デザインを作成する際に取り入れたい心理効果10選
2023.11.12ネット印刷・デザインチラシやパンフレットといった印刷物を作成する際、表紙や各ページにはそれぞれのデザインが施されます。
しかし、「オシャレそう」や「見やすそう」といった観点だけを考えてデザインを作成すると、期待した効果を得られない可能性が高いです。
デザインを作成する際には、心理学を取り入れることで強く訴求することができ、問い合わせや購入といった効果を高められます。
本記事では、デザインを作成する際に取り入れたい心理効果を10点ほどご紹介します。
ホワイトスペース効果
ホワイトスペース効果とは、真っ白なスペースで目立たせたいポイントを強調したり、テキストを見せたりするものを指します。
チラシやパンフレットの効果が現れにくい要因のひとつとして、記載情報がごちゃごちゃとしてしまっていることが挙げられます。
印刷物は印刷が可能なスペースが限られていることから、情報を詰め込みがちな方が多くいらっしゃいます。
ホワイトスペース効果は不要な情報を一切取り除き、記載している情報を特に目立たせたいときに有効な心理効果です。
真っ白な背景にロゴや商品写真などを掲載することで、読者は何が書かれているのかを一目で理解することができます。
シンプルで洗練されたデザインになることによって、ユーザーを迷わせることなく情報を伝えられるといったメリットがあります。
矢印効果
矢印効果とは、ユーザーの導線や視線を導かせる際に用いられる効果です。
ほとんどの印刷物では、左上から始まって右下に視線が移ったり、右上から左下に移動したりします。
また、中央に伝えたい情報が記載されている場合、上から下に移動することでしょう。
しかし、デザインのなかにはフローチャートのように特定の手順で見てもらいたいものがあるものです。
そのような場合に活用されるのが、矢印効果となります。
なかには矢印の先に電話番号やQRコードなどを設けている印刷物があり、問い合わせや購入を促しています。
トンネル効果
トンネル効果とは、囲まれているものの中心に目が行ったり、トンネルの先に目が行ったりといった効果を利用したものです。
囲われた空間は周囲の空間よりも視線が移動しやすく、注目度を上げることができます。
写真やイラストなどでも使われるほか、文字などで周囲の空間を作り、中央に伝えたいことを記載するなどの技術が使われています。
また、テクニックのひとつとして、周囲の空間を暗くして中央を明るくすることで、効果を強くすることができます。
実際の洞穴やトンネルにおいても、出口や外の空間のほうが明るくなっていることから、違和感なく取り入れられるでしょう。
このように、心理効果のなかには自然から着想を得たような効果が含まれているのです。
選択肢の過多効果
お客様に商品やサービスを提供する際、「選択肢は多いほうが良い」と考えられる方がいらっしゃることでしょう。
しかし、選択肢が多くなるほど「どれが良いのだろう?」と悩んでしまうため、そのストレスから購入を妨げてしまうものです。
選択肢をあえて絞り、読者が選択しやすくする心理効果を「選択肢の過多効果」と呼びます。
そのため、チラシに掲載する際には商品やサービスを絞っておく、1種類しか掲載しないということも購買を促す方法といえます。
チラシなどに記載されている「トップ〇〇」や「〇選」といった表記は、選択肢を絞っているといえるでしょう。
読者の観点では、〇点の商品やサービスが記載されているのかということが一目で理解できるメリットがあります。
ベビーフェイス効果
商品やサービスを購入する際、使い勝手やビジュアルの良さを前提として、安全・安心であることが求められます。
読者に安心感を与える際に赤ちゃんの写真を使用しているものがありますが、こちらはベビーフェイス効果を利用しています。
赤ちゃんは丸い顔・小さな鼻・大きな目といったかわいらしい顔のパーツを持つことから、安心感を得る方が多いです。
また、赤ちゃんに限らず2等身のキャラクターやゆるキャラなどのなかにもベビーフェイス効果を含んでいるものがあります。
一方、大人の男性の写真を使用すると専門性や威厳が向上するため、ユーザー心理をコントロールすることができます。
色彩心理効果
チラシやパンフレットに限らず、多くの方は色についてさまざまなイメージを持っているものです。
赤であれば「暖かい」「エネルギッシュ」「リンゴ」のように、これまでの経験などから連想する方は多いことでしょう。
これらのように、色が持つイメージを活用しているのが「色彩心理効果」と呼びます。
また、単色だけではなく、複数の色を組み合わせることで幅広い視覚効果を与えることができます。
企業や商品のロゴやキャラクターなどにも色彩心理効果が使われており、イメージ戦略に用いられています。
効果的に色彩心理効果を使用する際は、下記の比率を考慮してみましょう。
ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=70:25:5
マジカルナンバー
カタログやチラシ、パンフレットによっては電話番号など、複数の数字を記載することがあります。
しかし、ある程度数字がまとめられていないと視認性が下がり、何を伝えたいのかが分からなくなるものです。
そのような場合に用いられるのがマジカルナンバーであり、4±1の範囲にまとめることで視認性を向上させることができます。
たとえば、電話番号の場合は下記のようになります。
- マジカルナンバー未使用 :0120897216
- マジカルナンバー使用 :0120-89-7216
上記は同じ番号が記載されていますが、マジカルナンバーを使用したほうが理解しやすいでしょう。
クレショフ効果
クレショフ効果とは、映画評論家のレフ・クレショフが提唱した効果で、前後に並べる映像によって印象を操作するものです。
画像の組み合わせや配置する場所、順番を変えるだけで読者の印象を操作することができるようになります。
たとえば、同じ人物像の画像を使用したあとに、下記のような画像を使用するとイメージが変わることでしょう。
- お墓:悲しいイメージになる
- 食品:おなかがすいているように見える
- 異性:愛情や好意を感じる
なお、クレショフ効果は画像だけではなく、動画などにも用いられる技術です。
コントラスト効果
商品やサービスなどを購入する際、対象となるものだけではなく、類似品と比較するという方は多いのではないでしょうか。
実際に、多くのユーザーは比較をすることで商品やサービスのお得感を理解し、購入に至る可能性が高くなります。
印刷物にコントラスト効果を付与する際は、白黒のなかにカラーを混ぜたり、複数サービスとの比較表を挿入したりします。
また、最も購入してほしいアイテムを中央に掲載することも、コントラスト効果のひとつとなります。
シンメトリー効果
多くの方は、左右対称のものを美しいと感じるもので、この効果を利用したのがシンメトリー効果といいます。
周囲をよく見てみると、企業ロゴやブランドロゴのなかには、左右対称にデザインがされているものが多くあるものです。
また、対称となるのは左右だけではなく、上下も含まれます。
洗練されたデザインを参考に、シンメトリー効果を採用してみてはいかがでしょうか。
おわりに
本記事では、デザインを作成する際に利用できる心理効果についてご説明しました。
ホワイトスペース効果や矢印効果、トンネル効果といったものは多くのデザインに採用されているものです。
商品やサービスを覚えてもらいたい、購入や契約に至る可能性を上げたい方は心理効果を採用してはいかがでしょうか。
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