中綴じ冊子印刷とは?無線綴じとの違いや製本方法、用途をご紹介
2021.10.16冊子印刷「中綴じ冊子」という言葉を耳にされたことがありますでしょうか?
パンフレットやカタログを作る際には、この製本方法がよく使われています。
今回はこの中綴じ冊子印刷について、その製本方法や用途、メリットも併せてご紹介していきます。
そもそも「中綴じ」とは?
中綴じは最も一般的な製本方法の一つになります。
印刷した用紙を2枚重ねて2つ折りにし、折り目が付いた中心部分を針金・糸などを使って綴じる方法となっています。
「針金綴じ」ではその名の通り、針金を本や冊子の外側・内側に打ち込んでいきます。
比較的ページ数が少なめの冊子・カタログ・週刊誌などに用いられている製本方法です・
一方、「ミシン綴じ」と呼ばれる糸を使った綴じ方は、絵本やノートなどに用いられることが多いです。
中綴じ冊子印刷のメリットは?
中綴じ冊子印刷のメリットを見ていきましょう。
両開きページが奥まで開ける
中綴じ冊子印刷の場合は冊子の中心部分で綴じられているため、両開きページの奥まで開くことができます。
また開いたままの状態にしておくことも可能であるため、商談に用いる印刷物やカタログにはおすすめの綴じ方だと言えるでしょう。
比較的安いためコストパフォーマンスも良い
中綴じ冊子印刷は用紙を重ねて綴じるというシンプルなものであるため、ほかの製本方法に比べて工数が少なくて済むのです。
工数が少ないということから、コストもあまりかかりません。
カタログ・会社概要・パンフレットなど、何年かに一度はリニューアルしなければならない印刷物の場合、中綴じ冊子印刷はとくにおすすめです。
自由にデザインしやすい
本を目いっぱい奥まで広げて見ることができる中綴じ冊子印刷。
この特徴を活かせば、より誌面を有効的に使うことができるため、デザインの自由度が上がります。
画像を両面誌面全体に大きく載せてインパクトを狙ったり、左右のページで異なるデザインを取り入れたりと、読者の目をひく工夫をたくさん取り入れることができるでしょう。
中綴じ冊子の注意点
中綴じ冊子を製本する際には、下記の注意点をおさえておきましょう。
ページ数が多すぎると製本ができない
中綴じ冊子は針金や糸などを使って止めるため、それらが届かないようなページ数になると、止めることができなくなるため製本ができません。
そのため、一般的には64ページ以内でデザインされます。
ページ数が多いと小口がずれやすい
中綴じ冊子は紙を重ねて二つ折りにし、折り目の部分を針金や紙で止めて製本します。
そのため、冊子の外側である小口にズレが発生してしまい、ページ数が多くなるほどズレが大きくなります。
4ページ単位で製本する必要がある
先述の通り、中綴じ冊子は紙を重ねて二つ折りにして製本します。
左右半分ずつ、表裏で4ページとなるため、中綴じ冊子は4ページ単位で製本する必要があります。
中綴じ冊子印刷の用途
中綴じ冊子印刷は、パンフレットや商品カタログ、会社案内など、さまざまなビジネスシーンに活用されている製本方法になります。
そのほか論文や小冊子、レポートの印刷といったような、ページ数が比較的少なめの冊子にもこの中綴じ冊子印刷の手法が取り入れられています。
【いろぷり】中綴じの製本方法は?
ネット印刷会社「いろぷり」での中綴じの製本方法について、2種類ご紹介していきます。
オンデマンド印刷の中綴じ
簡易的な社内用マニュアル・会社資料などの、薄い冊子を少ない部数で作りたいという場合には、オンデマンド印刷の中綴じ冊子がおすすめです。
オンデマンド印刷で印刷した用紙を2つ重ねて真ん中で折り、折り目に沿って針金で綴じる「針金綴じ」の製本方法になります。
パンフレット・カタログ・会社案内など薄めの冊子を作る際におすすめです。
観音表紙の中綴じ
用紙の横幅を多くとり、折り込んでいくことで観音表紙の中綴じを作ることができます。
表紙の部分が観音折りになっているため、インパクトが大きいです。
まわりと差をつけることができるでしょう。
「無線綴じ」とは?
