印刷物などに施すデザインはシンプルなほうが良い理由をご紹介

2023.12.03ネット印刷・デザイン

デザインはシンプルが良い

チラシやパンフレットといった印刷物をデザインする際、何を記載するべきなのかを迷われることでしょう。

これも書くべき、あれも書くべきといってさまざまな要素を記載すると、出来上がりのイメージが見にくかった経験はないでしょうか。

読者が理解しやすいように、印刷物はシンプルなデザインで印刷することが望ましいです。

本記事では、印刷物などに施すデザインはシンプルなほうが良い理由と、シンプルデザインの作成方法をご紹介します。

 

シンプルなデザインとは?

シンプルなデザインとは

シンプルなデザインとは、飾りや要素が少なく、すっきりとした見た目のものを指します。

チラシやパンフレットを見ると、商品名やキャッチコピーなどのほかに、不要なイラストなどが記載されていることがあります。

人は要素が多くなるほど何に集中すれば良いかがわからなくなるため、購入や契約締結などの成果が下がるリスクが考えられます。

しかし、シンプルにしたいからといって白地に黒文字で情報を伝えれば良いというわけではありません。

シンプルデザインを作成する際には配色やフォント、字間など、さまざまな要素を検討する必要があるのです。

 

シンプルなデザインのメリット

シンプルなデザインのメリット

こちらでは、シンプルデザインのメリットをご紹介します。

 

情報が伝わりやすい

シンプルなデザインには、読者に伝えたいことだけをしっかりと伝えることができるメリットがあります。

人は視認したすべての情報を記憶に残すことはできず、大半は目にしたものの覚えていない状態なのです。

また、視認する情報が多くなるほど記憶はあいまいになってしまい、「さっき何見たっけ?」という状態になります。

要素を減らし、見てもらうための情報を絞ることで記憶に残しやすくなる点がシンプルデザインのメリットです。

センスがいいと思われる

シンプルデザインを見た方の印象は、ほとんどが高級感や清潔感、美しさといったクールなイメージになります。

実は、シンプルデザインを作成するにはさまざまな要素を検討・計算しなければならないため、デザイナーのセンスが問われます。

高級ブランドのカタログや店舗を見てみると、必要な要素のみで構成されていることがおわかりいただけると思います。

一方、スーパーのように安さがウリの店舗では、あえてごちゃごちゃとしたデザインでチラシを作成することがあります。

普遍的

シンプルデザインの大きな特徴として、時代や流行に左右されにくいという点が挙げられます。

いわゆる機能美を追究したというものであり、この考え方は建設業やIT業界などでも採用されています。

不要な要素を徹底的に取り除き、必要な要素のみに絞ることで、おのずとシンプルデザインになるでしょう。

普遍的なデザインは記載する情報を変えて使いまわすことができるなど、時代や流行に左右されない強みがあります。

制作費と時間を削減できる

シンプルデザインは記載する要素が最低限に絞られていることから、配置やフォントなど考える要素が少ない傾向にあります。

要素を絞る際、どの要素を絞るべきなのかなどを考えなければならないため、時間がかかると考える方がいらっしゃると思います。

しかし、実はシンプルデザインのほうが少ない工程で作成できるため、スムーズに制作を行うことができるのです。

伝わりやすいものを短時間で作成できるため、シンプルデザインには業務効率改善のメリットがあるといるでしょう。

 

シンプルなデザインのデメリット

シンプルデザインにはさまざまなメリットがある一方、下記のポイントには注意が必要です。

 

デザイナーのセンスが問われる

シンプルデザインは記載する要素が少ないため、制作する際の難易度は高く、デザイナーのセンスが問われます。

複数の要素を記載する場合、ある程度のごまかしができますが、シンプルデザインでは要素が少ないためごまかしが利きません。

しかし、シンプルデザインを作成する際、デザイナーは必要・不要情報の取捨選択を行えるため、スキルアップが期待できます。

複数のデザイナーに制作を依頼した際、ベテランと歴が浅い方では仕上がってくるデザインが異なる点も面白いでしょう。

 

他社・他店に真似をされやすい

先述の通り、シンプルデザインで印刷物を製作する際は、必要な要素を検討するなど一定の作業が必要となります。

洗練されたデザインを印刷し、多くの方に配ることになりますが、そのなかには自社にとって競合となる他社・他店も含まれます。

何かしらのタイミングで他社・他店に印刷物がわたってしまうと、そのデザインを真似されるリスクがあります。

デザイナーが頑張って制作したデザインを、簡単に真似されてしまうと腹立たしいだけではなく、お客様を取られるかもしれません。

 

マンネリ化する

シンプルデザインはその特性上、特定の要素を記載することが多くなるため、どうしても似通ったデザインになってしまいます。

ほとんどのシンプルデザインのチラシには、タイトルや商品名、見出し、価格、スペックが記載されていることでしょう。

そのチラシで大きな収益を得られた場合、モデルケースとしてそのチラシを真似て、同じようなデザインで製作する傾向にあります。

読者にとって、初見の場合は魅入られる可能性が高いですが、何度も同じ構成のデザインを見ると飽きてしまうでしょう。

 

