冊子を印刷する際に選択できる各種加工の内容について解説
2023.11.12冊子印刷パンフレットやカタログなど、収益を上げるために企業や個人事業主などはさまざまな冊子を印刷して、お客様に渡します。
お客様は冊子に記載された情報を参照して、興味があるものについて問い合わせたり購入したりすることで収益につながります。
しかし、ほかの企業と同じような冊子は差別化が図れていないため、お客様の印象に残りにくいものです。
本記事では、冊子を印刷する際に選択できる各種加工の内容について解説します。
折加工
折り加工は印刷物を1枚ずつ折り曲げる加工方法で、パンフレットや地図といった印刷物に用いられることが多いです。
下記のようにさまざまな種類がありますが、印刷物をコンパクトにすることができる点が共通しています。
2つ折
長辺を半分に折り、表面が外側、裏面が中側になるように折り曲げる加工です。
3つ折
長辺が3等分になるように折り目を指定して、山折りと谷折りを交互に行います。
巻き3つ折
巻き3つ折は先述した3つ折とは異なり、一面を内側に折り、その上に反対側の一面をかぶせるように折り曲げます。
片袖折り
片袖折りは長辺の半分を谷折りし、その半分を山折りにする折り方です。
外4つ折(蛇腹3山)
外4つ折(蛇腹3山)は長辺が4等分になるように山折りと谷折りを繰り返す折り方です。
巻き4つ折
巻き4つ折は初めに長辺を半分に折り、さらに半分に折り曲げる折り方です。
開き観音折
平木観音折は折る位置を2か所指定し、長辺の両端を折り込んで観音開きで見られるような折り方です。
観音折
観音折は先述した開き観音折の、短辺をさらに半分に折り込む加工方法です。
DM折
DM折は長辺を半分に折り、さらに巻き3つ折を施した折り方です。
クロス8頁折
長辺と短辺の両方を半分に折り込む加工方法で、合計8ページ分を印刷することができます。
当社ホームページ:折加工
穴あけ加工
穴あけ加工とは、印刷した冊子に特定感覚で穴を開ける加工方法を指します。
企業や印刷物によってはリングファイルなどに閉じて冊子を保管することがあるため、こちらの加工方法が用いられます。
お客様の観点では、リングファイルで管理をしたいのに穴が開いていなかった場合、パンチで開ける手間が発生します。
そのため、保管していただいて何度も見てほしいような冊子には穴あけ加工が施されます。
しかし、穴あけ加工を施す際には冊子のデザインを考えなければなりません。
また、印刷業者に穴あけ加工を依頼する際は、下記のように指示書を作成します。
例:穴あけ指示書
1:商品の左端から穴まで20mm
2:商品の上端から穴まで100mm
3:商品の下端から穴まで100mm
4:穴と穴の間隔:80mm
5:穴の直径:5mm
当社ホームページ:穴あけ加工
角丸加工
角丸加工とは、冊子の角を丸くする加工を指すものです。
冊子の角が角ばっていると、使っていくうちに汚れたり、折れ曲がったりするため、ビジュアルに悪影響を及ぼします。
また、かわいらしいデザインの冊子でも、角ばっているような加工を施してしまうとかわいらしさが半減してしまいます。
これらの理由から、小さい子どもが使う絵本やノート、使用頻度が高い手帳やダイヤリーなどに用いられる加工補法です。
当社では下記のように、3サイズの角丸加工に対応しているので、お好みのサイズの丸みを持たせることができます。
- 3mm
- 5mm
- 6mm
3mmが角に近い丸みで、6mmが最も丸みを帯びている加工です。
当社ホームページ:角丸加工
スジ入れ加工
スジ入れ加工とは、印刷物が折りやすいようにスジ(折り目)を入れる加工方法です。
日常生活で目にすることが多いスジ入れ加工が施された印刷物のなかには、スタンプカードや見開きの案内状などが挙げられます。
ただし、紙が厚くなるほど折り目の上にある絵柄が割れてしまう「背割れ」を起こしやすくなる点には注意が必要です。
当社でもスジ入れ加工を承っておりますが、T字、L字、クロスはお受けできません。
縦もしくは横方向の同一方向で、角の直線のみをお選びいただきます。
スジ入れ加工が施された印刷物は、断面を見るとひらがなの「ひ」の字になっています。
当社ホームページ:スジ入れ加工
ミシン目入れ加工
ミシン目入れ加工とは、印刷物の一部を切り離しやすいように、点々と切れ目を入れておく加工方法を指します。
ミシン目加工が施される冊子や印刷物には、下記のようなものが挙げられます。
- 伝票
- 請求書
- チケット
- クーポン券
- 申込書 など
ミシン目加工が施されていない印刷物の場合、切れ目が汚くなったりハサミを使うことで手間がかかったりします。
チラシや冊子などに商品説明と切り取り可能な申込書が同梱されている場合、購入希望者の増加が期待できます。
そのため、ミシン目加工を施す場合は伝えたいことを伝えたうえで、どの箇所に加工を施すべきなのかを考える必要があります。
当社でもミシン目入れ加工を実施しており、ミシン目の位置や線を入れる本数などをご指示いただくことでミシン目を設置可能です。
