冊子印刷の製本の際に耳にする「ノド」とはどの部分?
2021.12.02冊子印刷ビジネスやプライベートシーンでよく目にする書類や書籍。
それらを目にする際、冊子の中央部分がしっかりと開かず内容が見えなかったり、見にくかったりといった経験はないでしょうか?
本記事では、冊子印刷の製本の際に耳にする「ノド」についてご説明します。
「ノド」とは?
ノドとは、冊子を開いた時に中側にあたる、綴じ部分を指します。
小説や資料などは、ノドの部分まで文字が入っていると読みにくくなります。
そのため、ノドにあたる部分には余白を適切に設定する必要があるのです。
この余白を「ノドアキ」と呼びます。
ノドアキは製本方法やページ数、使用する紙の厚みを考慮し、読者に伝えやすいように考える必要があります。
ノド以外の名称
こちらでは、ノド以外の冊子の名称についてご説明します。
小口
冊子を開いた時の、外側の部分を指します。
小口には10mm以上は余白を持たせると良いです。
というのも、小口までびっしりと文字が記載された冊子は、読者が読むときに指がかかってしまうため読みにくくなります。
そのため、小口には10mm以上の余白を持たせましょう。
天
冊子の上側を指します。
天には5mm程度の余白を持たせる方が良いとされています。
この余白がないと、製本時に文字や写真、イラストなどが切れてしまいかねません。
そのため、天には5mm程度の余白を持たせましょう。
地
冊子の下側を指します。
地にも天と同様、製本時に文字や写真、イラストなど切れてしまいかねないため、5mm程度の余白を持たせましょう。
冊子の種類
こちらでは、冊子の種類や特徴についてご説明します。
中綴じ製本
冊子の中央を針金で綴じる製本方法です。
推奨ページ数は紙の厚さにもよりますが20ページ程度の、比較的ページ数が少ない冊子です。
少ないページ数の冊子では、ノド部分まで開ききることができるので、ノド部分にも文字や写真、イラストなど情報を記載しても問題ありません。
中綴じ製本には、写真やイラストなど紙面いっぱいに表示させるものがおすすめです。
無線綴じ製本
冊子の背を糊で固める製本方法です。
推奨ページ数は紙の厚さにもよりますが50ページ以上の、分厚い冊子です
ページ数が多くなり、冊子の背を糊で固めるためノド部分の情報が視認しにくくなります。
そのため、ノド部分は10mm程度の余白を持たせた方が良いとされています。
論文や小説など、文字情報が多い冊子におすすめの印刷方法です。
上製本
ハードカバー(硬い表紙)を使用した、高級感のある製本方法です。
推奨ページ数は無線綴じ製本同様、50ページ以上です。
ハードカバーの背に糊を塗り、各ページを固定する製法であるため、無線綴じ製本同様に中央の文字が視認しにくくなります。
そのため、ノド部分は10mm程度の余白を持たせるようにしましょう。
こちらも論文や小説など、文字情報が多い冊子に適しています。
右綴じ
右から左にページが進む、小説や漫画など縦書きの書籍に使われる綴じ方です。
左綴じ
左から右にページが進む、説明書やカタログなどに使われる綴じ方です。
おわりに
本記事では、冊子印刷の製本の際に耳にする「ノド」についてご説明しました。
ノドとは、冊子を開いた時に中側にあたる、綴じ部分を指します。
その他の箇所は小口、天、地などがあり、それぞれ読者に情報を伝えるため余白部分を考慮する必要があります。
製本方法のひとつである中綴じ製本は大きくページを開くためノドの余白を考慮する必要はありません。
一方、無線綴じ製本、上製本はページ数が多い冊子に使用される傾向があるため、ノドには10mm程度の余白を持たせることがあります。
これから冊子を印刷・発行を考えられている方は、冊子のレイアウトにも気を付けるようにしましょう。
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