O2Oマーケティングとは?チラシなど印刷物の役割は終わる?
2024.09.15印刷チラシやカタログといった印刷物は収益向上のために出版され、イベントの際に配布したりポスティングしたりして認知を広げます。
しかし、近年ではSDGsや環境への配慮、ユーザーの行動などの観点から、紙媒体を使用しない企業が増加傾向です。
一方、オンラインでは解決・成約しないようなサービスであることから、紙媒体もまだまだ現役で使われています。
本記事では、オンラインからオフラインへ購買行動を促す、O2Oマーケティングについて解説します。
O2Oマーケティングとは?
O2O(Online to Offline)とは、オンラインからオフラインへ購買行動を促すマーケティングです。
近年ではビジネス・プライベートに限らずインターネットが普及したことにより、高速で情報をやり取りできるようになりました。
また、かつてインターネットを利用する媒体はパソコンが主流でしたが、現代ではスマートフォンが普及しています。
スマートフォンは移動中や自宅内など、時間や場所を問わず利用できるデバイスであることから、高い利便性を誇ります。
これら通信デバイスや技術の進歩により、店舗ではなくインターネット上で購入できるEコマースも普及するようになりました。
しかし、商品やサービスのなかにはインターネット上では購入できないようなものや店舗が存在します。
たとえば、飲食店の場合はインターネット上で集客をして、実店舗に来てもらうことが挙げられます。
O2Oは、インターネットと実店舗などオフラインをつなぐことが目的のマーケティング手法といえます。
OMOとの違い
O2Oと混同されることが多い言葉のなかには、「OMO」というものがあります。
OMO(Online Merges with Offline)はオンラインとオフラインを融合して行うマーケティングです。
顧客体験を重視しており、商品やサービスを知ってから検討を経て購入してもらい、実際に使用してもらうまでを流れとしています。
つまり、O2Oはオフラインでの顧客体験をゴールとしているのに対し、OMOはオン・オフで分けないことが違いといえます。
O2Oのメリット
こちらでは、O2Oのメリットをご紹介します。
新規顧客の獲得
O2Oに限らず、マーケティングにおける目的のひとつとして、新規顧客の獲得が挙げられます。
既存顧客・リピーターは安定した収入を受け取れるためありがたい存在ですが、安定だけでは増収は期待できません。
企業や店舗が増収するためには新規顧客の獲得が不可欠であり、新規顧客がリピーターになることで安定した増収ができます。
O2Oはこれまで接触しなかった新規客層にアプローチできるマーケティングであることから、新規顧客の獲得が実現できるのです。
顧客ニーズに合わせた展開
O2Oマーケティングはオンライン上で実施する施策であり、ターゲティングをしやすい性質を持ちます。
ターゲティングの際にはターゲットの性別や年齢、居住地、収入や趣味嗜好など、オフラインより細かく設定が可能です。
自社に興味を持ってくれる可能性が高いターゲットに広告を配信することで、マスマーケティングよりも集客がしやすくなります。
認知を拡大し、自社そのものや商品・サービスに興味を持ってもらえる点は、O2Oのメリットといえます。
比較的早い段階で成果が現れる
マスマーケティングの場合、チラシやフライヤーを配布するまでや、持参して来店してくれるまでに時間を要することが多いです。
一方、O2Oの場合は解析ツールなどを設定さえすれば即時に広告を配信でき、それに付随して比較的早い段階で成果が現れやすい傾向にあります。
クーポンやセールなど、期間が限られているイベントの場合でも、チラシやフライヤーよりも早めに成果を得られます。
近年ではビジネスが高速化していることから、競合他社に顧客を取られる前に施策を実施できる点は強みといえるでしょう。
効果を測定しやすい
O2Oはデータを収集できる特徴があり、その結果をもとにPDCAサイクルや成果改善を実施しやすくなる特徴を持ちます。
チラシやフライヤーで成果を確認する際は顧客が持参した紙媒体を回収したり、QRコードを記載したりする必要があります。
一方、O2Oの場合は解析ツールなどで正確なデータを収集できることから、成果の見える化が実現できます。
経営の際には数字で良し悪しを判断することが多いため、施策の成否を明確にできる点はメリットといえるでしょう。
O2Oの施策
下記はO2O施策の一例であり、多くの企業が実践している手法になります。
EC運営
一見EC運営と実店舗運営は乖離しているものととらえられがちですが、両社は双方にシナジーを発揮します。
たとえば、店舗が遠いからなかなか行く機会がない方にとって、ECは気軽に買い物ができる手段となります。
一方、近隣住民はECで購入するよりも、実店舗へ買い物をしに行った方が早く商品が手元に届きます。
全国のユーザーに対して店舗の存在をアピールできるEC運営はマーケティング手法のひとつとなり、O2Oマーケティングであるといえます。
SNS
近年ではX(旧Twitter)やInstagram、TikTokといったさまざまなSNSサービスが提供されています。
マーケティングにおいてもこれらのツールは積極的に利用されていますが、ターゲットにより使用するSNSが異なります。
ほとんどのSNSは無料で利用できることから、気軽かつ簡単に導入・運用ができる点は大きなメリットといえるでしょう。
また、近年では画像や文章だけではなく、数十秒単位のショート動画を採用する企業・店舗も多くなりました。
クーポン配布
SNSやDMで、店舗限定で利用できるクーポンを配布することも、O2Oマーケティングのひとつといえます。
クーポンのなかには割合や定額のものが含まれていますが、いずれのクーポンも顧客がお得に買い物ができるものになります。
クーポンを配布することで既存顧客だけではなく、購入に悩んでいた新規顧客も獲得できる可能性が高まるのです。
新規参入のハードルを下げやすい点は、クーポンが持つ大きなメリットといえるでしょう。
O2Oのデメリット
一方、O2Oには下記のようなデメリットが存在します。
競争率が高い
先述の通り、O2Oは近年多くの企業や店舗が採用しているマーケティング手法であることから、珍しいものではなくなりました。
そのため、せっかくマーケティングをはじめてもほかの企業と比較されやすく、競争率が高くなる点はデメリットといえます。
単価を上げにくい
O2Oの際にはクーポンを配布したり、広告を配信したりすることで実店舗へ誘導するマーケティングです。
そのためには一定量のコストが必要となることから、費用対効果が悪くなることがあります。
紙媒体とのすみわけ
このように、O2Oは近年積極的に採用されているマーケティング手法となります。
では、従来のように紙媒体を使用したマスマーケティングはこのまま衰退の一途をたどるのでしょうか。
結論として、O2Oと紙媒体はすみ分けることによって共存が可能であり、成果の最大化が実現できます。
たとえば、近隣住民に対して認知を拡大したい場合は紙媒体が有効であり、遠方にはO2Oが有効です。
ターゲティングについても、マンションやアパート、戸建てなどに配布先を分けることによって、ある程度実施ができます。
おわりに
本記事では、オンラインからオフラインへ購買行動を促す、O2Oマーケティングについて解説しました。
O2O(Online to Offline)とは、オンラインからオフラインへ購買行動を促すマーケティングです。
新規顧客の獲得、顧客ニーズに合わせた展開、比較的早い段階で成果が現われる、効果を測定しやすいといったメリットを得られます。
紙媒体とは配布・配信エリアやターゲットなどによってすみ分けることで、共存は可能です。
取り込みたいターゲットによって、オンラインとオフラインの施策を分けてみましょう。
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