめです。

 

色調整

色調整については写真全体・一部の色を鮮明にしたり、くすませたりすることを指します。

カメラで設定しているホワイトバランスと異なる設定に編集することで、写真の印象を変えられるのです。

注意点としては、先述した明るさ(露出)調整で行った編集とあわせて、視認性を向上しなければならないことが挙げられます。

また、RAWデータとかけ離れた色にしてしまうと、現物との違いが大きくなってしまうため、こちらにも注意しましょう。

 

顔調整

美容系やファッション・アパレル系の業種を始め、被写体が商品だけではなくモデルを起用する業界もあることでしょう。

使用イメージを理解してもらうため、モデルを起用する際はよりよく見えるようにレタッチをしなければなりません。

特に、顔を全体的に映す場合は、小顔にしたり、顔立ちをハッキリさせたりすることで、ポジティブな印象を与えられます。

ただし、極端なレタッチを行ってしまうと読者が違和感を持たれてしまうため、適度なレタッチを心がけましょう。

 

トリミング

トリミングとは、画角に対して被写体を大きくしたり、写真のなかに含まれる不要な部分を切り取ったりする作業です。

写真の比率を崩したり、正方形や被写体の形に切り崩したりすることで成形する作業になります。

切り取った被写体を別の背景に貼り付けるなど、トリミングにはさまざまな利用方法があるため、多くの編集者が実践しています。

トリミングの際には、水平と垂直を意識する、画素数に注意する、前提として撮影時に余計なものを入れないことがコツです。

 

ノイズ除去

写真に発生するノイズには、下記のように「高感度ノイズ」と「長時間ノイズ」の2種類が含まれています。

  • 高感度ノイズ :カメラのISO感度が高いときに発生するノイズ
  • 長時間ノイズ :シャッタースピードが長くなることにより発生するノイズ

いずれも、写真全体がザラザラとした見た目になっており、画像編集ソフトで削除する必要があります。

前提として、写真を撮影する際にはISO感度を調整したり、シャッタースピードを短くしたりといった設定をしておきましょう。

 

代表的なレタッチソフト

代表的なレタッチソフト下記は、多くの編集者が使用している、代表的なレタッチソフトです。

 

Photoshop

PhotoshopはAdobe社が提供している写真編集ソフトである、Illustratorとあわせて使われています。

基本的なレタッチや合成のほか、写真内に文字を入れるなど、利用用途は多岐にわたります。

一方、写真の管理機能がなかったり、使いこなすには一定量の練習や勉強が必要だったりといった点には注意が必要です。

 

Lightroom

LightroomもAdobe社が提供している写真編集ソフトであり、写真の管理機能が搭載されています。

写真の管理機能が充実しており、たとえば大量の写真を一括でレタッチすることもできます。

ただし、Photoshopほど細かいレタッチができないため、場合によってはPhotoshopとの併用も視野に入れましょう。

 

PhotoDirector

PhotoDirectorはサイバーリンク社が開発・販売している画像編集ソフトであり、Adobe社よりも安価で導入できます。

機能についてはLightroomとほぼ同等の編集ができ、初心者でも取り扱いやすい点が特徴です。

また、PhotoDirectorを導入すると「Shutterstock」のロイヤリティフリーの素材が使い放題になります。

 

レタッチのコツ

レタッチのコツレタッチを行う際には、下記のポイントを押さえておきましょう。

  • メリハリをつける
  • 明るくしすぎない
  • 青を強くしすぎない

レタッチの目的は被写体の視認性を高めることであり、メリハリをつけることが重要です。

明るくしすぎると背景と同化してしまうことから、白くしすぎないように調整しましょう。

また、落ち着いた雰囲気を出したいときに青っぽい色を加えることがありますが、加え過ぎに注意が必要です。

特に、食べ物については青が強すぎると食欲がなくなってしまうため、発色を意識しましょう。

 

おわりに

本記事では、写真のレタッチについて解説しました。

写真のレタッチは加筆・修正を意味するものであり、被対象物の削除や明暗の編集を行うことを指します。

レタッチと混同されがちな言葉である「RAW現象」は現像ソフトを使ってファイル形式を変更することです。

下記はレタッチの際に編集する項目で、これらを編集することによって写真の魅力を引き上げられます。

  • 明るさ(露出)調整
  • 色調整
  • 顔調整
  • トリミング
  • ノイズ除去

読者の購買欲を掻き立てられるような、目を引けるような写真に編集してから印刷しましょう。

 

印刷技術と対応力 いろぷり

タグ : レタッチ 印刷
The following two tabs change content below.
いろぷりlogo
いろぷりこらむは100年を超える印刷実績をもとに印刷やデザインについてのお役立ち情報を発信していきます。