パンフレットの印刷に向いている・向いていない紙の種類をご紹介
2023.02.05パンフレット印刷製本がされていない、仮綴じ(かりとじ)の冊子であるパンフレット。
パンフレットは、学校案内や会社案内、製品・サービス紹介などさまざまな業界・用途で使用されています。
パンフレットを作る場合、どのような紙を使えばいいのでしょうか?
本記事では、パンフレットにおすすめの印刷用紙をご紹介します。
パンフレットに求められる紙
パンフレットとして使用する紙としては、どのような紙質の用紙が良いのでしょうか?
こちらでは、パンフレットに求められる厚みやツヤの有無のほか、写真やイラスト・文章の見やすさについてご紹介します。
厚み
パンフレットには、ある程度厚みがある用紙を使用しましょう。
厚みがない用紙を使用するとすぐにボロボロになったり、屋外では風になびいて見にくかったりと、読者は不便さを感じてしまいます。
逆に、用紙が厚すぎると折り返しにくくなります。
そのため、パンフレットやリーフレットに使用する用紙の厚さは90k、110k、135kなどがおすすめです。
単位に使用される「k」とはキログラムのことを指しており、1,000枚重ねた際の重量を意味しています。
つまり、90kの場合は1枚当たり90グラム、110kは1枚当たり110グラム、135kは135グラムとなります。
ツヤあり・ツヤ無し
作成者や企業、団体の好みや意向によりますが、パンフレットをツヤありにするのか、ツヤ無しにするのかも考えましょう。
後述する印刷用紙の種類でもご紹介しますが、ツヤありならコート紙、ツヤを抑えたマット紙とコート紙の性質をもつマットコート紙がおすすめです。
写真やイラスト・文章の視認性
パンフレットの役割は商品やサービス、団体の紹介などです。
そのため、視認がしにくい用紙を使用した場合、パンフレットの役目を果たすことができません。
写真やイラスト・文章を見やすく表現するためには用紙の質が重要なので、にじみやすいものや色が鮮やかに表現されない紙はおすすめできません。
パンフレットにおすすめの印刷用紙
こちらでは、パンフレットにおすすめの印刷用紙であるコート紙とマットコート紙をご紹介します。
コート紙
コート剤が塗られている、表面にツヤがある用紙です。
鮮やかに色が表現でき、裏移りがしない特徴を持っているため、パンフレットにおすすめの用紙であるといえます。
マットコート紙
コート剤のツヤが抑えられた用紙です。
コート紙の特徴である鮮やかな色表現と、マット紙が持つツヤ無しの両性質をもつマットコート紙もパンフレットにおすすめの用紙です。
パンフレットによっては使われることがある印刷用紙
下記、パンフレットによっては使われることがある印刷用紙をご紹介します。
特殊紙
特殊紙とは、模様や色、後処理が特殊な加工が施された印刷用紙です。
下記にて、特殊紙の一例をご紹介します。
ファンシーペーパー
質感や手触り、厚みなどがコート紙やマットコート紙とは異なり、さまざまな装飾が施された印刷用紙です。
ファンシーペーパーのなかには、デコボコ模様のタントや、ざらざらとした質感のマーメイドなどがあります。
エンボス紙
紙に浮き出しや型出しといったエンボス加工を行い、独特なデコボコ模様を施した用紙です。
文字やデザインを強調したり、デコボコを装飾として使ったりすることで、パンフレットを見た方の目を惹きやすくなります。
ハイマッキンレーアート
ハイマッキンレーアートは高品質のアート紙で、美しい白さや強い光沢感を持ちます。
こちらの用紙を使用して印刷をすると高級感を出すことができるため、高額な商品を掲載したリーフレットやカタログ、ポスターなどの印刷に適しています。
ハイマッキンレーピュアダルアート
ハイマッキンレーピュアダルアートはマット紙のひとつで、しっとりとした質感を持ちます。
印刷するとインクが付着した面に光沢を帯びるため、高級感を出すことができます。
