パンフレットを印刷した際に発生する失敗の原因と対策を解説
2022.11.30パンフレット印刷インターネットでパンフレットの印刷を依頼した際、画面上でイメージしていたものと業者から届けられた紙面のパンフレットで違いが生じることがあります。
なぜイメージ通りのパンフレットが作れないのか、イメージ通りのパンフレットを作るにはどうすれば良いのかが分からない方もいらっしゃることでしょう。
本記事では、パンフレットを印刷した際に発生する失敗の原因と対策について解説します。
印刷前の失敗1:文字化け
文字化けとは、コンピュータで文字コードの設定が誤った際に起きる、指定した文字ではないものが表示されてしまうことを指します。
下記、文字化けが起きる原因と対策です。
文字化けの原因
コンピュータで文字情報を入力する際、「UTF-○○」や「ANSI」「BE、LE」のようなデータ形式で文字情報を入力します。
互換性がなく、正しくないデータ形式で読み取った際に、文字化けが発生します。
たとえば、PDFで使用することができないフォントが使われている場合などが挙げられます。
文字化けの対策
一般的に文字化けによる入稿データの不良は、表示するソフトでデータ形式を「UTF-8」を選択することで正しい文字が表示されます。
UTF-8は互換性が高く、さまざまなデータ形式に対応していることから、世界各国で使用率が高いデータ形式です。
ネット印刷業者を利用する際、入稿データに使われているデータ形式を伝えておくことで、文字化けを防ぐことができます。
印刷前の失敗2:入稿データの不備
入稿データによっては、特定のファイルで開いた際に一部の線や絵柄、文字が表示されないといった、入稿データに不備が生じることがあります。
こちらでは、入稿データの不備が起きる原因と対策をご紹介します。
入稿データ不備が起きる原因
入稿データに不備が生じる原因として、入稿データの設定が正しくできていない可能性があります。
下記、入稿データ不備の一例です。
- 間違えたパンフレットのサイズで作成されている
- 画像のリンクが切れている
- フォントを使用することができない「アウトライン化不足」
データに不備があった場合、印刷業者にデータを入稿しても正しい形式でデータが反映されないため、印刷時に希望通りのものが仕上がらなくなります。
入稿データ不備の対策
入稿データの不備を避けるためには、下記の設定を見直しましょう。
- 正しいサイズでパンフレットのデータが作成されているか
- パンフレットに埋め込む画像も併せて送付し、画像のリンクが切れないようになっているか
- 使用しているフォントが表示されるように、アウトライン化ができているか
印刷業者によってはデータを十分に確認せずに印刷を行うことがあるため、これらを自身で確認し、希望通りのパンフレットを作成しましょう。
印刷前の失敗3:オーバープリント
「オーバープリント」とは、印刷した際に文字や画像の一部が背景に隠れてしまったり、消えたりすることを指します。
こちらは印刷業者に依頼する際だけではなく、自宅やオフィスで印刷する際にも発生する可能性があります。
下記、オーバープリントが起きる原因と対策です。
オーバープリントが起きる原因
オーバープリントは、印刷時にインクの水分で紙が伸びることによって印刷データがずれる影響を少なくすることが目的の設定です。
一般的には文字の可読性を高めることが目的として使われますが、背景に色を設定した場合、文字データが背景色に隠れてしまい、印刷時に見えなくなることがあります。
一般的に入稿データはIllustratorのデータ形式である「.ai」で入稿することが多いため、Illustratorでの設定を変更する必要があります。
オーバープリントの対策
Illustratorでは下記のように設定することで、オーバープリントを解除することができます。
- メニューバーにある「ウィンドウ」から「属性」を選択
- 「塗りにオーバープリント」、「線にオーバープリント」のチェックボックスを外す
初期設定ではオーバープリントの設定にチェックが入っていることがあるため、印刷業者にデータを入稿する際は確認しておきましょう。
印刷後の失敗1:背割れ
印刷後の資料を確認していると、折り目やページをつなぎとめている箇所が割れることにより、白くなっていることがあります。
この現象を「背割れ」と呼び、特に濃い色の背景色で印刷をした際に起きやすい現象です。
こちらでは、背割れの原因と対策をご紹介します。
背割れの原因
背割れの原因には、下記のようなものが挙げられます。
用紙が厚すぎる
一般的に背割れは、斤量(紙を1,000枚重ねたときの重さ)が110kg以上の用紙で発生しやすい傾向にあります。
斤量が大きくなると紙が厚くなるため、折り曲げた際にインク同士の結合が離れてしまい、下地の紙が見えてしまう背割れが起きやすくなります。
紙の流れ目を間違える
紙には折りやすい、割きやすい方向があり、それらを紙の「流れ目」と呼びます。
流れ目は紙がひとつのライン上で製造されることが要因で、長さが短い辺をつなぐように流れています。
流れ目に反してパンフレットを作製した場合、背割れが発生しやすいです。
背景色が濃すぎる
印刷物の色は、さまざまなインクを使用して濃淡を調整します。
濃い色は使用しているインクが多くなり、さまざまな色を重ねているため分厚くなります。
背表紙が濃い場合、伸び縮みしないインクが割れてしまい、背割れが起きてしまいます。
背割れを防ぐ方法
下記の対策を行うことによって、背割れを防ぎましょう。
- 厚い用紙を使用する場合、「筋入れ加工」を施す
- 明るい色を背景色に使用する
- 表面にポリプロピレンのフィルムを圧着させる「PP加工」を施す
第三者に読んでもらう印刷物は、背割れがない美しいものを作成しましょう。
印刷後の失敗2:イメージ通りの色ではない
印刷業者にデータを入稿し、印刷してもらった印刷物を確認すると、データやイメージとは異なった色が出ていることがあります。
下記、イメージ通りの色ではない原因と対策です。
イメージ通りの色ではない原因
データと印刷物でイメージ通りの色ではない原因のひとつとして、モニターと印刷物で色の表現方法が異なることが挙げられます。
モニターでは赤、緑、青の3色で構成される「RGB」形式、印刷物はシアン、マゼンタ、イエロー、キープレートの4色で構成される「CMYK」形式で表現されます。
正しい色で印刷してもらうための対策
正しい色で印刷してもらうためには、色校正を行うことが挙げられます。
色校正とは、データ上と印刷物で色の違いが発生していないか、イメージ通りの色校正が行われているかといったことを確認する作業です。
ネットでパンフレットの印刷を依頼する際、色校正を行うことができない業者もありますが、当社では印刷前に仕上がりを確認するためのPDFを用意しているため、そちらで仕上がりイメージを持っていただくことが可能です。
参考ページ:当社サービスページ「WEB校正サービスについて」
可能であれば、同じ用紙、同じインクといった、印刷業者と同じ条件で印刷を行うことで、より分かりやすく印刷後のイメージを知ることができます。
おわりに
本記事では、パンフレットを印刷した際に発生する失敗の原因と対策を解説しました。
パンフレット印刷における失敗には、下記のようなものが挙げられます。
- 文字化け
- 入稿データの不備
- オーバープリント
- 背割れ
- 色がおかしい
データや設定を確認しておき、印刷前後でギャップが生じないように確認しておきましょう。


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