海外風のデザインを作成する際に押さえておきたいポイントについて解説
2023.09.30ネット印刷・デザイン他社のチラシやパンフレットといった印刷物と差別化するため、海外風のデザインを落とし込みたい方がいらっしゃるでしょう。
デザインには国ごとに特徴が見られるもので、日本も例外ではありません。
日本で見られるほとんどの印刷物は日本人がデザインしているため、同じように見えることがあるでしょう。
そのような場合、海外風のデザインを取り入れることでほかの印刷物よりも目を引くことができます。
本記事では、海外風のデザインを作成する際に押さえておきたいポイントについて解説します。
デザイン
海外のデザイナーが制作したデザインには、下記のような特徴があります。
人物の使い方
日本の印刷物にも、人物が大々的に使われているものを見かけられた方はいらっしゃると思います。
芸能人や俳優、政治家といった、知名度が高い人物を使うことで読者の目を引くのは手法のひとつです。
しかし、有名人を使用するとライセンスや依頼料などが発生するため、高額な費用が発生するため、コストがかさみます。
知名度が低いモデルを採用することで出費は抑えられますが、有名人ほど目を引くことはできません。
印刷物に人物を使用する際は、下記のポイントを押さえておきましょう。
タイトルや日付、説明文などはスッキリと整理する
デザインを制作する際に最も重要なポイントは、読者に何を伝えたいか・何を見てほしいかということです。
たとえば有名人を起用したとき、音楽関係者を採用することで読者は音楽に関する情報が記載されていると理解することができます。
しかし、写真だけでは具体的な内容を理解することができないため、タイトルや日付、説明文などを記載することがあります。
詳細な情報を記載する際、視認性の低下や読者の混乱を避けるために、スッキリと整理するように心がけておきましょう。
書いている情報が入り込みやすいデザインで製作することによって、多くの読者の記憶に残すことができます。
アクセントカラーを取り入れる
文字情報をあまり入れたくないけど、多くの人の印象に残したいと考えられているデザイナーは多いことでしょう。
人物を採用して強い印象を残すためには、特定の場所にアクセントカラーを取り入れてみてはいかがでしょうか。
レッドやイエロー、ネオンカラーといった目を引きやすい色を採用することで、読者の目を引きやすくなります。
しかし、多くの場所にアクセントカラーを使用すると、視認性の低下だけではなくアクセントが無くなってしまうものです。
そのため、モデルが着用しているアイテムやタイトルといった、一部にだけアクセントカラーを使うことで有効に作用するでしょう。
複数の人物写真を使う
デザインに人物を採用する際、ひとりだけではなく複数の人物写真を使用するのも読者の目を引く有効な方法です。
実際に、海外では別人物の写真や、同一人物の写真を複数枚使用したデザインのものは多く見受けられます。
同一人物の写真を使用する際は、別カットで撮影されたものを合成してひとつのビジュアルに編集します。
ひとりよりも複数名のほうが強いインパクトを残し、にぎやかなイメージを読者に持たせることができます。
レトロ風
近年ではPhotoshopやIllustratorといった、コンピュータやソフトの技術が向上したことにより、実現可能なデザインが多くなりました。
そのため、デザイナーのなかには驚くような迫力を持たせたデザインを制作する方が多くいらっしゃいます。
しかし、ここでローテクなレトロ風のデザインを採用することで、読者の視線を集めるといった方法があります。
これは日本国内だけではなく、海外でも採用されているテクニックであり、ときどき目にすることがあるでしょう。
数十枚のリアルなデザインのなかに、1枚だけレトロなデザインがあれば多くの方の目を引くことが考えられます。
レトロ風のデザインには、手書きっぽい・昔っぽい色使いが施されているといった特徴があります。
これからレトロ風のデザインを作成したい方は、過去に発売されている画集などを参考にしてみましょう。
色使い
色遣いについてもデザインと同様に、国や地域の特徴が多く見られる要素です。
たとえば、近年ブームになった北欧風のデザインには、明るく楽しい気持ちになるような色が多く採用されています。
北欧の冬は日本と比べて日照時間が短いことから、家にいる時間が多くなるものです。
そのため、暗い色を使用すると気持ちが落ち込んでしまうため、比較的明るい色が多く採用されるといった背景があります。
ベースカラーにはホワイトや淡いブルー・グレーといったものが採用され、メインカラーやアクセントカラーを引き立てます。
どの国にも共通しているのが、ベース・メイン・アクセントカラーの比率です。
下記、各カラーの最適な比率となります。
- ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=70:25:5
北欧風の場合、下記のような色使いのものが見受けられます。
- ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=グレー:ブラウン:ブルー
- ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=アイボリー:ブルー:オレンジ
北欧以外にも、国や地域ごとによってさまざまな色使いが施されているため、調べてみると良いでしょう。
構成
日本と海外の大きな違いとして、文章の並び方が挙げられます。
日本では縦書きや横書きで表現されている一方、海外ではほとんどが横書きで文章が記載されています。
縦書きと横書きによって視線も「F型」や「Z型」、「N型」に変わるため、見てほしい要素をどこに記載するかを検討しましょう。
たとえば、どのような印刷物でも左上から読み始める方が多いため、左上に最も重要な要素が記載されます。
タイトルや印刷物の内容、イラストなど、最も伝えたい情報は印刷物によってさまざまです。
海外の方に伝わるデザインのコツ
海外のデザインを採用するデザイナーのなかには、海外の方を対象とした印刷物を作成する方がいらっしゃることでしょう。
近年ではグローバル化や訪日客の増加によって、海外の方を対象にした印刷物を発行する機会は多くなりました。
海外の方を対象としたデザインを作成する際は、下記のポイントに注意しましょう。
興味を引くポイントが違う
先述の通り、海外のデザインには人物の使い方や色使いといった、さまざまな特徴があります。
しかし、文章やイラストなど、国によって興味を引くポイントが異なるため、同一のチラシを翻訳するだけでは効果が薄いものです。
そのため、海外の方を対象としたデザインを制作する際は、ターゲットの背景を調査してから臨むようにしましょう。
思い切って消す勇気を持つ
日本では十分に理解してもらえる要素でも、海外の方には不評なデザインは存在します。
たとえば、日本人にしか理解できない言葉や内容が含まれている場合、海外の読者に理解してもらうのは難しいでしょう。
そのため、海外の方に伝わりにくい情報は思い切って消してしまい、ほかの要素を目立たせるようにすることも重要です。
おわりに
本記事では、海外風のデザインを作成する際に押さえておくべきポイントをご紹介しました。
海外のデザインを作成する際、日本のデザインと比べてデザインや人の使い方、色使い、構成などが異なります。
また、海外の方に伝わるデザインを作成する際は興味を引くポイントが違う・思い切って消す勇気を持つようにしましょう。
海外風のデザインを制作する際は、事前に入念な下調べを行っておくことが重要です。
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