中綴じと同様に、製本の際に使われる綴じ方には「無線綴じ」と呼ばれる方法があります。
無線綴じは針金や糸を使わず、糊や接着剤で綴じる方法で、文章や内容が書かれた紙を包むように、別に仕立てられた表紙を取り付ける製本方法です。
糊や接着剤を使うため、製本するには20~168ページ程度のページ数が必要で、雑誌や絵本、セミナー資料、論文など幅広い書籍に用いられます。
無線綴じで作られる本には、厚い紙でできた表紙を使用したハードカバー(上製本)と、中身に使われている紙と同じものを使用するソフトカバー(並製本)があります。
詳しくは、下記のページをご参考ください。
参考ページ:無線綴じ冊子
無線綴じのメリット
こちらでは、無線綴じのメリットをご紹介します。
ページ数が多くても製本が可能
無線綴じはページの背に糊や接着剤を使用して製本する方法であるため、100ページ以上でも綴じることができます。
本棚に並べても見つけやすい
ソフトカバーやハードカバーなど、本文を包む表紙が使われている無線綴じの冊子は、背表紙にタイトルや作者などの情報が記載されているため、本棚に並べても見つけやすくなります。
定期的に発行するものや、上巻・下巻のように複数の部数に分かれているものなどを管理しやすくなるだけではなく、遊び心がある背表紙の冊子だとつい手に取りたくなります。
中綴じの冊子よりも高級感がある
無線綴じには表紙やカバーが取り付けられているため、中綴じよりも高級感がある仕上がりとなります。
また、中綴じ製本よりも強度が強いため、本の形で長く残したい場合は無線綴じで製本することをおすすめします。
無線綴じ冊子の注意点
無線綴じ冊子で製本する際には、下記の注意点をおさえておきましょう。
ページ数が少ない冊子には対応していない
無線綴じ冊子は紙の一部に糊や接着剤を塗り、表紙と接着させて製本する方法です。
20ページ未満だと糊や接着剤を着けることができないため、一般的には20ページ以上の冊子を製本する際に用いられる方法です。
ノドが開きにくい、デザインやレイアウトに注意する
背の部分を糊や接着剤で止めているため、無線綴じ冊子は中綴じ冊子よりもノドが開くことができません。
そのため、見開きページなどノドの部分まで印刷をしている場合、その部分が視認しにくくなります。
中綴じ冊子よりもコストがかかる
無線綴じ冊子は中身の紙だけではなく、接着する表紙も必要となるため、中綴じ冊子よりもコストがかかってしまう場合があります。
無線綴じ冊子印刷の用途
無線綴じで製本する冊子には、ページ数が多くなる写真集やカタログ、小説、文庫本などが含まれます。
これらは無線綴じ製本の特徴である、高級感がある表紙や背表紙にデザインを入れるといったことが可能なため、書店や自宅の本棚に並べても目立たせることができます。
【いろぷり】無線綴じの製本方法
中綴じ冊子
ページ数が多く、しっかりとした作りで豪華な冊子を作成したい場合におすすめの製本方法です。
雑誌や絵本、セミナー資料や論文など、さまざまな用途に使われています。
使用する紙のサイズはA4からA5、B5からB6が一般的です。
印刷方式はオフセット印刷で、製本する冊数が多くなるほど1冊当たりの単価がおさえられます。
参考ページ:無線綴じ冊子
無線綴じ冊子 / オンデマンド印刷(小部数・短納期向け)
カタログやパンフレットなど、ページ数が多い冊子を印刷する製本方法です。
オンデマンド印刷は部数が少ない場合、先述の中綴じ冊子よりも1冊当たりの単価を抑えられ、最小5部から製本することができます。
対象となる用紙のサイズはA4、A5、B5などです。
参考ページ:無線綴じ冊子 / オンデマンド印刷(小部数・短納期向け)
中綴じと無線綴じの違いまとめ
ポイント | 中綴じ | 無線綴じ |
強度 | 無線綴じより弱い | 強い |
レイアウト | 綴じられるページ数に制限がある | 中綴じより多くのページを製本できる |
価格 | 部数が多くなるほど価格が抑えられる | 部数が増えても中綴じほど価格を抑えられない |
ページ数 | 制限あり | 特に制限なし |
ページの開閉 | ページを開ききることができる | ノドが完全に開かない |
製本する冊子 | 会社・学校案内
パンフレット など |
写真集
カタログ など |
おわりに
今回は中綴じ冊子印刷について、その製本方法や用途、メリットも併せてご紹介しました。
中綴じは、印刷した用紙を2枚重ねたうえで2つに折り、折り目が付けられた部分を針金・糸で綴じるという方法を意味しています。
冊子の中心部分で綴じられていることから、両開きページを大きく開けることができるのが特徴です。
また、中綴じ冊子と同様に、写真集やパンフレットなどの製本に使われる無線綴じは、中綴じよりも強度が高い、高級感がある、ページ数が多くても印刷が可能であるといった特徴があります。
それぞれの製本方法によってメリット、デメリットがあるため、製本したい冊子によって中綴じ、無線綴じを選び、自分が思った通りの冊子を作りましょう。
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