さまざまな綴じ方の冊子は手に取ってもらえるように表紙もこだわろう
2023.05.27冊子印刷費用や時間をかけて印刷・製本した冊子は、できるだけ多くの読者に手に取ってもらいたいものです。
しかし、市場に出回っている冊子のなかには、内容が素晴らしくても表紙のデザインが影響して手に取ってもらえないものがあります。
多くの人に冊子を見てもらうためには、どのようにデザインの表紙を作成すれば良いのでしょうか。
本記事では、多くの人に手に取ってもらえるような冊子の表紙のデザイン方法をご紹介します。
冊子の綴じ方の種類
冊子を製本する際、さまざまな綴じ方があります。
パンフレットや小説など、冊子に合った最適な綴じ方で製本することによって、読者がストレスなく中身を見ることができます。
下記、一般的な冊子の綴じ方です。
中綴じ
中綴じは表紙と本文をすべて開いた状態で重ね、中央の折り目部分を針金で留める綴じ方です。
週刊誌やパンフレット、会社案内などに用いられる製本方法で、ページ数は必ず4の倍数になります。
平綴じ
平綴じは表紙と本文をすべて開いた状態で重ね、背の部分を針金や糸で綴じる製本方法です。
企画書や配布資料など、オフィスや学校などで使われる冊子に用いられます。
無線綴じ
無線綴じは本文の背を糊で固めたあと、表紙の用紙で包む綴じ方です。
文庫本や辞書など、長期間保管したり高い耐久性が求められたりする冊子に使われます。
あじろ綴じ
あじろ綴じは先述した無線綴じを改良した綴じ方で、接着剤が浸透しやすいように背の部分に溝が設けられています。
無線綴じと比べて高い強度を保つため、ページ数が多く長期間使用する冊子に用いられる製本方法です。
PUR綴じ
PUR綴じは無線綴じに含まれる製本方法で、強度・耐熱性に優れたPUR糊を使用します。
PURとはポリウレタン系の接着剤を指すもので、長期的に保管・使用する冊子に適しています。
冊子の綴じ方を詳しく知りたい方は、下記ページをご参考ください。
当社コラムページ:印刷した冊子の綴じ方や製本の種類、製本方法の選び方をご紹介
表紙の重要性
こちらでは、冊子に使われる表紙の重要性についてご説明します。
第一印象
冊子には商品や自社の説明を記載しているパンフレットや、物語やノウハウが記載された小説・ビジネス書などが含まれます。
いずれの冊子も読者が手にとって内容を見て、初めて価値を理解してくれるものです。
しかし、冊子の第一印象である表紙のデザインが魅力的ではない場合、読者の手に取ってもらうことができません。
多くの読者が手に取るような冊子は、必要最低限の情報が掲載されていたり、ターゲットに合わせたトーンが使われたりしているものです。
どのような情報が記載されているのかを表紙に載せておくことで、ターゲットに訴求することができます。
そのため、冊子の表紙は読者が手に取ってもらえるかどうかを決める、重要な要素だといえます。
一目で内容が理解できる
一目で内容がわかる表紙には、関連性があるデザインや冊子のタイトル、補足情報となるキャッチコピーが記載されています。
デザインについては他社やほかの人と同じようなものがあれば、従来のイメージを払拭するようなものもあります。
表紙に多くの情報を記載すると、冊子を手にとった方は読むのが面倒になってしまうものです。
また、表紙はスペースが限られているため、記載する情報は多くありません。
そのため、一般的な冊子の表紙にはイメージやタイトル、キャッチコピーや作者など、最低限の情報のみが記載されています。
端的に冊子の情報を伝えることも、多くの読者に目を通してもらうためのコツだということを認識しておきましょう。
キャッチコピーの有無
キャッチコピーとは、相手に強い印象を与えるために使われる短い言葉で、謳い文句やキャッチフレーズと同じ意味で使われます。
日常生活においては電車の広告やテレビCM、お店に陳列されている商品などで目にすることができます。
キャッチコピーが使われる理由は、端的に冊子の情報を伝えることが挙げられます。
強い言葉や印象に残るキャッチコピーが記載されている表紙は、読者が手にとったり記憶に残ったりします。
そのため、ほかの冊子との差別化を図ることができることから、認知拡大や読者の増加といった効果が期待できます。
一方、キャッチコピーを作成する際には誇大表現や嘘の情報を記載するといった点には注意が必要です。
事実を誰もが目を引くような表現で記載することが、キャッチコピーを作成する上では重要な要素です。
手に取ってもらえる表紙デザインの特徴
手にとってもらえる冊子には、「色のトーン」「コンセプト」「キャッチコピー」「紙質」「デザイン」にこだわりがあります。
下記にて、手に取ってもらえる表紙デザインの特徴をご紹介します。
色のトーン
パンフレットにはさまざま文字やデザインが施されていますが、多くの読者を獲得するためには色使いにも気を使う必要があります。
