読者に伝わりやすくするために押さえるべきデザインの4大原則とは?

2024.01.31ネット印刷・デザイン

読者に伝わりやすくするデザイン

印刷物によって目的はさまざまですが、「誰かに何かを伝えたい」という目的は一貫しているものです。

書籍であれば内容を理解してほしい、ポスターやチラシであれば多くの人に商品・サービスを知ってほしいなどが挙げられます。

読者に情報を伝える際には記載する内容だけではなく、デザインにもこだわらなければなりません。

本記事では、読者に伝わりやすくするために押さえるべきデザインの4大原則についてご説明します。

 

デザインの4大原則とは?

デザインの4大原則とは

デザインの4大原則は、下記の「近接」「整列」「反復」「対比」で構成されます。

 

近接

デザインにおける近接とは、関連する要素をグループ化し、整理することで情報に関連性を持たせることを指します。

読者が理解しにくい原因として、記載されている情報が四方八方に散らばっていることが挙げられます。

たとえば、チラシの左上に商品画像があっても、右下に商品説明があった場合、視線を動かす距離が長くなります。

その結果、読者は情報を理解することをあきらめてしまい、購入に至らない可能性が高くなるのです。

デザインの近接効果を利用して関連する情報を近づけることにより、視認性の向上と情報理解の促進を行うことができます。

多くの印刷物では、下記の要素を近接させてデザインを作成している傾向にあります。

  • 商品画像
  • 商品名
  • キャッチコピー

また、デザインにメリハリをつけるために、関連する要素としない要素の間に一定の空白を持たせることが挙げられます。

冊子の場合は関連情報を1ページにまとめて、違う情報を別のページにまとめることも近接のデザインを採用しているといえます。

 

整列

デザインに明るくない一般の方がプレゼン資料を作成していると、文章や段落が統一されていないものを見かけることがあります。

上下左右など、配置が統一されていない冊子は醜く感じてしまうことでしょう。

デザインにおける統一とは、関連要素をルールに則って配置することで、視認性を上げることを指します。

ここでいうルールとは下記のようなものであり、デザイナーや企業が決めていることがあります。

  • 文章は左端にそろえる
  • 画像下のタイトルとキャッチコピーは中央そろえ
  • 要素同士の間を〇mm空ける など

整列に限らず、デザインには視認性を向上させるためにさまざまなルールを設けておくことをおすすめします。

自分で考えたルールの評判が良くない場合、ほかのデザイナーや他社の冊子などを参考にすると良いでしょう。

デザイナーは新たなインスピレーションを得るために、日常生活にあるさまざまなものに興味を持つものです。

これらを見て感性を磨いていくことによって、視認性が高い独自のルールやデザインを作成することができるでしょう。

 

反復

反復

先述した整列と同様に、同じルールを繰り返して使用することで視認性を向上させるデザインがあります。

このルールを反復と呼び、多くの印刷物に用いられています。

下記、反復ルールに則ったデザインの一例です。

  • アイコンを統一する
  • 箇条書きの項目を同じ数に統一する
  • 色やフォントを同じにする

しかし、冊子を製本する際に反復デザインばかりを取り入れていると、平凡な印象になってしまいます。

そのような場合、あえて反復しないデザインを採用することで、その要所を強調することができます。

このように、印刷物をデザインする際にはメリハリや緩急も重要となります。

一貫性を持たせたスタイルやルールを「トーン&マナー」と呼ぶことがあり、印刷物だけではなくWebサイトにも採用されます。

どちらもユーザーに見てもらうことが目的であることから、関連するデザインのコツは多くあるものです。

 

対比

暖色系が使われているデザインと、暖色系のなかに青や緑といったデザインを見た場合、どちらのどこに視線が移るでしょうか。

多くの方は、暖色系のなかに含まれる青や緑に視線が移ることが考えられます。

このように、一定ルールのなかに強弱や別の要素を加えることで視覚的に優先度をつけることを強調と呼びます。

それ以外にも、下記の要素が強調となります。

  • 文字の太さ
  • 数値的訴求
  • 枠線を太くする など

実は、セールのときに記載する「〇円 OFF!」といった情報も、対比になるのです。

対比を採用することで情報の優先度を直感的に理解することができるため、最も伝えたい情報に取り入れましょう。

 

