表面に凸凹を付けて、見ても触っても楽しいパンフレットを作成しよう
2023.03.05パンフレット印刷一般的なパンフレットは平面で、さまざまなデザインや色が使われています。
しかし、ほとんどのパンフレットは平面であることから、立体感や臨場感といったことを感じにくい方もいらっしゃいます。
そのような場合、パンフレットに凸凹を付けてみてはいかがでしょうか。
本記事では、パンフレットに凸凹を付ける方法やメリット、注意点などについて解説します。
紙に凸凹を付けるメリット
下記にて、紙に凸凹を付けるメリットを紹介します。
立体的な柄を表現することができる
凸凹の加工を施すことで、立体的な柄を表現することができます。
一般的な印刷でも柄を表現することはできますが、デザインによっては立体感を出すことができないことがあります。
そのような場合でも、凸凹加工を施すことで、見るだけではなく触ることでも凸凹を感じることができるため、パンフレットを手に取った人に企業や商品、サービスを覚えてもらえる可能性が高くなります。
デザインの幅が広くなる
平面のパンフレットでは、十分に情報やデザインを伝えられないことがあります。
凸凹加工を施すことで、平面では実現できなかったデザインを表現することができるようになるため、デザインの幅を広めることができます。
凸凹加工は印刷業者に依頼することで、さまざまな形状で製版することができるため、自社独自のデザインを施せます。
そのため、独自性が高いパンフレットを制作する際に凸凹加工が施されることがあります。
少ない紙の量でも加工することができる
凸凹加工は製造ロットなどがないため、希望する部数のみに施すことができます。
しかし、加工する部数が少なすぎると割高になってしまうため、可能な限り多くのパンフレットに加工することをおすすめします。
パンフレットに関しては多くの人に見てもらうことが目的であるため、凸凹加工を施すための1部あたりのコストは抑えられるでしょう。
紙に凸凹を付ける際の注意点
下記、紙に凸凹を付ける際の注意点を記載いたします。
紙の厚さ
後述するエンボス加工やデボス加工は、プレス機を使って凸凹を付けるため、薄めの紙を使用した場合は破れてしまう可能性があります。
また、厚い紙に加工を施した際、あまり凸凹が目立たないことがあります。
そのため、凸凹加工を施す前に、印刷業者に加工が可能なのか、仕上がりはどうなるのかを確認しておきましょう。
強い圧力によって凸凹が無くなる
スジ入れやエンボス、デボス加工は圧力をかけることによって紙に凸凹を施す加工方法です。
そのため、凸凹の上から強い圧力がかかることによって、加工された場所が平たくなってしまう点には注意が必要です。
どうしても凸凹を無くしたくないという方は、疑似エンボスや箔押し加工を施しましょう。
パンフレットの表面に凸凹を付ける加工方法
パンフレットの表面に凸凹を付けるには、下記のようにさまざまな方法があります。
スジ入れ加工
スジ入れ加工は折りスジを付ける加工方法で、往復はがきや二つ折りのスタンプカードなどに使われます。
紙自体を折らず、折りやすいように適度なへこみを付ける加工で、一般的にはオプションとして使われます。
紙が厚い印刷物は折り目を付けるとひび割れのような見た目になる「背割れ」が発生します。
見た目を維持して、背割れや機能面の低下を防ぐために厚い紙にはスジ入れ加工が施されます。
エンボス加工
エンボス加工は紙をプレスして凸凹を表現する加工方法で、型押しされた部分は盛り上がって見えます。
スタンプやロゴなど、ワンポイントのデザインが施されていることが多く、印刷用紙に高級感を持たせることができます。
一般的には樹脂板や金属板で凸型と凹型が用意されたあと、それぞれの型の間に紙を通してプレスすることでエンボス加工が施されます。
疑似エンボスとは?
疑似エンボス加工とは、紙をプレスすることなく凸凹を表現する方法です。
たとえば、ザラッとした質感のなかにツルっとした質感のものを一部入れることで、凸凹を表現することができます。
疑似エンボスが施される過程は、下記のようになります。
- 通常通り、印刷を行う
- ツヤを無くすニスを塗る
- ツヤを出すニスを塗る
この場合、ツヤが出ている部分が凸部分になります。
デボス加工
デボス加工は、型押し部分をへこませる加工方法です。
エンボス加工と同様に、デボス加工も凸型と凹型で型押しされることでかたどられます。
箔押し加工
箔押し加工は、凸の金属板を使い、熱と圧をかけて紙に箔押しを行う加工方法です。
箔押しされた箇所はへこんでいるだけではなく、箔が押されていることから華やかさや高級感を演出することができます。
箔押し加工が施されている印刷物にはホテルや結婚式などの案内状や、高級ブランドの説明書などが挙げられます。
パンフレット以外に凸凹加工が施される印刷物
下記、パンフレット以外に凸凹加工が施される印刷物をご紹介します。
名刺
名刺はビジネスにおいて、あいさつの際に渡される紙です。
企業によって名刺の形状やデザインはさまざまで、受け取った相手に覚えてもらうようにさまざまな工夫が凝らされています。
長方形ではない形状に名刺を加工した場合、名刺ケースなどに収まらないことがあるため注意が必要です。
そのような場合でも、長方形の名刺に凸凹加工を施すことで、受け取った際に視覚だけではなく触覚にも訴えかけることができるため、受け取った人の記憶に残りやすいといった特徴があります。
名刺に使われる凸凹加工にはエンボスや疑似エンボス、デボス、箔押し加工などさまざまです。
案内状
結婚式やパーティなどの案内状は、シンプルでも印象に残りやすいものが多いものです。
特に、ホテルなどで行われる結婚式では、品位などを求める方も多い傾向にあります。
そのような場合、箔押し加工を施してみてはいかがでしょうか。
箔押し加工は先述の通り、型押しする際にインクを圧着することで凸凹を表現することができる加工方法です。
通常の色だけではなく、ゴールドやシルバーといった美しい光沢を持った色を箔押しすることができるため、取り入れられる方も多いようです。
シール
シールにも凸凹加工を施すことがあります。
一般的にはエンボス加工が施されるため、「エンボスシール」と呼ばれます。
文字や模様を浮き出させ、しっかりと見せたかったりアピールしたかったりといった場合にエンボスシールが使われます。
エンボスシールを使用することで、「こんなところにまでこだわっているのか」といった印象を相手に与えることができます。
この印象は付加価値となり、リピーターやファンにつながる可能性があります。
また、デザインが良いエンボスシールはほかの場所に貼り付けて再利用されることもあるため、デザインにはこだわりましょう。
下記、エンボスシールが使われるシーンの一例です。
- ロゴ
- ショッピング時に袋に貼り付けるシール
- ラッピングシール
- 封筒
おわりに
本記事では、パンフレットの表面に凸凹を付けることについて解説しました。
パンフレットに凸凹を付けることで、立体的な柄を表現できる、デザイン性が高くなる、少ない紙の量でも加工することができるといったメリットがあります。
下記、パンフレットに取り入れられる凸凹加工です。
- スジ入れ加工
- エンボス加工
- 疑似エンボス加工
- デボス加工
- 箔押し加工
パンフレット以外にも名刺や案内状といった印刷物に凸凹加工は取り入れられています。
他と差を付けた印刷物を作りたいと思っている方は、凸凹を付けてみてはいかがでしょうか。
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