イメージと違うものが仕上がった場合の対処方法や責任の所在について
2024.07.13印刷印刷物を発行する際、イメージをデザインに落とし込んでから印刷をします。
紙面に出力された印刷物を確認してみると、PC上で確認したデザインや色と異なることがあります。
そのため、印刷業者に依頼をしても「イメージ通りに仕上げてくれるのか」といった不安を感じる方は多くいらっしゃるでしょう。
本記事では、イメージと違う印刷物が仕上がった場合の対処方法や、責任の所在について解説します。
印刷ミスの事例
印刷をした際、画面上と実物の色が違うといった経験をされた方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
チラシやポスターをデザインして印刷したところ、画面上の色と実際の色が異なることがあります。
こちらが発生する原因は、下記の3つが理由として考えられます。
モニターと印刷物で異なる色の表現方法が採用されている
パソコンなどに用いられるモニターには、再現できる色の領域が広い「RGB」が用いられています。
一方、プリンターから紙に出力される際には「CMYK」が採用されていることが多いです。
このように、モニターと印刷物で異なる色の表現方法が採用されている場合は異なった色で見えることがあります。
印刷する際に用いる紙やプリンター
印刷に使用する紙やプリンターの品質や使用によって、色が異なって見えることがあります。
たとえば、紙については一般的なコピー用紙だけではなく、光沢紙やマット紙など、さまざまな種類が含まれます。
そのため、高い再現度で印刷をするためには、紙やプリンターといった周辺の環境を見直してみましょう。
環境光
環境光とは、モニター内のオブジェクトへの証明を指すものであり、平行光線と点光源の2種類が含まれています。
物体間や物体内部などで表現をしたい場合に用いるもので、光が直接当たらない部分は完全に真っ黒になることはありません。
また、蛍光灯など外部からの光によっても見え方が異なるため、その際は環境光を調整するなどの対応が必要です。
印刷ミスによる損失
印刷の際には、下記のようにさまざまなコストが発生します。
- 印刷用紙代
- インク代
- トナー代
- コピー機の本体代
- 保守契約費用 など
モノクロよりもカラーの方が高いコストが発生し、紙質によってもコストが変動します。
一般的に、モノクロ印刷は1枚あたり10円程度、カラー印刷は1枚あたり100円程度のコストが発生するといわれています。
チラシやフライヤーを印刷する際、数百枚程度の印刷をすることは珍しいことではなく、その分高額なコストが発生します。
そのため、印刷ミスによる損失が発生した場合、これらのコストが丸々マイナスとなってしまうのです。
印刷ミスのなかには先述した要因だけではなく、誤字や脱字といった文字・文章の間違いなどが含まれます。
プロモーションツールとして用いられるチラシやフライヤーなどには、正しい情報が記載されている必要があります。
そのなかに誤字や脱字があった場合、その印刷物や商品・サービスやメーカーに対しての信頼が失われています。
印刷物を発行する際はこのような間違いがないように二重・三重のチェックや構成を行っていることでしょう。
たとえば、誤字や脱字のなかには金額も含まれており、0がひとつ少ないだけで価格は10倍異なるため、大きな損害が発生します。
このように、印刷ミスによる損失は印刷費用だけではなく、収益にも大きな影響を及ぼす問題だといえます。
業者に依頼したときの印刷ミスについて
業者に依頼したときの印刷ミスについては、ミスした内容や契約内容により責任の所在が異なります。
たとえば、印刷物ににじみや文字のつぶれがあった場合、印刷会社の責任といえます。
しかし、注文時には注意事項や契約書を確認し、契約を締結してから印刷を依頼することになります。
その際、注意事項や契約書に責任の所在に関する記載があった場合、その内容に準拠して対応が行われます。
とはいえ、依頼内容とは明らかに異なる印刷物が仕上がった場合は印刷会社に連絡をして対応を依頼しましょう。
また、業者に依頼したときのミスについては、残念ながらお客様側のミスであることがあります。
一例として、送付した原稿が間違えていたり指示内容が間違えていたりといったことが挙げられます。
これらのことから、印刷会社を利用する際はすべての情報に間違いがないかを確認してから依頼しましょう。
印刷ミスを防ぐために
下記にて、印刷ミスを防ぐ方法をご紹介します。
コスト意識を持つ
コスト意識とは、組織で働くうえで各業務や工程に対して、どのようなコストが発生するのかを日常から意識することです。
印刷ミスが発生する要因のひとつとして、印刷にかかるコストを理解していないため出費の意識が低いことが挙げられます。
「このミスをしたら○○万円の損失となる」といった意識を持つことで、おのずと慎重にチェックするようになります。
コスト意識は印刷・デザイン業務だけではなく、さまざまなシーンで活用されるため常日頃から意識しておきましょう。
ファイル名を工夫する
デザインに関するファイルを保存する際、「○○_1」や「○○(1)」のように、○○の部分が同じものがあります。
これらは最新のデータが一目でわかりにくいだけではなく、最新データを消してしまう可能性が高いです。
そのため、印刷データをデザインする際はファイル名のほか、保存方法にも工夫しましょう。
たとえば、完成データをコピーし、残りは破棄したうえで「【依頼用】○○」のように一目でわかるようにすることが挙げられます。
ミスをしない仕組みを構築する
印刷やデザイン業務に限らず、多くのミスは人が作業したことによるヒューマンエラーである可能性が高いです。
どれだけ注意をしても、ヌケモレや誤字脱字といったヒューマンエラーは発生してしまう可能性は0%にはなりません。
ヒューマンエラーを防ぐためには脱属人化が有効であり、そのために自動化や標準的に実装するなどの仕組み化を行います。
たとえば、間違えやすい単語はパソコンの辞書機能を用いて登録しておくことで、防ぐことができます。
周辺機器の設定を見直す
印刷ミスのなかには依頼時のものだけではなく、社内でデザインを制作するときにも要因が含まれます。
先述の通り、モニターと印刷物で異なる色の表現方法が採用されている、印刷する際に用いる紙やプリンター、環境光が要因です。
これらのなかには設定を変更したり、使用するものを変えたりすることで実物とのギャップを減らすことができるものがあります。
資材購入には費用が発生しますが、これまでにかかっていた調整時間を短縮できるため、費用対効果の観点から検討しましょう。
業者に丸投げする
印刷業者のなかには、デザインから印刷までのすべての作業を承っているところがあります。
印刷業者がラフ案をもとにデザインを作成し、製品を製造するまでの流れをワンストップで実施してくれます。
当社でもデザインから印刷までの作業を承っているため、ワンストップでプロモーションツールを作成できます。
ご興味をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
おわりに
本記事では、印刷時にイメージと違うものが仕上がった場合の対処方法や責任の所在について解説しました。
印刷をした際、画面上と実物の色が違ったり、イメージしていたものとは違うものが仕上がったりといったものがミスになります。
原因はモニターと印刷物で異なる色の表現方法が採用されている、印刷する際に用いる紙やプリンター、環境光などが挙げられます。
責任の所在は業者が依頼通りに印刷をしなかったり、依頼者が誤った依頼をしたりといったことにより異なります。
対策としてはコスト意識を持つ、ファイル名を工夫する、ミスをしない仕組みを構築することが重要です。
また、デザインから印刷までを業者に丸投げすることもおすすめの対策となります。
印刷を依頼する際は、事前に入念な確認を行っておきましょう。
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