ネット印刷でよく使われる「DTP」って何?
2021.12.27ネット印刷・デザイン印刷業者はお客様から受注した書籍やチラシを発行するために「DTP」というツールを使用してデザインやイラストを制作します。
依頼からお客様とのデザインのすり合わせまで、いつDTPを使い、どのような流れで出版まで進行するのでしょうか。
本記事では、ネット印刷でよく使われる「DTP」についてご説明します。
「DTP」とは?
「DTP」とは「DeskTop Publishing(デスクトップ パブリッシング、机上出版)」という言葉の略で、レイアウトから印刷物の制作まですべての作業をパソコンで行うことを指します。
DTPはパソコンが普及しだした1980年代に考案されました。
1980年以前はデザイナーが紙面にイメージを起こすため、原稿や写真を入れた「版下」と呼ばれる原稿を作成し、お客様とデザインのすり合わせを行っていました。
初稿案が固まったら、版下をもとに版を起こし、紙面に出力します。
打ち合わせから印刷まで、何度もお客様と顔を合わせて打ち合わせをしなければならず、またデザインが固まるまで版下を何度も作り直さなければならないので、制作までに多くの時間と費用が掛かってしまうことが課題でした。
DTPが使われるようになってからはパソコンで画像やイメージを制作、メールでお客様とすり合わせ、印刷機とパソコンをつないで印刷を行うことができるようになったため、大幅な時間と工数を削減することができました。
現在、DTPはほとんどの印刷会社で導入されている、必須項目となっています。
主なDTPソフト
こちらでは、主に使用されるDTPソフトをご紹介します。
Adobe Photoshop(アドビ・フォトショップ)
Adobe Photoshopとは、Adobe社の画像編集ソフトです。
使用できる機能は主に画像の合成や明るさの変更、切り抜き、サイズ変更、色調補正などさまざまな画像編集を行うことが挙げられます。
また元ある画像だけでなく、新たに画像を作成することができます。
Adobe Illustrator(アドビ・イラストレーター)
Adobe Illustratorとは、Adobe社のベクターイメージ編集ソフトです。
ベクターイメージとは、写真や画像とは異なる、点や線で構成される画像の形式です。
ベクターイメージを使用するメリットは拡大・縮小をしても画像が劣化せず、輪郭がはっきりしている点です。
使用できる機能は主に画像や図形、テキストの配置やそれらの変更、編集が挙げられます。
Adobe Acrobat(アドビ・アクロバット)
Adobe Acrobatとは、Adobe社のファイル検索、表示、印刷をするためのソフトです。
紙面のデザインやレイアウトを行うDTPデザイナーや、全体の作業を取り仕切るDTPディレクターは複数のお客様、および印刷物を所有しています。
そのため、Adobe Acrobatは印刷物をすぐに探し出して編集や印刷を行うために使用します。
Adobe Indesign(アドビ・インデザイン)
Adobe Indesignとは、Adobe社のDTPアプリケーションです。
パンフレットや書籍、雑誌などの複数ページにまたがる印刷物を作成する際に使用されます。
使用する機能は文字送りや行間、字間の調整や複数ページにまたがる長文の編集、マスターページの作成などが挙げられます。
QuarkXPress(クォークエクスプレス)
QuarkXPressとは、Quark社のDTPソフトウェアです。
精密な動作性やプラグインなどの拡張機能が多く、さまざまなプラットフォームで使用することができます。
使用する機能はテキストや図形の配置換えなどの編集作業から印刷まで、印刷に関連するほとんどの作業が挙げられます。
おわりに
本記事では、ネット印刷でよく使われる「DTP」についてご説明しました。
DTPとはデザインから印刷まで、パソコンで一貫して行われる作業です。
DTPを行うためのDTPツールで、Adobe社の物ではフォトショップ、イラストレーター、アクロバット、インデザインなどがあり、Quark社の物ではQuarkXPressなどがあります。
DTPツールを導入する際は、導入コストだけでなく使いやすさ、拡張機能などを考慮しましょう。
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