コントラストが効いている色使い|基本をおさえて印刷物を作成しよう
2023.04.30ネット印刷・デザインチラシや冊子に掲載するデザインを作成する方のなかには、色使いに悩んでいる方がいらっしゃると思います。
色使いによって読者に与える印象が異なり、ビジネスの場合は収益にも関わるため、色使いは重要な要素です。
本記事では色使いの基本を、コントラストのご説明とあわせて解説します。
色使いの基本
色使いには美しくデザインを表現するために、下記のようなさまざまなポイントがあります。
色数を減らす
色数が多くなるほど配色が難しくなり、全体のバランスが取りにくくなります。
さまざまな色が使われている印刷物は華やかに感じる読者もいらっしゃいますが、ごちゃごちゃとしているといった印象を感じる方もいらっしゃいます。
一般的には、デザインに使われる配色は多くても3色までにすれば良いと言われています。
3配色はベースカラー、メインカラー、アクセントカラーの3種類で構成されているものです。
ベースカラー
ベースカラーはデザインの大部分を占める色です。
メインカラーやアクセントカラーの邪魔をしないように、落ち着いた薄い色や白が使われることが多い傾向にあります。
メインカラー
メインカラーは対象となるデザインのイメージとなるカラーを指します。
ロゴやデザインのイメージを決定づけるため、ベースカラーよりも明るい色が選ばれることが多いです。
アクセントカラー
アクセントカラーは特定のポイントを目立たせたいときに使われます。
読者に見てほしい場所に使われ、メインカラーの対となる色が採用されることが多い傾向にあります。
一般的に赤×青×白の色の組み合わせは「トリコロール」と呼ばれますが、トリコロールはこちらの組み合わせだけではなく、黒×赤×黄色、緑×白×赤など、3配色全体を指す言葉です。
75-20-5のルールに則る
75-20-5のルールとは、ベースカラーを7.5割、メインカラーを2割、アクセントカラーを0.5割使う配色です。
印刷物のデザインやインテリア、ファッションなどはこの比率で構成されることが多く、まとまりがある見た目になります。
下記、75-20-5の割合で使われることが多い配色です。
ベースカラー | メインカラー | アクセントカラー |
ホワイト | ブラック | イエロー |
ホワイト | ブルー | レッド |
アイボリー | グレー | レッド |
色のコントラストを利用する
コントラストとは、複数使われている色のなかで、明らかに性質が異なっている色を指します。
色はデザインを表現するための重要な要素であり、多くの人の目を引き付けるためになくてはならないものです。
一般的に、最も伝えたい要素ははっきりとしたコントラストを使い、ほかの色は色調が抑えられているものが使われる傾向にあります。
たとえば、スーパーのチラシでは価格を最も見てもらいたいため、コントラストとしてイエローやレッドに着色されていることが多いでしょう。
グレースケールでデザインを作成する
デザインを作成し、色付けをしたあとに「ここの色が良くない」と思って修正をされた方がいらっしゃると思います。
色の調整は多くの時間を費やし、作業効率が悪くなってしまうため、可能な限り減らしたいものです。
そのような場合、白黒で表現するグレースケールでデザインやレイアウトを確認しましょう。
グレースケールでは着色されていないことから、デザインやレイアウトに集中することができるため、着色前にグレースケールで全体を確認しておきましょう。
色の特性を理解する
色は暖色や寒色といった、さまざまなカテゴリに分けることができます。
暖色とはレッドやピンク、イエローといったぬくもりを感じる色を指すもので、見た人をポジティブにさせる効果があります。
一方、ブルーやパープルといった寒色は見た人を落ち着かせる効果を持ちます。
印刷物によって見た人に持ってもらいたい印象が異なるため、色の特性を理解し、最適な色を使いましょう。
コントラストの種類
先述した通り、コントラストはほかに使われている色とは異なる色調を指すものです。
こちらでは、コントラストの種類をご紹介します。
ビビッド
ビビッドは彩度が高い色相群で、色によどみがないことから最大限に色の効果を引き出すことができます。
多くの人の目を引き、見た人に生き生きとした印象を与えることができる点が特徴です。
一方、繊細な表現には不向きであり、色の組み合わせによっては安っぽくなってしまう可能性があります。
ブライト
ブライトとはビビッドよりも明度を高く、彩度を低くした色相群で、女性や子どもをターゲットにした印刷物に使われます。
カジュアルなイメージの色相群であることから、印刷物だけではなくウェアなどにも使われる傾向にあります。
また、春や夏といった、暖かい季節に開催されるキャンペーンに関するチラシにも使われることが多いです。
ライト
ライトはブライトからさらに彩度を落とし、明度を上げた色相群で、見た人にやわらかくさわやかな印象を与えます。
一般的にパステルカラーと呼ばれるライトの色相群は、女の子向けの印刷物に使われる傾向にあります。
一方、メリハリが弱いことから男性向けの印刷物には不向きです。
ダーク
ダークはビビッドカラーに黒を混ぜた色相群ですが濁ったような印象はなく、重厚感がある大人っぽい表現のときに使われます。
特に、ダークトーンのなかに含まれる紫は地位や格式が高い方に配布する印刷物に使われる傾向にあります。
そのため、軽いパーティやイベントなどには適していない色相群であると言えます。
ライトグレイッシュ
ライトグレイッシュはライトトーンを少し濁らせたような色目で、淡い色でありながら重厚さを感じます。
ライトトーンよりも大人びた印象を与えられるため、成人や秋冬に発行する印刷物に使われる傾向にあります。
ライトグレイッシュは背景や模様などに使われることが多い色相群だと言えます。
グレイッシュ
グレイッシュは先述したライトグレイッシュからさらに明度を落とした色相群です。
一般的にはアースカラーと呼ばれる色相群で、自然を感じさせる印刷物に使われることが多い傾向にあります。
そのため、多くの人に違和感なく見てもらえる色が多い点が特徴だと言えます。
ダークグレイッシュ
ダークグレイッシュは明度も彩度も可能な限り落とした色相群で、色の個性がほとんどなくなっています。
そのため、ダークグレイッシュはベースカラーとして使われることが多い傾向にあります。
ほとんど色の区別がつかないとはいえ、わずかにレッドやイエローがかっているため、印刷物によって最適な色を選ぶようにしましょう。
このように、コントラストにはさまざまな種類があり、使いどころや使う色の選択肢は広いものです。
発行する印刷物にどのような印象を持ってもらいたいのか、どんな感情を持ってもらいたいかを考えることが重要です。
印刷物の成果を最大限に発揮するため、記載するデザインだけではなく、デザインに施す色も十分に検討しましょう。
おわりに
本記事では、印刷物に使われる色のコントラストについてご説明しました。
色使いの基本には色数を減らす、ベースカラーやメインカラーを意識するといったものがあります。
また、印刷物の成果を最大限に発揮するためには、コントラストを利用することが重要です。
ライトやダークといったさまざまなコントラストから、最適な色相群を選ぶことで多くの方に見てもらえる印刷物ができあがります。
印刷物を発行する際、デザインや内容だけではなく色使いにも注力しましょう。
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