ヴァンヌーボVG スノーホワイト
ヴァンヌーボVG スノーホワイトは柔らかな手触りと細やかな表面だけではなく、暖かい紙の風合いとグロス感といった質感を持つ印刷用紙です。
名前に含まれる「VG」とは、V=ヴィジュアル・G=グロスという言葉が由来です。
アートポスト
アートポストはカラーで印刷した際の発色が良い印刷用紙で、コート紙よりも厚いといった特徴を持ちます。
そのため、何度も手に取られる可能性があるパンフレットや、チラシなどに適しているといえます。
マットポスト
マットポストはアートポストと同様に、印刷時の発色が良い厚めの印刷用紙です。
少し落ち着いた印象を持ってほしいが、アピールポイントを際立たせたい場合に使うと良いでしょう。
ケント紙
ケント紙は適度な弾力と厚みを持った印刷用紙で、一般的にはグラフィックデザインやイラストなどを作成する際に使われます。
折り加工が施されていない一般的なペーパータイプや、持ち運びが容易なスケッチブックタイプなど、さまざまな形状を含む点が特徴です。
キャストコート紙
キャストコート紙は名前の通り、鏡のような表面を持つ印刷用紙で、人物や料理の写真が使われたものを印刷する際に使われる傾向にあります。
パンフレットに不向きな印刷用紙
パンフレットとして使用するには不向きな印刷用紙には、どのようなものがあるのでしょうか?
こちらでは、パンフレットに不向きな印刷用紙をご紹介します。
上質紙
表面にコーティングがされていない、会社のコピー機などで使用される用紙です。
色表現がコート紙に比べて鮮やかさがなく、インクが乾きにくいためパンフレットには不向きな紙質とされています。
色上質紙
上記の上質紙に色がついている用紙です。
表面コーティングがされておらず、色も鮮やかに表現されないのでパンフレットには不向きな用紙であるといえます。
パンフレットの作り方
こちらでは、パンフレットの作り方をご紹介します。
目的を明確にする
パンフレットの目的には、商品の認知度向上や新店舗のご案内、旅行案内といったさまざまな目的があります。
パンフレット作成時に伝えたいことをブラさないように、パンフレットの目的を明確にしましょう。
また、複数人でパンフレットを作成すると、目的がブレてしまう可能性が高くなるため、メモやノートなどに記載しておき、見える箇所に貼っておくことをおすすめします。
ターゲットを絞る
パンフレットに掲載する商品やサービスには、ターゲットが存在していることでしょう。
パンフレット作成も目にする方を意識することで、情報が伝わりやすくなったり、記載内容を見直したりすることができます。
たとえば、高齢者向けの商品やサービスを掲載する場合、文字や画像を大きくして掲載することで、パンフレットを見たターゲットは内容を理解しやすくなるため、購入や契約締結に至る可能性が高くなります。
パンフレットに掲載するコンテンツを決める
目的とターゲットが明確になったあとは、パンフレットに掲載するコンテンツを決めます。
下記、パンフレットに掲載するコンテンツの一例です。
- 写真
- 商品・サービス情報
- 営業時間
- メニューの内容
- 電話番号
- メールアドレス
- アクセスマップ
これらのなかから、本当に必要な情報を選定していきましょう。
デザイン・構成・サイズを決める
掲載するコンテンツが決まったあとは、パンフレットのデザインや構成、サイズを決めます。
それぞれ、下記のポイントに注意しましょう。
デザイン
パンフレットのデザインには、余白や配色などが含まれます。
余白については意識しない方も多くいらっしゃいますが、しっかりと余白が設けられているパンフレットは高い視認性を得ることができるため、必ず考えるようにしましょう。
配色のおすすめは同系色でまとめることです。
たとえば、青や水色を使用するとさわやかな印象を持ってもらうことができ、赤やピンクといった配色は温かいイメージを持ってもらうことができます。
