多くの方に見られて反響を得られるハガキをデザインする際のコツ
2024.02.29デザインハガキは個人間だけではなく、企業から個人に送られるなど、幅広い用途で使われる印刷物です。
記載内容についても残暑見舞いや年賀状、商品案内など多岐にわたり、それぞれに目的があります。
しかし、ハガキを送付するだけでは見られない可能性があるため、デザインはこだわっておかなければなりません。
本記事では、多くの方に見られて反響を得られるハガキをデザインする際のコツをご紹介します。
ハガキを使用するメリット
ハガキを使用することで、下記のようなメリットを得ることができます。
見られる可能性が高い
お客様の自宅にはポストが取り付けられており、そのなかには毎日多くのチラシが投函されます。
チラシについては興味があるもの以外、あまり目を通さずに処分されますが、ハガキは見られる可能性が高い傾向にあります。
「封筒に情報が記載されている紙を入れても同じ成果が得られるのでは?」と考えられる方がいらっしゃいますが、ハガキのほうが見られる可能性が高いです。
封筒の場合は中身を取り出すために開封というひと手間を加えなければならないため、開封率が低いのです。
一方、ハガキは開封する必要がなく、必要な情報が記載されていることから、見られる可能性が高い印刷物といえます。
1通あたりのコストが低い
印刷物を発行する際には、インクや紙のほか、封筒を使用する場合は封入などを行う作業費が発生します。
封筒を使用する際は封筒代などが追加費用として必要となるため、ハガキよりも高いコストが必要となるのです。
件数が多くなるほどコストが高くなりますが、ハガキの場合は印刷のみのため、数が増えるほど1通あたりのコストが抑えられます。
郵便局では、1,000通以上同時に発送することによって割引が適用されるサービスが用意されています。
そのため、BtoCなど多くの消費者に送付する際は、低コストで大量に送付することができるのです。
参考ページ:郵便局ホームページ「業務用料金計算(はがき)」
(https://www.post.japanpost.jp/cgi-business/postcard.php)
デザインを制作しやすい
ハガキはオフィスで使われるような紙よりも小さいことから、制作できるデザインが省スペースに限られます。
しかし、スペースが限られているからこそシンプルなデザインになることが多く、読者は情報を視認しやすくなるものです。
そのため、自社でもデザインができるほか、外注先にも豊富なテンプレートが用意されていることがあります。
一方、封筒の場合は内包する印刷物だけではなく、封筒そのもののデザインも考慮しなければならないため、作業工数が発生します。
封筒よりもスピード感を持ってデザインを制作できる点は、ハガキが持つメリットといえるでしょう。
ハガキをデザインする際のコツ
こちらでは、ハガキをデザインする際のコツをご紹介します。
キャッチコピーを大きく記載する
ハガキのなかで最も伝えたい情報は、「暑中見舞い」や「新商品のお知らせ」といった、キャッチコピーになります。
キャッチコピーは送付側が最も伝えたい情報であり、読者がハガキの内容を理解するために視認する箇所です。
そのため、キャッチコピーは紙面の1/3程度のスペースを使って、大々的に記載しておきましょう。
重要なことが伝われば、読者はハガキに記載されている詳細情報を読んでくれる可能性が高くなります。
読者の視線を意識する
日本語では縦書きと横書きがあり、ひとの視線は左から右、上から下へと動く修正があります。
情報が散らばっているハガキはさまざまな場所に視線を動かさなければならないため、理解が遅れるのと目が疲れてしまいます。
そのため、ハガキを作成する際は下記のように読者の視線が動くことを意識してデザインしましょう。
- Z型:横書きの文章における視線の動きで、左上→右上→左下→右下の順に移動する
- N型:縦書きの文章における視線の動きで、右上→右下→左上→左下の順に移動する
上記より、横書きの場合は左上、縦書きの場合は右上にキャッチコピーを使用することで視線に沿ったデザインを作成できます。
