シールやラベルについて|特徴やネット印刷業者へ依頼する時の注意点
2023.03.05ネット印刷・デザインイベント会場では、パンフレットやチラシといった冊子だけではなく、ワンポイントが記載されたシールやラベルなどを配布することがあります。
どこにでも貼り付けることができ、比較的小さなサイズで印刷されるシールやラベルは使用頻度が高い販促ツールのひとつです。
本記事では、シールやラベルの特徴やネット印刷業者へ依頼する時の注意点を解説します。
シールやラベルの構造
シールやラベルの裏面には糊が付けられている面や、台紙などが設けられています。
下記にて、シールやラベルの構造をご紹介します。
表面
表面とはデザインが印刷された面を指します。
シールやラベルの表面には印刷部分を保護するコーティングや、ツヤ出し・ツヤ消しといった加工を施すことで、強度を高めたり見た目を変えたりすることができます。
表面加工によって追加料金が必要となるため、シールの印刷を依頼する際はデザインから考えるようにしましょう。
下記、表面に使われる用紙の一覧です。
白色シール紙
白色シール紙は紙素材よりも丈夫な素材である白色のPET(ポリエチレンテレフタレート)を使用したシール紙です。
上質シール紙
コピー紙のような風合いを持つ、ツヤのない紙素材のシール紙です。
半透明シール紙
薄い乳白色を持つ、PET素材の半透明なシール紙です。
訂正上質紙
オフィスでのコピー時に使用する上質紙のような質感を持つ、ツヤのないシール紙です。
下地が透けるのを防ぐために、糊が塗られている部分がグレーに着色されています。
一般的には上質紙の訂正に使われる傾向にあります。
訂正アート紙
表面に光沢感があるコーティングが施されたシール紙です。
こちらも先述した上質紙と同様に、糊の部分にグレーの着色が施されています。
訂正ミラーコート紙
訂正ミラーコート紙は鏡面光沢が施された紙で、印字面以外の部分に強い光沢がある点が特徴です。
印字部分はツヤがないように加工されているものが多い傾向にあります。
粘着
粘着とは、シールを貼り付けるための糊や接着剤が付けられた面を指します。
下記、粘着に使われる種類の一例です。
一般粘着剤
一般粘着剤は平面に貼り付ける際、強い粘着力を発揮します。
紙素材やツルツルとした表面を持つものに使われる傾向にあります。
強粘着剤
強粘着剤は一度貼り付けるとはがしにくく、表面が粗いものに対しても問題なく貼り付けることができる性質を持ちます。
冷凍粘着剤
一般的な粘着は冷えると粘着能力が下がる傾向にありますが、冷凍に耐性があるこちらの粘着剤はさまざまな温度でも粘着強度が変わらない性質を持ちます。
再剥離剤
適度な粘着力を持っているため、何度も貼ったりはがしたりすることができます。
しかし、粘着力は弱い傾向にあるため、平面以外の貼り付けには向いていないといった点には注意が必要です。
台紙
台紙は粘着面に貼り付けられている剥離紙を指すもので、シールやラベルの種類によって台紙の種類も異なります。
シールやラベル、ステッカーの違い
こちらでは、シールやラベル、ステッカーの違いをご紹介します。
シール
シールは一般的に室内で使用するものに貼り付けられる傾向にある印刷物で、ノベルティやグッズなどにも用いられます。
室内で使用するため、耐水性にこだわる必要がないことから、さまざまな素材で作ることができます。
ラベル
ラベルは商品情報や注意事項、素材といった、ビジネスやオフィスで使われる印刷物です。
貼り付ける先のものがどのようなものなのかを明記することが目的で、貼りっぱなしなのか、はがすことがあるのかといった目的によって、使用する粘着剤を検討する必要があります。
ステッカー
ステッカーは雑貨やおもちゃ、窓に貼り付けるといった目的で使われる印刷物で、屋内だけではなく屋外にも貼り付けられることがあります。
そのため、ステッカーには一定の耐久性が求められることから、作成する際はどこに貼ってほしいのかを検討しておきましょう。
シールやラベルの目的や印字される情報
シールやラベルには、下記のような目的や印字される情報が記載されます。
ロゴ・訂正シール
企業や商品を表すロゴや、不備がある箇所を訂正することを目的としたものが含まれます。
ロゴの場合はサイズや使用する色など、シールを見た人が一目で何なのかが分かるようにデザインする必要があります。
訂正シールの場合、修正する必要がある情報と同じフォントや文字色、サイズなどを合わせておくことで、自然に見せることができます。
シートシール
シートシールはさまざまなデザインを1枚のシートに仕上げる印刷物です。
そのため、商品やノベルティなど、さまざまな用途で使われています。
作成する際はデザインだけではなく、配置や数などを考慮する必要があります。
貼り付けることができるデザインが少ないとお客様や受け取った方は物足りなく感じてしまい、多すぎるとデザイン自体が小さくなるため、使用者は貼ったりはがしたりがしづらくなります。
シールやラベルのデータ作成方法と注意点
シールやラベルのデータを作成する際は、下記の手順で行います。
デザインを作成する
シールを作成する際、どのようなものを届けるのかといったデザインを作成します。
デザインを作成する際、シールをはがす位置を示す「カットパス」を設ける必要があります。
カットパスから2mm程度余分に印刷することで、塗っていない部分を無くし、デザインをそのまま使うことができるようになります。
Illustratorで作成する場合、制作したレイヤーとカットパスレイヤーを別で用意し、制作レイヤーの上にカットパスレイヤーを重ねるように作成しましょう。
一般的な印刷業者では、カットパスのサイズがご注文サイズとなります。
用紙や貼り付けるものを検討する
シールやラベルには、さまざまな素材や粘着物が使われています。
「どのように粘着物を選べば良いかが分からない」という方は、貼り付けてほしい場所をイメージすると良いでしょう。
たとえば、ロゴがデザインされたシールはパソコンやクリアファイルといった、平面に貼り付けられる可能性が考えられるため、半透明シール紙や強粘着剤が採用される傾向にあります。
納品形態を選ぶ
納品形式には、下記のように「シート仕上げ」や「ロール仕上げ」「バラ台紙仕上げ」といったものがあります。
シート仕上げ
1枚のシートに複数のシートやステッカーを印刷する形式です。
同じものを複数枚使用する場合や、さまざまなデザインが施されたシールやラベルを印刷する際に使われる傾向にあります。
また、大きなステッカー1枚を印刷する際にも使われます。
ロール仕上げ
片面が長いロール紙にシールやラベルを印刷する手法です。
同一デザインのシールをロール状に巻いていることから、店舗の袋に貼り付けたり、封筒に貼り付けたりといった目的で使われる傾向にあります。
バラ台紙仕上げ
バラ台紙仕上げは、シールやラベルの形状に切り分けた状態で納品されるものを指します。
これらを印刷業者に伝え、ご自身が希望する形式のシールやラベルを作成してもらいましょう。
納品後、チェックを行う
印刷業者から納品されたシールやラベルは、デザインに間違いがないか、粘着力は最適なのかといった点を確認しておきましょう。
おわりに
本記事では、シールやラベルの印刷について解説しました。
シールは表面や粘着面、台紙などで構成される印刷物で、ロゴや訂正などの際に使われます。
デザインを作成する際、カットパスを設けておくことで、余白がない美しいシールやラベルを作成することができます。
シールやラベルを作成する際、どこに貼ってほしいかを検討して最適なデザインで作成しましょう。
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