高クオリティかつ低コストの冊子を印刷する際のコツをご紹介
2023.09.30冊子印刷カタログやパンフレットといった冊子は、主に販促品として用いられており、多くのお客様に配布されます。
しかし、冊子を配布したとしても必ず収益につながるわけではないため、可能な限りコストを抑えたいものです。
とはいえ、より多くのお客様から受注をいただくためには、冊子の品質にはこだわらなければなりません。
本記事では、高クオリティかつ低コストの冊子を印刷する際のコツをご紹介します。
耐久力を上げる
配布した冊子は、お客様によっては何度も目に通すことがあるため、耐久力が求められます。
すぐに破れそうな冊子を受け取ったお客様は、「あまりコストを掛けていないんだな」とマイナスのイメージを持つ可能性があります。
そのため、耐久力は何度見られても耐えられるだけではなく、豪華さを演出するための重要な要素だといえます。
高級感を出しつつ高い耐久性を付与したい場合、表紙に厚紙を使用する上製本がおすすめです。
上製本は文庫本や辞書といった、大量にページがある冊子にも使われています。
また、冊子によっては厚紙だけではなく、布クロスやレザークロスなどを使うことがあります。
一方、上製本は中綴じや開綴じ、無線綴じといった製本方法と比べるとコストが高くなる点には注意が必要です。
ページの抜け落ちを防ぐ
冊子を製本する際、ほとんどの場合ページが抜け落ちないように製本することでしょう。
領収書や伝票のようにちぎって使うタイプの冊子であれば、ページが抜け落ちても問題はありません。
しかし、冊子は商品情報やサービスなどをまとめて記載しているため、1ページも抜け落ちてはいけないものです。
どうしてもページが抜け落ちてほしくない場合は、「糸かがり綴じ」や「ミシン綴じ」で製本しましょう。
糸かがり綴じは一般的には40ページ以上の製本に用いられる製本で、ミシン綴じは業務用ミシンを使用して製本されます。
ページ数が少ない場合は端をステープラで綴じる「平綴じ」や、糊で端を留める「無線綴じ」などがおすすめです。
平綴じと無線綴じは比較的低コストでできる製本方法であるため、多くの方が利用している製本方法になります。
綴じる方向を考える
冊子のクオリティを左右する要素のなかに、紙を閉じる向きが含まれていることをご存知でしょうか。
向きを考えずに製本をすると、お客様は読みにくいと感じてしまうため、集客に大きな影響を及ぼすものです。
「読者のことを考えていない冊子・業者だ」といったマイナスイメージを避けるためには、正しい綴じ方が求められます。
一般的に、カタログやパンフレットといった、文章が横に向いている冊子は左綴じが良いとされています。
また、国語の教科書のように文章が縦になっている冊子は、右綴じで製本しましょう。
これらは文章を読むときの視線の動きが影響しているものであり、多くの方は「Z型」「N型」「F型」に移動します。
- Z型:左上から右下に移動する視線を指すものであり、左綴じの冊子を読む際に目がこのように動きます。
- F型:箇条書きの文章を読むときの視線の動きであり、左上から右上、その次の文章に移動します。
- N型:右上から左下に動く視線で、右綴じの冊子を読むときの動き方です。
漫画やイラスト集など、画像が多い冊子は右綴じで製本される傾向にあります。
なお、ほとんどの場合綴じる方向によって価格が変動することはありません。
サイズを考慮する
冊子におけるサイズとは、紙だけではなく画像や解像度、文字などさまざまな要素が対象になります。
お客様が目を通す際に、最適なサイズで構成されていない冊子は視認性が下がってしまい、機会損失につながってしまいます。
文字が大きすぎたり小さすぎたりすると、読者は読みにくいことから読まなくなってしまうものです。
そのため、冊子におけるさまざまなサイズは、冊子そのもののクオリティを大きく左右する要因だといえます。
また、画像を使用する場合、ピクセルやmmなど、さまざまな単位が用いられます。
下記、画像のピクセルと解像度、mmを求める計算式です。
- 画像のピクセル数(px) ÷ 解像度(dpi)×4 = 印刷サイズ(mm)
たとえば、ピクセル数が3,000px、解像度が350dpiの画像は、下記のmmになります。
- 3,000(px)÷350(dpi)×4=217(mm)
この数式をもとに、最適なサイズの画像を掲載しましょう。
高解像度の画像を使用する
画像の解像度とは、パソコンやデジタルカメラなどでデジタル化された画像の精度を指すものです。
画像の解像度はdpi(dot per inch)という単位であらわされるもので、数値が高いほど高解像度になります。
これは1インチあたりに含まれるドットの数を指すもので、数値が高いほど多くのドットが含まれています。
たとえば、同じサイズの画像でも、350dpiと700dpiのものであれば、後者の方が鮮明な画像だといえます。
解像度が低い画像を冊子に使用するとお客様はサービスや商品を理解しにくくなるだけではなく、少し安っぽくなります。
一目でキレイな冊子であるということを理解してもらうためには、高解像度の画像を使用しましょう。
また、大きなサイズの画像を小さくしても画像は粗くなりませんが、小さな画像を大きくすると粗くなる点には注意が必要です。
紙質を選ぶ
同じ内容の情報が記載された冊子でも、紙の手触りによって高級感を左右することができます。
多くのオフィスで使われているコピー用紙である普通紙や上質紙、再生紙は価格が抑えられている分、少し安っぽい印象があります。
高級感を演出したい場合、下記のような紙を使用しましょう。
マット紙
マット紙は表面にツヤ消しのコーティング加工を施した紙で、サラサラとした質感を持ちます。
目に優しく、落ち着いた印象をお客様に与えることができるため、しっかりと読んでいただきたい冊子におすすめです。
コート紙
コート紙は表面にコート剤を施した、ツルツルとして光沢を持つ紙です。
発色が良く色の再現度が高いため、写真やイラストなどで情報を伝えたい冊子への使用をおすすめします。
マットコート紙
マットコート紙はコート紙よりも光沢が抑えられており、マット紙のような質感を持つ紙を指します。
反射しないため文字が読みやすいほか、厚みを変えることで表紙と本文のどちらにも使用することができます。
納期に余裕を持つ
実は、印刷業者に冊子の印刷を依頼する際、納期によって費用が左右することをご存知でしょうか。
上限はありますが、納期が短くなるほどコストが高くなり、納期を長く設定するほどコストが抑えられるのです。
業者によっては最短納期が決まっていることがあるため注意が必要ですが、余裕を持って冊子の製本をおすすめします。
当社でも納期によってコストが変動するシステムを採用しているため、予算と納期に合わせてご相談ください。
参考ページ:納期について
おわりに
本記事では、高クオリティかつ低コストの冊子を印刷する際のコツをご紹介しました。
クオリティを上げつつ、コストを抑えたい場合は下記の方法を採用しましょう。
- 耐久力を上げる
- ページの抜け落ちを防ぐ
- 綴じる方向を考える
- サイズを考慮する
- 高解像度の画像を使用する
- 紙質を選ぶ
なかにはコストが上がってしまうものが含まれているため、予算に合わせた方法を採用することが重要です。
冊子を印刷する際は、費用対効果や配布枚数など、収支について十分に検討してから枚数や紙質などを決めましょう。
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