当社ホームページ:ミシン目入れ加工
表面加工
冊子によっては、強度を高めたり高級感を出したりするために、さまざまな表面加工を施すことがあります。
下記、冊子など印刷物に用いられることが多い加工の一例です。
表面PP加工
表面PP加工とは、ポリプロピレンのフィルムを表面に貼り付け、印刷物の表面に光沢感やマット感などを施すことができます。
また、耐久性を向上させることができ、水分にも強くなるといったメリットがあります。
しかし、側面や裁断面などにはPP加工が施されていないため、汚れや濡れが付着してしまいます。
パウチ加工
パウチ加工は印刷物の表面と裏面、側面を専用フィルムで包み込む加工で、光沢感を与えることができます。
側面も保護されることから、先述した表面PP加工よりも耐久性が高くなる点が特徴です。
一方、フィルムの分だけ印刷物の幅と高さが増えるため、規格が大きくなる点には注意しましょう。
ラミネート加工
ラミネート加工は表面PP加工と同様にポリプロピレンのフィルムを貼り付ける加工方法です。
違いは印刷物で、ラミネート加工は下記の印刷物に施されます。
- ポスター/大判インクジェット出力(水性・溶剤)
- 卓上スタンドパネル
- マグネットシート印刷
ラミネート加工も表面PP加工と同様に側面には加工が施されないため、汚れや濡れが付着する点には注意しましょう。
当社ホームページ:表面加工
冊子を綴じる方向
冊子を綴じる方向には「右綴じ」「左綴じ」「上綴じ」があります。
こちらでは、それぞれの綴じ方についてご説明します。
右綴じ
右綴じの冊子は表紙を上にした際、本を閉じている側が身側に来るものです。
右から左にページが送られ、ほとんどの場合縦書きで文章が印刷されます。
下記、右綴じで製本される冊子の一例です。
- 漫画
- 小説
- 国語辞典
- 雑誌
- 国語の教科書 など
右綴じの冊子が縦書きで印刷されている理由は、視線が右上から左下まで移動する、Nの字に移動することが要因です。
右側の文章を読み終わったあとに左の文章に移動し、その繰り返しで読み続けることができます。
しかし、これらは文章がメインの印刷物に施されるため、写真集やイラスト集などは後述する左綴じも用いられます。
左綴じ
左綴じは表紙を上にした際、綴じている箇所が左側に来る冊子を指します。
下記、左綴じが施される冊子の一例です。
- 写真集
- パンフレット
- 参考書
- 図鑑
- 地図 など
これらは視線がアルファベットのFやZのように、左上から右下に移動することが要因です。
F型の文章は箇条書きに見られる動きで、Zは英語の教科書などに見られる視線の動き方になります。
上綴じ・天綴じ
上綴じ・天綴じの冊子は、表紙を上にしたときに止めている箇所が上に来るものを指します。
一般的には、カレンダーやプレゼン資料などが上綴じで製本されます。
上方向は利き腕などに関係なく、どのような方でも開きやすいといった特徴があります。
一方、ほとんどの冊子は右綴じや左綴じなどが用いられていることから、流通量は多くありません。
当社ホームページ:冊子の綴じ方向
冊子の綴じ方
さまざまな冊子を見てみると、ステープラーで留められていたり接着剤が用いられていたりします。
下記、冊子に用いられている綴じ方の一例です。
- 冊子にするページを1枚ずつ重ね、専用の糊を留めて固定する「無線綴じ」
- 背となる部分に凸凹を設け、接着剤を塗布して製本する「あじろ綴じ」
- 見開いた状態の紙を2積折にして、真ん中部分をステープラーで留める「中綴じ」
- 背表紙の端から数センチほど余白を設け、ステープラーで留める「平綴じ」
- 中綴じ冊子のように紙を重ね、糸と接着剤を使って綴じる「糸かがり綴じ」
これらの綴じ方から、自分がイメージする綴じ方を選びましょう。
当社コラム:印刷した冊子の綴じ方や製本の種類、製本方法の選び方をご紹介
おわりに
本記事では、印刷物に施すことができる内容についてご説明しました。
印刷物には、下記のような加工を施すことができます。
- 折加工
- 穴あけ加工
- 角丸加工
- スジ入れ加工
- ミシン目入れ加工
- 表面加工
また、冊子は綴じる方向や綴じ方によって、視認性や利便性が大きく異なります。
右綴じは漫画や小説、国語辞典のように、文章が縦書きで構成されている冊子に用いられる綴じ方になります。
左綴じは写真集やパンフレット、参考書といった、横書きの文章が印刷されている冊子に採用される綴じ方です。
上綴じについてはカレンダーやプレゼン資料のように、上にめくりあげるような冊子に用いられます。
ほかにも、糊で固める無線綴じや、ステープラーで綴じる中綴じなど、さまざまな製本方法があります。
印刷物を発行したい方は、どのような印刷物を発行するべきなのかを考えておきましょう。
ユーザー目線に立ち、使いやすさや見やすさを考えることが重要です。
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