色使いを考える際は、ペルソナ設定など冊子を読むターゲットを検討しましょう。
たとえば、20代の男性と40代の女性では好まれるデザインが異なる傾向にあります。
色のトーンには暖色や寒色といったものが含まれているため、ターゲットにあったものを使うことで高い成果が期待できます。
コンセプト
冊子におけるコンセプトとは、読者に何を伝えたいのかという目的を指します。
「この冊子は〇〇を伝えたい」と読者に一目で理解してもらうことで、多くの人に手にとってもらうことができるでしょう。
表紙デザインでコンセプトを表現することで、そのまま中身を読んでもらえる可能性が高くなります。
また、コンセプトが明確な冊子はデザイン時にブレが生じにくいといった点もメリットと言えます。
キャッチコピー
先述の通り、キャッチコピーは冊子の表紙において手に取ってもらう可能性を高めるための重要な要素のひとつです。
キャッチコピーを作成する一例として、写真やイラストと関連性がある言語を用いることがあります。
たとえば、高層マンションのパンフレットの場合、「市内を一望できる」といった言葉が挙げられます。
写真・イラストと文章を組み合わせることで、多くの方の頭に残るような冊子を製本することができるでしょう。
紙質
こだわりがある冊子の表紙には、商品やサービス・内容に沿った材質の紙が使われています。
たとえば、高額商品の情報が記載されたパンフレットには、光沢紙やマット紙のように高級感がある紙が使われる傾向があります。
また、環境に配慮した商品を掲載する場合、エコペーパーなどを使用する業者も多くいらっしゃいます。
冊子の情報だけではなく、紙質にもこだわることで訴求力を高めることができます。
これらを抑えることで、多くの読者に手に取ってもらえる可能性が高くなります。
表紙を作るコツ
こちらでは、表紙を作るコツをご紹介します。
配置を決める
冊子の表紙にはタイトルやイラスト・画像、キャッチコピーといったさまざまな情報が記載されています。
多くの方を魅了する表紙は、情報の配置が綿密に決められているものです。
考えなしに記載する情報を詰め込みすぎると視認性が低下することにより、読者が増えにくくなります。
そのため、情報の記載場所やイラストの大きさどうするのかといった配置は、本格的に表紙を作成する前に決めておきましょう。
情報を詰め込みすぎない
パンフレットの表紙は、適度に空白を設けるなど情報を詰め込みすぎないようにデザインすることが重要です。
少ないスペースに多くの情報が詰め込まれていると、読者は何を伝えたいのかがわからなくなるため、冊子の効果が低下します。
そのため、表紙を作成する際はどの情報を最も伝えたいのかを事前に決めておくようにしましょう。
あらかじめ軸を決めておくことで、表紙作成の際に迷いがなくなり、多くの人に見てもらえる表紙をデザインすることができます。
競合のパンフレットを参考にする
競合他社や他の業種が作成している冊子は、自社で制作するパンフレットの参考にできるポイントが多くあるものです。
たとえば、写真やイラストの大きさ、フォント、色使いといったものが挙げられます。
しかし、競合他社のパンフレットは簡単に入手することができないことが多いものです。
そのような場合はインターネットで検索するか、イベント会場で手にとってみましょう。
プロに撮影を依頼する
冊子の表紙においてイラストや写真は、文章よりも有効に読者へ情報を伝えるために使われるものです。
写真撮影にはさまざまなテクニックが求められるため、有効な1枚を撮影できないことがあります。
そのような場合、プロの写真家やイラストレーターに依頼をして外注してみてはいかがでしょうか。
プロは商品の見せ方や編集方法などを熟知しているため、さまざまなアドバイスや最高の1枚を撮影・提供してくれることでしょう。
このように、冊子の表紙を作成するためにはさまざまなポイントを抑える必要があります。
店頭やイベント会場では多くの冊子が置かれるため、手にとってもらえないことが多いものです。
そのなかでも、競合他社と差別化を図り、多くの読者に手に取ってもらうためには読者の印象に残りやすい表紙が求められます。
どのような冊子でも中身を読んでもらうことが目的のため、手に取ってもらえるようなデザインを作成しましょう。
おわりに
本記事では、多くの人に手に取ってもらえるようなパンフレットの表紙のデザイン方法をご紹介しました。
冊子の表紙は内容を簡潔に伝えるために、色のトーン・コンセプト・キャッチコピー・紙質・デザインにこだわりましょう。
そのためには情報の配置を決めたり、情報を詰め込みすぎたりしないといったポイントを抑える必要があります。
多くの読者に手に取ってもらい、自社や商品・サービスなどを深く理解してもらえるように表紙にこだわりましょう。
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