写真やイラストなどを使用する
さまざまな情報を文章として表現すると、読みにくいハガキになってしまうものです。
読みにくいハガキは興味を持たれにくいため、あまり目を通されずに捨てられるリスクがあります。
読者の興味を引くために、ハガキには写真やイラストといった画像を挿入することをおすすめします。
例として、文章のところにシール型のアイコンを入れたり、矢印などで流れを作ったりすることが挙げられます。
また、体験談などを記載する際は写真を使用することで、理解がしやすくなることでしょう。
ハガキを制作する際の注意点
下記にて、ハガキを制作する際の注意点をご紹介します。
サイズと用途を理解しておく
ハガキには下記のように「通常ハガキ」と「往復ハガキ」があるため、それぞれのサイズと用途を理解しておく必要があります。
重さ | 最大サイズ | 最小サイズ | 用途 | |
通常ハガキ | 2g~6g | 幅15.4cm×高さ10.7cm | 幅14cm×高さ9cm | 挨拶状、企業のプロモーション、DM |
往復ハガキ | 4g~12g | 幅15.4cm×高さ10.7cm(送付用・返送用両方同じサイズ) | 幅14cm×高さ9cm(送付用・返送用両方同じサイズ) | パーティのお知らせや結婚式の招待状など、返信が必要なもの |
通常ハガキのなかには専用のニスや糊を塗布し、熱・圧力で中面を密着して中身が見えないようにする「圧着ハガキ」があります。
参考ページ:郵便局ホームページ「第二種郵便物 はがき」
(https://www.post.japanpost.jp/service/standard/two/type/size.html)
郵便はがきの表記が必要
ハガキを見てみると、切手を貼り付ける表面に「郵便ハガキ」または「POST CARD」と書かれています。
こちらは「この印刷物は郵便ハガキである」ということを、郵便局に知ってもらうことが目的の文面です。
郵便ハガキの表記がない印刷物は、第一種郵便物として取り扱われるため、送料が上がってしまいます。
ハガキを自作でデザインする際は、必ず「郵便ハガキ」または「POST CARD」の表記を入れておきましょう。
表面のデザイン可能な範囲
企業やお店のDMなどで、表面にデザインが施されているものを見られたことがある方がいらっしゃることでしょう。
しかし、こちらはどのようなデザインでも良いというわけではなく、下記のようにルールが設けられているのです。
- 縦向きのハガキ:用紙の下半分
- 横向きのハガキ:用紙の左半分
これらは宛名が分かりやすいことと、宛名と広告が明確に分けられていることを目的としています。
表面の背景色
ハガキの表面には情報が視認しにくい濃い色を使ってはいけない旨が、郵便局の約款に記載されています。
濃い色を使用する場合、送付先の情報が記載される場所のみ背景色を白にするなど、視認性を確保しなければなりません。
また、切手を貼る位置は長辺から35mm、長辺から70mmの範囲に貼り付けなければならない旨も決められています。
このように、ハガキをデザインする際には郵便局によって定められているルールに則らなければなりません。
ハガキとして認められない形状がある
下記は、ハガキとして認められない形状の一例です。
- 長方形以外の形状
- パンチやくりぬきなどによって穴があけられているもの
- 角丸加工が施されている
ハガキに文章や画像などのデザインを施す際には、下記を実施しましょう。
- エンボス・箔押し加工
- ミシン目加工
- フィルムの圧着
- 光沢感・透明感を出すための加工
おわりに
本記事では、ハガキをデザインする際のコツをご紹介しました。
ハガキには見られる可能性が高い、1通あたりのコストが低い、デザインを制作しやすいといったメリットがあります。
デザインを制作する際はキャッチコピーを大きく記載する、読者の視線を意識する、写真やイラストなどを使用することが重要です。
これらのポイントを押さえて、読者が理解しやすいようなハガキを作るように心がけましょう。
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