パンフレット印刷に利用できる補助金・助成金と申請方法について解説
2023.10.08パンフレット印刷パンフレットには会社概要や商品、サービスに関する情報が記載されており、イベントや来客に配布します。
目的はさまざまで、自社の認知拡大や新卒への案内、商品やサービスの導入などが挙げられます。
しかし、多くの方に配布するパンフレットを制作・出版するためには、多額の費用が必要となります。
実は、パンフレット印刷時に利用することができる補助金と助成金があることをご存知でしょうか。
本記事では、パンフレット印刷に利用できる補助金・助成金と申請方法について解説します。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が自社の経営を見直し、自身で持続的な経営を行う際の支援を目的とした補助金です。
主に販路開拓に必要な経費の一部を補助するもので、下記のように類型によって補助率が異なります。
類型 | 通常枠 | 賃金引き上げ枠 | 卒業枠 | 後継者支援枠 | 創業枠 |
説明 | 小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、商工会・商工
会議所の支援を受けながら行う販路開拓等の取り組みを支援 |
販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低
賃金より+30円以上である小規模事業者 |
販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業
員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者 |
販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園においてファイナリ
スト及び準ファイナリストに選ばれた小規模事業者 |
産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受
け、販路開拓に取り組み創業した小規模事業者 |
補助率 | 2/3 | 2/3
赤字事業者の場合は3/4 |
2/3 | 2/3 | 2/3 |
補助上限 | 50万円 | 200万円 | 200万円 | 200万円 | 200万円 |
インボイス制度 | 50万円 | 50万円 | 50万円 | 50万円 | 50万円 |
その他、小規模事業者持続化補助金は下記を導入する際にも利用することができます。
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費
- 旅費
- 開発費
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 設備処分費
- 委託・外注費
参考ページ:全国商工会連合会ホームページ「小規模事業者持続化補助金<一般型>ガイドブック」
(https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_guidebook_ver8.pdf)
申請方法
下記、小規模事業者持続化補助金の申請方法です。
- 経営計画書・補助事業計画書の作成
- 管轄の商工会議所へ事業支援計画書の交付を依頼
- 事務所へ申請書類を送付
- 審査及び採択・不採択の決定
- 採択・交付の決定
ものづくり補助金
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業の変革を補助することが目的の補助金です。
近年では働き方改革や被用者保険の運用拡大、賃上げ、インボイスといった経営を圧迫する要因が多くなりました。
当補助金は、上記の要因によって経営が圧迫された中小企業が持続して経営を行えるように補助するものです。
ただし、ものづくり補助金には応募期間が設けられているため、タイミングによっては申請できないことがあります。
補助の対象者
下記、業種別に見る補助金の対象者及び申請条件です。
業種 | 資本金 | 常駐従業員数 |
製造業、建設業、運輸業、旅行業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
上記以外の業種 | 3億円 | 300人 |
申請金額については、申請類型によって異なります。
類型 | エントリー類型 | スタンダード類型 | アドバンス類型 |
従業員数が5人以下 | 100万円~750万円 | 750万円~1,000万円 | 1,000万円~2,000万円 |
従業員数が6人~20人 | 100万円~1,000万円 | 1,000万円~1,500万円 | 1,500万円~3,000万円 |
従業員数が21人以上 | 100万円~1,250万円 | 1,250万円~2,000万円 | 2,000万円~4,000万円 |
申請方法
ものづくり補助金は、下記URLより電子申請システムを利用して申請します。
申請時には、「GビズID」の取得が必要となるため、事前に登録・取得をしておきましょう。
申請ページ:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
(https://www.r1mono-denshi.jp/login.aspx?ReturnUrl=%2f)
参考ページ:ものづくり補助事業公式ホームページ
(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を目的とした補助金です。
ソフトウェアやアプリ、サービスなど業務効率化やDXなどに向けたITツールの導入が対象となります。
パンフレットを作成する際、ほとんどの場合PhotoshopやIllustratorといったソフトを使用して作成します。
しかし、これらのツールは数十万円の費用が必要であり、パソコンも購入する際は100万円を超えることがあります。
そのような場合に利用できる補助金が、こちらのIT導入補助金です。
一方、IT導入補助金は下記のように類型枠や補助額が細かく分かれているため、申請時には注意しましょう。
枠名 | 通常枠 | セキュリティ対策推進枠 | デジタル化基盤導入枠 | |
類型名 | A類型、B類型 | – | デジタル化基盤導入枠 | 複数社連携IT導入類型 |
詳細 | 自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助する | サイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避する | 会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助 | 複数の中小・小規模事業者が連携してITツール及びハードウェアの導入を補助 |
補助額 | A類型:5万円~150万円未満 B類型:15万円~450万円未満 |
5万円~100万円 | ITツール:50万円~350万円 PCなど:~10万円 レジなど:~20万円 |
デジタル化基盤導入:デジタル化基盤導入枠と同様 |
補助率 | 1/2以内 | 1/2以内 | ITツール:3/4以内 PCなど:2/3以内 レジなど:1/2以内 |
上記以外 補助額上限:50万円×グループ構成員数 補助率:2/3 |
対象経費 | ソフトウェア購入費 クラウド利用料 最大2年分 |
サービス利用料 最大2年分 | ソフトウェア購入費 クラウド利用料 最大2年分 ハードウェア購入費 導入関連費 など |
ソフトウェア購入費 クラウド利用料 最大2年分 ハードウェア購入費 導入関連費 など |
申請方法
- 本事業への理解
- ITツールの選択(事前準備)
- 交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
- ITツールの発注・契約・納入
- 事業実績報告の作成
- 補助金交付手続き
- 事業実施効果報告
これらを経ることで、IT導入補助金を受け取ることができます。
参考ページ:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金2023」
補助金の目的
本来、補助金は国や自治体のさまざまな政策目標を達成にするため、企業や個人事業主の取り組みをサポートするものです。
金融機関が実施している融資とは異なり、原則として返済は不要ですが、その分条件が課せられています。
誰でも受け取ることができるわけではなく、厳正な審査を通過した事業主にのみ給付されます。
また、注意していただきたいのが、原則として補助金は後払いになる点です。
そのため、パンフレットを印刷する際でも、先に業者へ料金を支払ってから受け取ることになります。
しかし、先述の通りパンフレットを印刷しても、必ず補助金を受け取れるわけではありません。
おわりに
本記事では、パンフレット印刷の際に利用することができる補助金や助成金についてご説明しました。
補助金や助成金は、本来国や自治体のさまざまな目標を達成するために、企業や個人事業主の取り組みをサポートすることが目的です。
下記、パンフレット印刷で利用できる補助金や助成金の一例です。
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
ただし、申請しても必ず補助金や助成金を受け取れるわけではない点には注意しましょう。
パンフレットは販促や販路拡大のためのツールであることから、補助金や助成金などを受け取れる可能性があります。
販路拡大や収益増加のために、補助金や助成金の申請をしてみてはいかがでしょうか。
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