また、配色が多すぎると見た人は情報を整理することが難しくなるため、可能な限り3色以内に収めることをおすすめします。
青×水色×黄色の3配色の場合、さわやかなイメージを持たせつつ伝えたい情報に注目してもらうといったことができます。
構成
パンフレットの構成は、お客様が商品やサービスを購入してくれるのかを左右する重要な要素です。
特に、パンフレットの表紙が伝わりにくい構成となっていた場合、手に取って中身を確認してもらえない可能性があるため、見やすさや訴求内容にこだわって作る必要があります。
パンフレットを構成する要素は先述の通り写真や商品・サービス情報などが挙げられます。
どこに何を配置するのか、どのようなフォントで文章を記載するのかといったことを、パンフレット制作に携わるさまざまな関係者と確認し合って決めましょう。
サイズ
一般的なパンフレットは、仕上がりサイズがA4になるものが選ばれる傾向にあります。
「仕上がりサイズ」とは、印刷したパンフレットを折った状態のサイズを指すものであり、折ったものをすべて開いた状態のサイズを「展開サイズ」と呼びます。
サイズが決まったあとは、パンフレットの折り方を決めましょう。
下記、折り方の一例です。
2つ折りパンフレット
2つ折りパンフレットとは、紙を半分に折り曲げた状態のパンフレットであり、さまざまな情報を見てもらうために使われます。
3つ折りパンフレット
3つ折りパンフレットとは、1枚の紙を3面に分けて折った状態のパンフレットです。
また、3つ折りパンフレットには内側に折り曲げるような形状の「巻3つ折りパンフレット」や、アルファベットのZ上に折った「外3つ折りパンフレット」が含まれます。
綴じパンフレット
複数ページがホチキスや糊などで綴じられた、冊子状のパンフレットを指します。
ページ数によって中綴じや無線綴じといった綴じ方を選ぶ必要がありますが、ボリュームを出したり、詳しい情報を伝えたりすることができる、といったメリットがあります。
発行部数と予算を決める
デザインや綴じ方が決まったあとは、発行部数や予算を決めましょう。
イベントなどで配布する枚数や、DMで発送する枚数などを考慮して発行部数を決めます。
また、複数の業者の見積もりを参考にして、自社がいくらまで出せるのかを検討することも重要です。
なお、相見積もりを取る際、印刷可能なデータ形式などを聞いておくとスムーズに印刷することができます。
データ作成後、印刷業者に依頼する
自社でデータを作成したあとは、相見積もりで最も条件が良かった印刷業者に依頼します。
印刷業者に依頼する際、見積書や注文書などを受け取ることになりますが、発行部数や価格などに間違いがないかを入念に確認しましょう。
サンプルをもらい、チェックする
印刷業者によっては、サンプルを提供してくれることがあります。
可能であれば、サンプルに記載された情報に誤字や脱字、インクのにじみや紙の質感などを確認します。
自分が考えた印刷物を納品してもらうために、修正点などは遠慮なく伝えましょう。
本印刷完了後、納品してもらう
サンプルの内容に問題がなければ、本印刷を依頼しましょう。
本印刷されたパンフレットが納品されたあと、すべて確認する必要はありませんが、2~3分ほど抜き打ちで確認しておくことをおすすめします。
おわりに
本記事では、パンフレットにおすすめの印刷用紙をご紹介しました。
パンフレットに使われる紙は厚みがあり、ツヤの有無、写真やイラスト・文章が見やすいなどの条件が求められます。
パンフレットにはコート紙やマットコート紙などの印刷用紙がおすすめです。
逆にパンフレットに向いていない印刷用紙は上質紙や色上質紙などです。
パンフレットに使われる紙をお探しの方は、まずは手触りなどを確認しましょう。
また、パンフレットづくりにお困りの場合は、ぜひ当社までご相談ください。
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