折りパンフレット印刷とは?折り方や用途、事例などをご紹介
2022.11.06パンフレット印刷「折りパンフレット印刷」という印刷方法を聞いたことはあるでしょうか?
会社案内・観光パンフレットなど「紹介用のチラシ」という役割で使われていることが多いです。
またその折り方にも非常にさまざまな種類があり、印象が大きく変わってきます。
今回は「折りパンフレット印刷」について、折りパンフレットの用途や折り方の種類も併せてご紹介していきます。
「折りパンフレット印刷」とは?
「折りパンフレット印刷」とは、1枚の紙を折ることによって仕上げることができる印刷物の印刷を表しています。
無線綴じ冊子・中綴じ冊子といった製本方法で作られたパンフレットもありますが、複数ページを使って仕上げているという点が違いとして挙げられるでしょう。
「1枚の紙を折る」と言っても、「二つ折り」「巻き三つ折り」「Z折り」「観音折り」などその折り方にはいくつか種類があります。
折り方によってパンフレットの印象も大きく変わってきます。
ページ数が同じものであっても折り方が異なるだけで見せ方も違ってくるのが「折りパンフレット印刷」の魅力だと言えます。
折りパンフレットの用途は?
折りパンフレットは会社案内・会社資料・サービス資料・製品案内・観光パンフレットなどの簡単なパンフレットとして多くのシーンで使用されています。
折りパンフレットは、製品やサービスを複数掲載しているカタログとは違い、1つの製品やサービスについて詳細情報をまとめている場合が多く、展示会などのイベントで大量配布する際などに使用されます。
【折りパンフレット印刷】折り方の種類について
そんな折りパンフレット印刷で用いられる、パンフレットの折り方の種類について代表的なものをいくつか見ていきましょう。
二つ折りパンフレット(4ページ)
1枚の紙の長辺と長辺を合わせるように中央で半分に折るという一番ポピュラーな折り方になります。
仕上げの表記は「A6仕上がり折パンフレット」などと表記され、こちらはA5の用紙を2つ折りにしたものを指します。
縦書きの二つ折りパンフレットの場合は左開き、横書きの場は右開きで作られるのが一般的で、開き方により表紙の位置も左右で異なります。
仕上がりイメージもつきやすいことから、簡単に作成することができます。
片袖折りパンフレット(6ページ)
片袖折りパンフレットは2つの箇所に折る位置を指定し、山折り・谷折りを交互にして折る折り方です。
A5サイズの冊子の場合、片袖折りパンフレット1ページあたりのサイズはA4になります。
片袖折りパンフレットは年表や地図といった、情報をまとめて記載する際などに使われます。
しかし、一般的な冊子ではあまり使われない折り方のため、少し珍しい折り方と言えるかもしれません。
巻き三つ折りパンフレット(6ページ)
長辺を3つに分けたのち、3面のうち1面を内側に折り込むことによってコンパクトにした折り方です。
折り方は右側のページを内側に入れたり、左側のページを内側に入れたりとさまざまです。
また、横書きの文章を印刷した場合、縦に折り込むこともあります。
折り込む面は他の面に比べると短くなるという特徴があります。
Z折りパンフレット(6ページ)
3つに分けたうちの1辺を「Z」の文字のようにして畳み込んで折る「Z折り」です。
観光パンフレットなどにも多く採用されているだけではなく、山折り・谷折りをして重なる面に糊付けすることで、DMとして送付することが可能です。
また、表紙以外にクーポンなど販促に関する情報を記載することで、集客に役立てることもできます。
観音折りパンフレット(8ページ)
長辺を4つに分けたのち、紙の両端部分を内側に折り、それをさらに2つに折るという折り方です。
観音折りパンフレットは4面に分かれているため、流れに合わせて構成を考えることにより、相手に伝わりやすいパンフレットとなります。
また、見開きページと中に記載されたページとデザインを統一することで、遊び心や一体感を出すこともできる折り方でもあります。
内側に折り込む2つの面は他2面に比べると短くなるという特徴があります。
巻き四つ折りパンフレット(8ページ)
長辺を中央で2つに折り、それをさらに同方向に2つに折るという折り方です。
巻き四つ折りパンフレットはほかの折り方と比べて開きやすいメリットがあるため、表紙とうら表紙に目次や紹介文を記載し、残りのページにコンテンツを記載するといった使い方が可能です。
また、巻き四つ折りパンフレットは8ページ分を1枚にまとめるという形で印刷することができます。
十文字折りパンフレット(8ページ)
長辺を中央で2つに折り、さらに直角に交わるような方向で2つに折る折り方です。
多くの情報をコンパクトにまとめることができるため、ポケットティッシュやポスティングのリーフレットなどに使うことができます。
その際、折ったあとの一面を表紙として使用することで、チラシを手に取った方はどのような情報が記載されているのかを一目で理解することができます。
表と裏面で合計8ページのデザインが印刷できます。
パンフレット製作のポイント
パンフレットを製作する際には、下記のポイントをおさえましょう。
配色
パンフレットを製作する際、好きな色を使いすぎると見た人に散らかった印象を与えてしまうため、下記を参考に色を決めてみましょう。
色の系統
散らかった印象になるパンフレットの特徴のひとつとして、赤や青といった、系統が違う色を使ったことが挙げられます。
そのため、同系統の色でまとめることにより、全体的に統一感を持たせることができます。
色の比率
色は「ベースカラー」「アソートカラー」「アクセントカラー」の3種類に分けることができ、下記の比率が良いとされています。
- ベースカラー:アソートカラー:アクセントカラー=75:20:5
ベースカラーは最も比率が大きい配色で、パンフレットの背面などに使われる色です。
後述するアソートカラーやアクセントカラーの妨げにならないよう、白やアイボリーといった、薄い色が使われることが多い傾向にあります。
