ポスターの印刷をネットでオーダーする際のポイントを解説
2022.08.07ネット印刷・デザイン街中では選挙やイベント案内など、さまざまなポスターを目にすることがあります。
近年ではインターネットの普及により、印刷業者に足を運ばなくてもポスターの印刷をオーダーすることができるようになりました。
本記事では、ポスターの印刷をネットでオーダーする際のポイントを解説します。
ポスターの利用用途
ポスターを貼り付ける場所は屋内と屋外に分けられ、それぞれ用途や目的、使用するインクや用紙に求められる条件が異なります。
下記、屋内と屋外別のポスターの利用用途をご紹介します。
屋内
屋内で使用するポスターには新商品の案内やイベント案内、店内での注意事項といった内容が記載されます。
屋外と比べて紫外線の照射量が少なく、雨風にさらされることもないため、屋外と比べて自由にインクや用紙を選ぶことができます。
屋外
屋外に貼り付けるポスターには、選挙時に使用するものや旅行先、新店案内といった内容を記載したものが多い傾向にあります。
雨風や直射日光にさらされるポスターには、下記のように耐光性インクや耐水性コーティングが施された用紙が使われます。
耐光性インク
紫外線などで色落ちしにくいインクです。
通常のインクでは紫外線に当てられると1~2週間程度で色落ちしますが、耐光性のインクでは長期間屋外に貼り付けても色落ちしにくくなっています。
耐水性コーティング
一般的にポスターは水に弱い紙でできているため、雨風にさらされることで簡単に破れてしまいます。
しかし、石油由来の合成紙やラミネート加工を行うことで耐水性を持たせることができるため、屋外での使用にも耐えることができます。
ポスターのサイズ
こちらでは、一般的に使われるポスターのサイズをご紹介します。
サイズ | 幅(mm) | 高さ(mm) | よく用いられるポスターの種類 |
A2 | 420 | 594 | 展示会・学会・イベント用ポスター |
A1 | 594 | 841 | 一般的なポスター |
A0 | 841 | 1,189 | 学会・イベント向けポスター |
B2 | 515 | 728 | 一般的なポスター |
B1 | 728 | 1,030 | 映画用ポスター |
B0 | 1,030 | 1,456 | 駅に貼るポスター |
用紙のサイズを選ぶ際のポイントは、「どこに貼り付けるのか」「ポスターには何が書かれているのか」です。
たとえばお店の窓に貼り付ける場合、紙のサイズが大きすぎると店内が見にくくなり、小さすぎると記載された情報が見にくくなります。
そのため、デザインの段階でキャッチコピーや訴求内容などを考えておく必要があります。
ネットでポスターを印刷する際に上記のようなポイントを伝えることで、イメージ通りのポスターを印刷してもらうことができます。
ポスターに適した用紙一覧
こちらでは、ポスターに適した用紙をご紹介します。
マット紙
表面の光沢をおさえた、見た人に落ち着いた印象を与えることができる用紙です。
光の反射がおさえられるため、記載情報を視認がしやすいといった点も特徴です。
光沢紙
表面に光沢がほどこされた用紙です。
発色が良く、色味にこだわったポスターを作りたい方におすすめです。
耐水紙
雨風にさらされても破れにくい、耐水性コーティングが施された用紙です。
耐久性も高いため、耐水紙は屋外だけではなく、屋内でも長期間貼り付けることができます。
ポスターのレイアウトやコツ
こちらでは、ポスターを作成する際に抑えておきたいレイアウトやコツをご紹介します。
ポスターを見てもらうターゲットを明確にする
ポスターを印刷する際には、誰に見てほしいのかといった、下記のようなターゲットを明確にしておく必要があります。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 生活スタイル
- 性格
- 地域
キャッチコピーとメインビジュアル
ポスターにおいて、キャッチコピーとメインビジュアルは見た人の目を引く重要な要素です。
たとえば新商品を紹介するポスターの場合、「日本初上陸!」や「〇月〇日発売!」といったキャッチコピーと、商品の写真が記載されたものなどが挙げられます。
キャッチコピーとメインビジュアルを考える際には、先述のターゲットが抱えている悩みや不満を解決できるようなものを検討しましょう。
伝えたい情報を絞る
大判のポスターには、多くの情報を記載したいと思っている人もいると思いますが、情報が多すぎるとポスターを見た人が理解できないことがあります。
そのため、イベントの場合は内容や開催日時、会場といった情報のみに絞ることで、より強くポスターを見た人に印象を与えることができます。
配色を考える
色には暖色や寒色だけではなく、ベースカラーやメインカラー、アクセントカラーといった種類に分けられます。
一般的なデザインの基本として、下記のような比率があります。
ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー = 70:25:5
ベースカラー
上記の比率で70%の割合を占めるベースカラーには、メインカラーとアクセントカラーを引き立てる役割があり、余白や背景などに用いられることが多いです。
一般的にベースカラーには、グレーやベージュといった、比較的落ち着いた色が使われます。
メインカラー
作成したポスターのメインとなるカラーです。
メインカラーには商品に使われている色や、キャッチコピーの文字に使われる色などが挙げられます。
アクセントカラー
全体を引き締め、ユーザーの目を引く役割を持つアクセントカラーは、発色が良いものや明暗がはっきりしている色などが使われます。
ジャンプ率を意識する
ジャンプ率とは、イラストや文字の大きさの比率を表すもので、比率が大きいほどジャンプ率が高く、比率が小さいほどジャンプ率が低くなります。
ジャンプ率を意識することで、掲載した情報の強弱がはっきりとするため、ポスターを見た人に躍動感を与えます。
目の動きを意識したデザインで作成する
人の目線は、横書きの場合は左上→右上→左下→右下の順に情報を追う「Zパターン」や、縦書きの場合は左上→左下→右上→右下の順に情報を追う「Nパターン」に分けられます。
そのため、ZパターンとNパターンの両方でスタート地点にあたる左上に一番見てほしい情報を記載するなど、人の目の動きを意識したデザインで作成しましょう。
鮮明な色使いがされている画像・写真を使用する
ポスターに使用する画像や写真は、鮮明な色使いがされているものを選びましょう。
鮮明ではない画像や写真を使用すると、ポスターを見た人の印象に残らず、集客につなげづらくなります。
左右対称のデザインを意識する
ポスターは一般の印刷物よりも大きいため、情報をさまざまな箇所に散りばめると見た人を疲れさせてしまいます。
情報をまとめる方法のひとつとして、中央に軸を置いて左右対称に情報を記載することが挙げられます。
左右対処のデザインにすることで、全体的にまとまりがあり、伝えたい情報が集まっているためポスターを見た人が情報を理解しやすくなります。
おわりに
本記事では、ポスターの印刷をネットでオーダーする際のポイントをご紹介しました。
ポスターは屋内、屋外によってサイズや必要となる紙の条件が異なるため、印刷をオーダーする際にはその旨を業者に伝えましょう。
ポスターに使われる紙の種類にはマット紙や光沢紙、耐水紙などがあるため、用途や貼り付ける場所によって最適なものを選ぶ必要があります。
集客を上げるためにも、作成するポスターはデザインだけではなくサイズや用紙の性質にも注意しましょう。
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