シンプルなデザインの作成方法

シンプルなデザインの作成方法

下記にて、シンプルデザインの作成方法をご紹介します。

 

フォントを検討する

印刷物に記載する文字のフォントは、ベーシックかつ視認性が高いものを選ぶことをおすすめします。

デザイン性が高いフォントは可読性よりも見た目の良さを重視しているものがあるため、人によっては見えにくくなるものです。

しかし、印刷物の目的は内容を読んで理解してもらうことであるため、視認性が高いものを選ぶ必要があります。

視認性が高いフォントにはメイリオやヒラギノ角ゴシックなどが含まれており、多くのデザイナーに選ばれています。

 

配色

視認性が低い印刷物が持つ特徴のひとつとして、複数の色が使われていることが挙げられます。

すっきりと見せるためには「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」の比率が重要です。

  • ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=70:25:5

ベースカラーは最も大きな割合を占める色で、白やアイボリーなど抑えられた色が使われます。

メインカラーは対象となる印刷物のメインとなる色であり、商品やサービスに使われている色を指すことが多いです。

アクセントカラーは比率こそ少ないものの、全体を引き締めたり、ユーザーの目を引いたりする役割を持ちます。

 

テキストのレイアウト

先述したフォントだけではなく、さまざまな情報を記載するテキストも工夫次第ではシンプルに見せることができます。

字間や文字数、行間など、テキストのレイアウトもシンプルデザインを作成する際に重要な要素となります。

文字が詰まりすぎていると読者はどこまで読んだのかがわからなくなるため、適度に開けておかなければなりません。

このように、シンプルデザインは細部に至るまで、徹底的に視認性を上げるように考える必要があるのです。

 

ホワイトスペースを設ける

ホワイトスペースとは、印刷物内に何も記載されていないスペースを指すもので、メリハリをつけることが目的です。

多くの情報が記載されている場合、余白が設けられていないためごちゃごちゃとしてしまい、視認性が低下します。

しかし、シンプルデザインでは不要な要素を削除するため、ホワイトスペースを設けやすいといった特徴があります。

なお、ホワイトスペースとはいいますが、ベースカラーがグレーやアイボリーなどでもホワイトスペースと呼ばれます。

 

全体の構成

シンプルデザインに限らず、印刷物のデザインを制作する際には全体の構成を事前に考えなければなりません。

全体の構成を考える際、シンプルにするだけではなく読者がどのように視線が動くのかも考える必要があります。

人の視線は「F型」「Z型」「N型」に動くため、どこにどの要素を記載するのかによって読者の興味が左右します。

そのため、デザイナーは本格的にデザインを作成する前に、下書きなどで情報を整理してから作業に臨みます。

 

シンプルなデザインのコツ

シンプルなデザインのコツ

シンプルデザインを作成する際には、下記のコツを押さえておきましょう。

 

記載する情報は最小限に抑える

シンプルデザインで重要なことは、記載する情報を最小限に抑えることです。

しかし、抑えすぎると読者に伝わらなくなるため、情報の取捨選択が重要となります。

 

デザインではなく、伝えたい情報を最優先する

多くの方は、全体のデザインを重視したいと考えますが、最優先は伝えたい情報をわかりやすくすることです。

「結局、このチラシは何がいいたかったんだ…」とならないように、主目的をブラさずに作らなければなりません。

 

ホワイトスペースを最大限に利用する

すっきりとしたシンプルデザインで作成するためには、適度な余白を設けるホワイトスペースが重要です。

字間や配置などを考えて、読者が視認しやすいような印刷物を発行しましょう。

 

太さや図形などで味気なさをなくす

シンプルデザインを作成したあとに見てみると、なんだか味気ないと感じる方がいらっしゃるでしょう。

そのような場合、太さや図形などを工夫することで、シンプルなのに強く印象に残すことができます。

 

おわりに

本記事では、印刷物などに施すデザインはシンプルなほうが良い理由をご紹介しました。

シンプルデザインとは不要な情報を可能な限りなくして、伝えたいことを伝えることに特化したデザインを指します。

下記、シンプルデザインのメリットです。

  • 情報が伝わりやすい
  • センスがいいと思われる
  • 普遍的
  • 制作費と時間を削減できる

しかし、デザイナーのセンスが問われる、他社・他店に真似をされやすい、マンネリ化するといった点には注意が必要です。

シンプルデザインはフォント・配色・テキストのレイアウト・ホワイトスペース・全体の構成を検討することで作成できます。

印刷物の反応が良くないと思われた方は、シンプルデザインで作成してみてはいかがでしょうか。

 

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タグ : シンプル 印刷
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