その他押さえるべきポイント

その他押さえるべきポイント

読者に伝わりやすいデザインのコツには、先述した4大要素以外にも下記のポイントを押さえておきましょう。

 

強調

強調とは、読者に最も重要な情報を最初に目にしてもらうように、要素を強く表現させることが挙げられます。

商品が掲載されているチラシの場合は商品画像が、フライヤーの場合は出演アーティストが強調の対象となります。

Webサイトにおいても同様で、ホームページの一番上に表示されている「ファーストビュー」に最も重要な情報を掲載します。

多くの場合、企業のスローガンや主力商品の画像などを掲載する傾向にあります。

 

フォント

同じ文章を記載しても、使用するフォントによって読者に与えるイメージは大きく異なります。

パソコンのなかには「メイリオ」や「ゴシック体」「明朝体」といった、さまざまなフォントが登録されています。

下記、それぞれのフォントの特徴と読者に与えるイメージです。

 

メイリオ

メイリオとは少し幅広で文字全体が大きく見えるフォントであり、高い視認性を保有していることが特徴です。

語源ははっきりと視認できることを意味する「明瞭(めいりょう)」であり、プレゼン資料などに用いられています。

メイリオで記載された文字は丸みを帯びていますが、しっかりとした雰囲気を持たせることができます。

硬すぎず柔らかすぎないことから、メイリオはビジネス以外にもさまざまなシーンで用いられています。

 

ゴシック体

ゴシック体は縦と横の線の太さに違いがないフォントであり、後述する明朝体のように三角形の山である「うろこ」がありません。

線のはしが角ばっているものを「角ゴシック」、丸みを帯びているものを「丸ゴシック」といいます。

メイリオと同様に、高い視認性を持っていますが、読者には面白い・楽しそうといったイメージを持たせることができます。

このような印象を与えることから、子ども向けの商品やサービスなどが記載された印刷物に用いられます。

 

明朝体

明朝体とは、横線が細くて縦線が太く、線の右端や直線的に曲がる箇所に三角形の山である「うろこ」があるフォントです。

語源は「明王朝の書体」といわれており、当時の中国が筆で描いたときの字体を参考にしています。

先述したメイリオとゴシック体と比べると、明朝体はおとなしそう・厳しそうといった印象があります。

そのため、和風の商品や教科書などのようにしっかりと読んでほしい書籍に用いられます。

 

配色

配色は重要

デザインにおいて、配色は印刷物を見てもらうための重要な要素になります。

たとえば、暖かいイメージを持ってもらいたいときは暖色系、クールな印象を持ってもらいたいときは寒色系の色を使うことが挙げられます。

しかし、複数の色を使用すると先述した反復の効果が弱くなってしまうため、下記のポイントを押さえておく必要があります。

  • ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=70:25:5

ベースカラーはホワイトやアイボリーといった、印刷物の背景となる色です。

メインカラーはその印刷物を印象付けるための色で、ベースカラーと近かったり全く違ったりしている色が採用されます。

アクセントカラーは印刷物のなかでも特に見てほしい要素に使われる色で、読者の視線を誘導することができます。

 

文字間隔

文章を記載したとき、文字と文字の間隔を調整しなければ視認性が低下するため、最後まで読んでもらえない可能性があります。

文字間隔を調整する作業は「カーニング」と呼ばれるものであり、軽視されがちですがとても重要な要素なのです。

文章をよく見てみると、英語と日本語の文字間隔が異なっていることがお分かりいただけると思います。

カーニングを行い、文字間隔を調整することで視認性が向上します。

 

おわりに

本記事では、読者に分かりやすくするために抑えておくべきデザインについてご説明しました。

デザインを制作する際は、まずは下記の4点を押さえておきましょう。

  • 近接:関連する情報を近づける
  • 整列:始まりや要素間の場所を整える
  • 反復:視認性を向上させるために、特定のルールに則って要素を構成する
  • 対比:あえて全く違う要素を取り入れる

ほかにも、強調やフォント、配色、文字間隔などさまざまな要素を取り入れる必要があります。

視認性が高いデザインを作成して、多くの読者からの反響を得ましょう。

 

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タグ : 4大原則 印刷
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