色全体の20%を占めるアソートカラーはパンフレットのメインとなる色で、ベースカラーよりも濃い色が選ばれます。
アクセントカラーは価格やキャッチコピーなど、強く伝えたい情報などに使われる色です。
たとえば、ベースカラーが水色、アソートカラーが青の場合、アクセントカラーに黄色を使うことが挙げられます。
下記、色の系統と比率の一例です。
系統 | ベースカラー | アソートカラー | アクセントカラー |
No.1 | アイボリー | 緑 | ピンク |
No.2 | 水色 | 青 | 黄色 |
No.3 | ピンク | オレンジ | 青 |
No.4 | アイボリー | 緑 | 深緑 |
No.5 | 白 | 青 | 赤 |
写真
パンフレットにおいて写真は見た方に対して、商品やサービスに興味を持ってもらうための重要な要素です。
写真の質が良ければ購入につながり、質が悪ければ購入に至らないといったこともあるため、下記のポイントに注意して写真を取り入れましょう。
画質
パンフレットに使う写真は、最低でも150dpiの解像度のものを使いましょう。
dpi(dot per inch)とは1インチ(約25.4mm)内に並んでいるピクセルの数を指す単位で、150dpiの場合は1インチ内に150個ピクセルがあることを意味します。
150dpi未満の画像を使用した場合、少しぼやけて見えてしまうため、パンフレットを見た方に安っぽい印象を与えてしまうだけではなく、正しい情報を伝えることができなくなります。
食べ物の場合
食べ物の写真を掲載する場合は、「構図」「角度」「光」「背景」「シズル感」を意識しましょう。
ピントを合わせたり奥行を出したりといったことを指す構図は、縦に長い写真を使用した場合、横に長い写真よりも奥行を出すことができます。
一般的に食べ物の写真は斜め上の45度から撮影すると良いと言われています。
これは被写体となる食べ物に、立体感やツヤといった「光」によって変わる要素を有効に活用するために用いられる技術です。
また、パンフレットに使う写真の背景はできる限りシンプルな方が、見た方に強く伝えることができるため、単色の背景をバックに撮影しましょう。
「シズル感」とは、その食べ物を食べたいと思わせる表現として使われる言葉です。
たとえば、焼き鳥から上がる煙や、肉を切ったときに溢れる肉汁などがシズル感として挙げられます。
旅行先の場合
旅行パンフレットに使う写真では、対象となる旅行先の名所や名物などを撮影・使用します。
また、撮影時には対象となる物だけではなく、背景や風景も映り込むため、カメラのピントを調整しましょう。
たとえば、富士山をメインにする場合、富士山にピントを合わせて周囲の背景をぼかし、富士山を際立たせる、といったことが挙げられます。
人物の場合
人物の写真を使用する場合、食べ物の項で説明した構図や光だけではなく、アングルにも注意しましょう。
人物は少し下から撮影すると手足を長く見せることができ、少し上から撮影することで光の加減などにより美しい姿を残すことができますので、シーンに合わせて使い分けましょう。
フォント
フォントとは、印刷する文字の形式のことで、「ゴシック体」や「明朝体」といったものが含まれます。
文字が分かればフォントは気にしない、といった方もいらっしゃると思いますが、魅力的にパンフレットを作成するためには、フォント選びは不可欠な要素です。
下記、フォントごとによる効果の一例です。
- ゴシック体 …カジュアルで力強い印象を与えます。
- 明朝体 …高級感や清潔さ、大人っぽい印象を持たせることができます。
- デザイン書体 …さまざまなデザインが含まれるため、個性を出したいときに使われます。
なお、フォントによっては印刷に対応していないものもあるため、事前に印刷業者に確認しておきましょう。
文字の大きさ
パンフレットを見ると、さまざまな大きさの文字が記載されています。
一般的なパンフレットにおいて、見出しや重要箇所には10から12pt、詳しい説明が記載されている本文に使われる文字の大きさは8から9ptが使われることが多いです。
また、文字の大きさは対象となるターゲット層への配慮も必要です。
たとえば、高齢者を対象とした温泉地のパンフレットの場合、本文の文字数を少なくし、文字の大きさを大きくするといったことが挙げられます。
余白の使い方
先述した色使いを注意しても、パンフレットに過度な情報を詰め込んでしまうことにより、伝えたい内容が伝わらないことがあります。
そのような場合、文字やコンテンツの間に適度な余白を設けることで雑多な印象を与えずに、視認がしやすくなります。
「ここにもっと情報を詰め込める」という気持ちを抑え、全体のバランスを考慮してから余白を取り入れましょう。
イラスト
パンフレットによっては、見た方の理解を深めたり、ポイントを強調したりするためにキャラクターやデザインなどのイラストを導入することがあります。
インターネットで「イラスト」と検索をすれば、検索結果に無料のものも多くヒットしますが、無料のものはほかの企業が使っていることもあるため、できる限り有料のものや、自社で作成したもの、外部に制作を依頼したものなどを使いましょう。
また、イラストを使用する際には、商品やサービスの対象となるターゲット層に合ったものを選びましょう。
おわりに
今回は「折りパンフレット印刷」について、折りパンフレットの用途や折り方の種類も併せてご紹介しました。
折りパンフレット印刷は複数の紙を使って作るのではなく、1枚の紙を折ることでページ数を多くすることができる簡易的なパンフレット印刷なのです。
折り方の種類にはさまざまなものがあり、どの折り方を選ぶかによっても印象が大きく変わってきます。
イメージに沿った印刷物になるよう、じっくり吟味してみてください。
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